DeNAの筒香嘉智が、44本塁打、110打点で打撃タイトル二冠を獲得した。
昨季までの打撃三冠におけるキャリアハイは、昨季の打率.317、24本塁打、93打点だった。しかし、今季は本塁打、打点だけでなく、打率.322、そして出塁率も.430で自己最高を更新している。
ちなみに、安打数は昨季よりも6本減って151安打だったのにもかかわらず出塁率が上がっているのは、四球が昨季の68から87に増えたことの影響が大きい。選球眼がよくなり、甘いボールをしっかりとらえていたということだろう。
ちなみに、1950年以降のセ・リーグで打撃三冠のうち、いずれか2部門を獲得した二冠王は41回、三冠王は4回達成されている。
今季の筒香と同じ本塁打と打点の二冠は、現在のチームの指揮官であるラミレス監督が巨人在籍時の2009年に49本塁打、129打点で獲得して以来7年ぶり。日本人では2002年の松井秀喜(巨人)が50本塁打、107打点を記録して以来、14年ぶりとなる。
さらに球団史上となると、大洋ホエールズ時代の1988年にポンセが33本塁打、102打点で二冠を獲得して以来28年ぶりということになる。
筒香が生まれた1991年世代のなかでも、初の打撃三冠タイトル獲得となった。
この世代は、すでにチームの主力として活躍している菊池雄星(西武)、大瀬良大地(広島)、今村猛(広島)、森唯斗(ソフトバンク)、そして今季、一気に頭角を現した高梨裕稔(日本ハム)、岩貞祐太(阪神)、小川龍也(中日)ら、目立つ選手は投手が多い。
野手でレギュラーとして定着しているのは、ゴールデングラブ賞の常連の今宮健太(ソフトバンク)くらいだ。
期待されながら伸び悩み気味の堂林翔太(広島)、今季ブレイクした原口文仁(阪神)、岡大海(日本ハム)、西浦直亨(ヤクルト)らにとっても、筒香の活躍は大きな刺激となったはずだ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)