2012年、エースの藤浪晋太郎(阪神)を擁して甲子園春夏連覇を達成した大阪桐蔭高。当時、2年生ながらスタメンを張っていたのが森友哉(西武)と笠松悠哉(立教大)だ。笠松は三塁に就き、両大会で10試合に出場。打率.361(36打数13安打)、3本塁打、12打点の活躍で優勝に貢献している。
翌年、森がプロ志望届を提出する一方、笠松は立教大への進学を選択する。立教大では、1年時はリーグ戦での出場がなく、レギュラーとなったのは2年秋から。そのシーズンに4本塁打を放ちパワーを見せつけると、今春までに7本塁打を記録。三塁手としては、今春のベストナインに輝いている。181センチ85キロと体格もよく、力強いスイングをから速い打球を放つ。「引っ張り」が売りの強打者だ。
昨年は田中和基(楽天3位)、田村伊知郎(西武6位)、澤田圭佑(オリックス8位)と3人をプロに送り込んだ立教大から、今年もプロ入りする選手が生まれることになりそうだ。
大阪桐蔭高と並ぶ大阪の2強である履正社高。同校出身の山田哲人(ヤクルト)、T-岡田(オリックス)らがプロで本塁打王を獲得する活躍。昨年も高校生ビッグ3として高校球界をリードした寺島成輝がヤクルトからドラフト1位指名を受けた。今年も安田がプロ入りとなるのは確実と躍進めざましい。
その安田とともにドラフト上位候補として注目したい履正社高OBの大学生がいる。奈良学園大の宮本丈だ。
履正社高時代は2年、3年時にセンバツに出場し、2試合で打率.400(5打数2安打)を記録。その後、近畿学生リーグの奈良学園大へ進学し、1年春からスタメンを獲得した。これまで、1年秋から4年春まで7季連続でベストナインを受賞。3度の首位打者を獲得し、今春までに積み上げた安打は97本。今夏は侍ジャパン大学日本代表チームの遊撃手としてユニバーシアードも戦った。
すでに開幕中の最後のリーグ戦で連盟記録の113安打を更新したいところだが、疲労もあり欠場中。ドラフトまでに体を癒やし、万全の状態で指名を待ちたい。
今夏の甲子園で初優勝を飾った花咲徳栄高。そのOBで大学に入ってから急激に成長した選手がいる。東北福祉大の楠本泰史だ。
楠本は、若月健矢(オリックス)とチームメートだった高校時代は3年時にセンバツに出場するもノーヒット。結果を残すことができなかった。その後はプロ志望届を提出せず、東北福祉大へ進学。1年春からレギュラーを獲得し、新人王を受賞。今春までに2度のMVP、3度のベストナインに輝くなどリーグを代表する打者へ成長した。侍ジャパン大学日本代表にも選出され、今夏のユニバーシアードでは打率.310(29打数9安打)の成績を残し、評価を上げた。
現在は中堅手として出場しているが、高校時代は三塁、大学では遊撃もこなしてきた。一見、適応力は高そうだが、積極的な理由でコンバートされてきたわけではない。まずは打撃でアピールして、自身に最適なポジションを見つけたい。
文=勝田聡(かつた・さとし)