ソフトバンクにつけられた最大11.5ものゲーム差をひっくり返すという、球史に残る大逆転優勝劇を演じた日本ハム。
そのキーマンである大谷翔平は、規定投球回数・打席には届かなかったものの“10勝・100安打・20本塁打”という史上空前の大記録を打ち立ててチームをけん引。
それに呼応するように中田翔、レアードらが自分の仕事を果たし打線を鼓舞すると、投手陣も有原航平の一人立ちをはじめ、高梨裕稔の台頭、新助っ人・マーティンの活躍などで応えてみせた。
とはいえ、チーム戦略もあり選手層が厚いとはいえないので、4年ぶりとなった今季の優勝はストッパー・増井浩俊の先発転向など、栗山英樹監督の名采配を抜きに語ることはできないだろう。
今年のドラフトが日本ハムにとって、「その年で1番の選手を指名する」という例年の方針通りに進むなら、1位指名は田中正義(投手・創価大)になるはず。しかし夏の甲子園で名を挙げた今井達也(投手・作新学院高)、高校生屈指の球威を誇る藤平尚真(投手・横浜高)にスイッチする可能性もある。
しかし、投手層が薄い原因のひとつに「左腕不足」があるので、右腕が豊富なうちにサウスポーを指名して育てておきたいところ。
ちなみに左は投手だけでなく野手、とりわけ内野手でも不足しているので、この点も今年のドラフトでできる限り解消したい。
以上の点を踏まえると、目玉選手以外では地元・北海道出身の左腕・古谷優人(投手・江陵高)、左打ちの内野手としては石井一成(遊撃手・早稲田大)の名前を挙げたい。
昨年の日本ハムのドラフト時点の指名結果は、野球太郎的にはここ数年よりもやや評価が下がるので、今年の指名には注目したい。
文=森田真悟(もりた・しんご)