4年ぶりに1軍マスクをかぶった背番号「00」
その活躍を誰よりも喜ぶのは背番号「100」の男に違いない
4月18日、ソフトバンクの細山田武史が7回の守りから出場。1軍での試合は横浜時代の2011年以来4年ぶりだ。三塁ベンチ前でスライディングキャッチする好守備も見せるなど2イニングを無失点に導いた。
細山田の活躍が何とも嬉しいのは、2013年に横浜で戦力外通告を受けた後、ソフトバンクの育成枠でプロの世界に踏みとどまり、そこから這い上がってきたからだ。ソフトバンクの捕手陣に故障が相次いだという理由はあるにせよ、4月3日に支配下選手登録されると、即1軍登録。そして、この日の復活を迎えた。
支配下登録されていなかったとはいえ、昨年も3軍戦では試合に出続けていた細山田。よくよく考えれば、育成ドラフトで指名され、育成選手から這い上がって2013年に51試合に登板、オールスターゲームにも出場した千賀滉大、黄色靭帯骨化症の手術から驚異的な回復で復活し、昨季の日本一に貢献し、今季もすでに2勝を挙げている大隣憲司など、3軍という環境のおかげで成長したり、復活できたりした選手がいるという「層の厚さ」こそ、ソフトバンクの強みといえるのではないだろうか。
同様のことがマスコットにも当てはめることができる。ソフトバンクの球団マスコットは、メインキャラクターである「ハリーホーク」も含め、現行キャラだけで8体(ハニーホーク/ハーキュリーホーク/ホンキーホーク/ヘレンホーク/ハックホーク/リックホーク/ホックホーク)。これは12球団最多を誇っている。きめ細やかなファンサービスで人気を誇る球団運営において、マスコットの多さも重要な要素に違いない。
数が多いというヨコ展開だけでなく、球団の歴史を受け継いでいるタテ軸の強み、そして正当性も魅力の1つだ。ハリーホークは一族の始祖「ホーク1世」から数えて7代目で、先代マスコットである「ホーマーホーク」の末弟にあたる。
余談だが、「ホーク1世」も熱心なホークスファンならその姿を見たことがあるはずだ。そもそも、ヤフオクドームがある一帯「ホークスタウン」を作ったのがホーク1世(という設定)。今でも球場そばにはホーク1世の銅像があり、いつもホークスとハリーホークたちの勇姿を見守っている。
話を「ハリーホーク」に戻そう。1993年、本拠地が平和台球場から福岡ドーム(現ヤフオクドーム)に移転した際に、ホーマーホークからバトンを受け継いでファンの前に姿を現したのがハリーホークだ。
兄・ホーマーの表情は受け継ぎながらも、それまでのずんぐりむっくりした体型とは打って変わってスマートな体型が採用された。というのも、ハリーには「ホークスのエースで4番を務めるスーパースター」というキャラクター設定が加わったからだ。大谷翔平(日本ハム)が生まれる1年前にすでに二刀流の選手(マスコット)が存在していたのだ。