週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

大和(阪神)、鈴木尚広(巨人)ら守備&走塁のスペシャリストが「一瞬のプレー」で勝利をもたらす!


 来年3月に開かれる第4回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の組み合わせの一部が発表された。

 日本は、3月7日から11日まで東京ドームで行われる1次ラウンドをキューバ、オーストラリア、中国と対戦。上位2チームが3月12〜16日まで東京ドームで行われる2次ラウンドに進出する。

 代表を率いる小久保裕紀監督は、日本人メジャーリーガー全選手との面談のために近日中に渡米し、最強チームを目指すようだが、最強チームとは何かを改めて考えてみたい。

(※以下、所属球団は当時)

第3回WBC、大一番で犯した走塁ミス


 2013年の第3回WBC、三連覇を狙った日本は準決勝でプエルトリコに1対3で敗れた。勝負の分かれ目として議論を呼んだのが、3点を追う日本の8回の攻撃だった。

 1死から鳥谷敬(阪神)が三塁打を放ち、続く井端弘和(中日)がライト前へタイムリー。1点を返し、内川聖一(ソフトバンク)もライト前へ運ぶ。1死一、二塁。打席には4番・阿部慎之助(巨人)が入った。

 長打が出れば同点だったが、2球目に二塁走者の井端と一塁走者の内川がスタート。しかし、井端はスタートを切ってストップし、内川は二塁へ一心に走った。結果、内川がアウトになり、チャンスも潰えた。
 「阿部のバットに託せばよかった」、「走塁の得意ではない内川に細かいサインを出すのは酷」など、ファンの間でも様々な意見が飛び交った大きなプレーだった。

スペシャリストが展開を変える


 過去の代表チームを見ると、たしかに日本のトップクラスの選手が集まっている。だが、「トップクラスの選手が集まった=最強チーム」というわけでもないはずだ。

 いくらいい選手を集めてもスタメンで出場できる野手は、指名打者を含めても9人。野手15人のうち6人はベンチスタートになる。試合の途中から出場することに慣れないレギュラークラスの選手もいるのではないか。

 例えば、打力に秀でていなくても守備や走塁で日本の戦力となる選手がいる。

 阪神の大和は二塁、遊撃、外野の控えとしてチームに欠かせない存在だ。複数のポジションを守れるというだけではなく、いずれのポジションでも非常に高い守備能力を誇る。打撃は非力で、小技も決してうまくない。走塁技術に長けているわけでもない。しかし、守備だけでも日本代表にふさわしい。

 代走のスペシャリストでは、真っ先に鈴木尚広(巨人)の名前が挙がる。今季は出場機会が例年と比べて少なく、まだ4盗塁しか決めていないが失敗は一度もない。


 中日の荒木雅博は今年39歳ながら盗塁を9回試みてすべて成功させている。ロッテの荻野貴司も10回試みてすべて成功と韋駄天ぶりを発揮している。

 前述のプエルトリコ戦のような場面で走塁のスペシャリストがいれば展開も変わっていたかもしれない。

 常時出場することはなくても、一瞬のプレーでチームに勝利をもたらすことができるスペシャリストの存在は、代表チームにこそ必要なのではないだろうか。


文=京都純典(みやこ・すみのり)

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方