まず、キャンプの宿舎としているリゾートホテル・久米アイランドで、1月29日に誕生したヤギの赤ちゃんが「オコエ」と命名された。
当初は、楽天の梨田昌孝監督にちなんで「なっしー」という名前が用意されていたが、女性スタッフからの提案で、この名前に決まったという。
その数日後には、チームメイトの阿部俊人が宿舎でヤモリを捕獲。大きく「オコエ」と書かれた獲物入りの発泡スチロールの容器を報道陣に公開した。「すばっしこいので、オコエと名づけました」とその命名理由を明かした。
直接関係のないところでも話題を巻き起こしているオコエだが、肝心のキャンプ初日の打撃練習では、緊張に加えて不慣れな木製バットということもあって、快音は聞かれず。
翌朝のテレビ番組では、ヤクルトの人気マスコット・つば九郎から「ひだりかたのひらきがはやい」と指摘されるのも仕方ないほど精彩を欠いていた。
しかし、池山隆寛打撃コーチにタイミングの取り方を中心にみっちりと指導を受けた2日目は、ヒット性の当たりを何本も飛ばし、わずか1日で大きな進境を見せた。
注目度の高さは人気の証。本人もニュースタイルのモヒカンヘアで久米島入りするなど、アピールする気持ちは十分だ。
ヤギ、ヤモリに続く第三の「オコエファミリー」は現われるのか? そしてバットからさらなる快音を響かせることはできるのか!? 前年最下位のチームを明るくする大型ルーキーから目が離せない。
文=藤山剣(ふじやま・けん)