巨人の二塁手争いに名乗りを上げたのは田中俊太。兄・田中広輔(広島)とそっくりと言われるプレースタイルでアグレッシブにアピールを続け、2年目の吉川尚輝と熾烈な1軍枠争いを繰り広げている。
高橋由伸監督も「将来の侍ジャパン候補」と一押し。マギーがスロー調整ということもあり、練習試合では三塁も守った。マギー、岡本和真のバックアップを考えると守備に長けた田中俊太の出番はオープン戦でもあるはずだ。
同じく二塁手で内野ユーティリティーのドラ6・若林晃弘も1軍キャンプで奮闘中。ここからの実戦が勝負だ。
新人合同自主トレから首脳陣の期待を集めているのは菅野剛士(ロッテ)。明治大時代は通算28二塁打で東京六大学リーグ新記録を樹立した「ミスター・ダブル」。身長171センチと小柄だが、外野の間を抜く打球が打てるのが強み。社会人でも、その実力を発揮した。
今年のロッテキャンプの冒頭は1軍、2軍の隔てなく、シート打撃など実戦メインの競争で開始したが、井口資仁監督が「一番振れている」と絶賛。キャンプ後半の振り分けで1軍に生き残った。
高卒ルーキーながら1軍キャンプスタートを決めたのは、仙台育英高でキャプテンを務めた西巻賢二(楽天)。身長167センチと小柄でドラフト指名時には「地元枠」との見方もあったが、打撃練習から力負けせずに柵越えを放ち、17日に行われたサムスン・ライオンズ(韓国)との練習試合では2打数2安打の大活躍を見せた。
守備面では仙台育英高の先輩・平沢大河(ロッテ)にも引けをとらない動きを見せ、プロ1軍でも遜色ないレベル。梨田昌孝監督も久米島キャンプのMVPに挙げ、評価はうなぎのぼりだ。
楽天では藤田一也、茂木栄五郎ら二遊間がケガで出遅れており、実戦での出場機会も少なくないだろう。ドラフト6位から高卒開幕1軍へ。小技にも長ける高校球界のいぶし銀が早くも下剋上を起こそうとしている。
文=落合初春(おちあい・もとはる)