ロメロはマリナーズから移籍。メジャーでの出場経験は少ないが、3Aで通算打率.299、61本塁打の成績を残している。オープン戦では13試合に出場し、打率.316、1本塁打、5打点。そこそこ打てるだろうと期待された。
楽天との開幕戦では5打数ノーヒット、3三振と快音は聞かれなかった。第2戦で初ヒットを放つと、その後の打席ではタイムリーヒット。初打点を挙げる。第3戦では先制点の突破口を開く二塁打を放ち、徐々に存在感を表してきた。
すると、開幕2カード目のメットライフドームでの西武戦から本領を発揮する。第1戦の来日初ホームランは、決勝の3ラン。第2戦は先制点となる特大のソロホームランを放った。
3本目はほっともっとフィールド神戸での日本ハム戦。2ランホームランをバックスクリーンに運んだ。京セラドームに移っての第2戦では、第1打席に先制の2点タイムリー二塁打。そして、第4打席で4試合連続となる2ランホームランと、この試合で4打点をたたき出した。
福良淳一監督によると、ロメロは研究熱心だという。外国人バッターが活躍できるかどうかは、日本のピッチャーに対応できるかどうかにかかっていると言っていい。ロメロの高い対応力には期待できそうだ。
先発ローテーションの2番手に起用されるのは150キロ左腕のコーク。キャンプ中は、ブルペンでの投球練習でしゃべりまくることで話題を呼んだ。時には大声で叫ぶこともある。とにかく騒がしく明るい性格なのだ。
開幕戦を落とし、なんとしても勝ちたかったオリックスの第2戦目に先発。2回に2死から連打を浴び1点を先制される。3回は先頭打者をストレートの四球で歩かせると、タイムリー二塁打を打たれ2失点目。その後も四球を出してはタイムリーを打たれることを繰り返し、2回2/3を投げて被安打6、与四球3、5失点でノックアウト。全く期待に応えられなかった。
しかし、4月8日の日本ハム戦ではうって変わって素晴らしい投球を披露。6回まで相手打線を無安打に抑える。ノーヒットノーランの期待もかかったが、7回の先頭打者に初安打を打たれた。結局、7回を投げ被安打3、与四球2、奪三振4、無失点の好投で初勝利を挙げた。
試合後は、無失点のコークと4試合連続ホームランのロメロがお立ち台に上がることに。インタビュアーに「日本語でファンにメッセージを」と言われたコークは「サイコーデース!」と応えるお茶めっぷりを披露した。
昨季、オリックスを退団した外国人選手は投手のコーディエ、ミッシュ。野手のブランコ、クラーク、ボグセビックだ。いずれも期待外れの成績だった。
そして今季は、投手ではコーク、ウエスト、ヘルメン、野手ではロメロを獲得。育成の投手としてジョージも獲得している。果たして、彼らが活躍してくれるのか。キャンプやオープン戦だけでは判断できず、ファンとしては疑心暗鬼だった。
それが、開幕3連敗の悪夢を振り払う6連勝に貢献したのはロメロとコークだった。今後は相手チームも研究してくるので、うまくいかないこともあるかもしれない。しかし、今季の外国人選手には期待してもいいかもしれない。
文=矢上豊(やがみ・ゆたか)
関西在住の山本昌世代。初めてのプロ野球観戦は、今はなき大阪球場での南海対阪急戦と、生粋の関西パ・リーグ党。以来、阪急、オリックス一筋の熱狂的ファン。プロ野球のみならず、関西の大学、社会人などのアマチュア野球も年間を通じて観戦中。