単独首位は、5個の鬼崎裕司。象徴的なのは、4月22日の楽天戦での逆転負け劇の引き金となった二塁悪送球である。事件は1アウト満塁、ダブルプレーで試合終了というところで起きた。
川本良平のサードゴロを捕った鬼崎。誰もがゲッツーで試合終了と思った瞬間、まさかの暴投。川本も足が遅い選手ではないため、投げ急いでしまったのかもしれないが、プロにあるまじきプレーをしてしまい同点に。その後、浅村栄斗もつられてホームに悪送球して万事休す。
鬼崎は試合後に2軍落ちしたが、実はこの2日前にもトンネルをやらかしているため、情状酌量の余地はなかった。
その鬼崎は5月4日に1軍再昇格。左太ももを痛めた渡辺直人の代わりに復帰した鬼崎の守備に改めて注目したい。
2位は4個の金子侑司と外崎修汰。
金子侑は主に悪送球が目につき、ファーストへの送球時は、「メヒアの高身長」に助けられていることが多い。外崎は捕球に難があり、グラブに当ててボールを弾いて拾い直しているうちにバッターランナーをセーフにしてしまう。
共に俊足のショート候補ということで、どちらかだけにでも独り立ちしてもらわないと困るのだが……。前正遊撃手の中島宏之(現オリックス)も守備は決して上手いとはいえなかったが、打撃でカバーしていた。せめてこの2人も補って余りある武器を身につけてほしい。
3位は2個で複数名いるが、取り上げたいのは主にライトを守っている坂田遼だ。
最近のものでは、4月29日のソフトバンク戦で内川聖一のライト前ヒットを、バウンドの弾む高さを見誤って後ろに逸らす失態。一塁ランナーだった柳田悠岐の長駆ホームインを招き、先制点を許した。
その後に汚名返上のタイムリーヒットを打ったことでプラスマイナスゼロになったが、田邊徳雄監督がエース・岸孝之を中4日で投げさせようとするくらい目の敵にしているソフトバンク相手にこの体たらく……ということでランクインした。
かつては田邊監督を筆頭に、辻発彦、奈良原浩、外野も平野謙、小関竜也と守備の名手が名を連ねていた西武の野手陣。ここまでのレベルになるのは難しいかもしれないが、プロである以上、せめて普通に捕る、普通に投げるはお願いしたいところだ。
野球に限らず「普通」が一番難しいと言われるが、負けるにしても納得できる負け方というものがあるはず。
プレーしている選手もモヤモヤ、見せられたファンもモヤモヤするエラー。今後は徐々にでいいのでその数を減らして、締まった試合を見せてもらいたい。
文=森田真悟(もりた・しんご)