まずは長野大会以降の5大会が開催された年におけるセ・リーグのタイトル受賞者を洗い出してみる。
■1998年:長野大会
首位打者:鈴木尚典(横浜、打率.337)
本塁打王:松井秀喜(巨人、34本塁打)
打点王:松井秀喜(巨人、100打点)
■2002年:ソルトレイクシティ大会
首位打者:福留孝介(中日、打率.343)
本塁打王:松井秀喜(巨人、50本塁打)
打点王:松井秀喜(巨人、107打点)
■2006年:トリノ大会
首位打者:福留孝介(中日、打率.351)
本塁打王:ウッズ(中日、47本塁打)
打点王:ウッズ(中日、144打点)
■2010年:バンクーバー大会
首位打者:青木宣親(ヤクルト、打率.358)
本塁打王:ラミレス(巨人、49本塁打)
打点王:ラミレス(巨人、129打点)
■2014年:ソチ大会
首位打者:マートン(阪神、打率.338)
本塁打王:エルドレッド(広島、37本塁打)
打点王:ゴメス(阪神、109打点)
(カッコ内の球団名は当時の所属チーム)
あらためて確認すると、上記5大会中4大会連続で本塁打王と打点王の二冠王が出現していることに気づく。本塁打と打点のタイトルはセットで獲りやすいものではあるが、ここまで集中していると今季のタイトル争いも俄然、気になる。
ちなみに、さらに過去を振り返っても、1994年のリレハンメル大会イヤーでも大豊泰昭(中日)が本塁打と打点の二冠王に輝いており、今季もセ・リーグで二冠王が生まれるかもしれない。
となると、候補は筒香嘉智(DeNA)、ゲレーロ(巨人)、バレンティン(ヤクルト)あたりだろうか。
また年を追うに連れて、助っ人のタイトル獲得率が増えていることも特筆すべき点。海外担当のスカウトの目利きがよくなっているのか、日本向きの助っ人が増えているのか。4年前のソチ大会イヤーには、助っ人が三部門を独占している。
そういった状況において、今季、タイトルを獲りそうな助っ人を考えてみると、首位打者は昨季NPB復帰1年目で打率3割超えを果たしたマギー(巨人)、本塁打王と打点王は強打者のゲレーロ、バレンティン、ロペス(DeNA)あたりが候補に浮上してくる。
実績を考慮するとこれらの選手だが、ほかにも2A、3Aで打率3割を記録したソト(DeNA)、中日・森繁和監督が長距離砲と期待するアルモンテ(中日)の打撃にも注目したい。
ややオカルトチックな内容になったが、こうまで二冠王誕生の傾向が出ていると、データが好きな筆者は無視できなくなる。西武ファンの筆者は、どちらかというとパ・リーグを中心に試合をチェックしているが、今季はセ・リーグもより積極的に見ていきたい。
助っ人を含めたハイレベルなタイトル争いは、ファンの熱をどんどん高めてくれるので大歓迎だ。
とはいえ、結果が出るのは半年以上も先のこと。今はオリンピック・平昌大会の熱戦を見ながら今季のセ・リーグに思いを馳せたい。
文=森田真悟(もりた・しんご)