気候も一気に秋めいてきた今日この頃、中日に世代交代の大波が押し寄せている。
投手陣では、今季で16年目となる朝倉健太が現役生活にピリオドを打つ決断を下した。
9月16日に、ナゴヤ球場で開いた会見では、「4、5年前くらい前から、自分の思うようなボールが投げられなくなり、気持ちだけで頑張ってきた」と決断に至った心情を明かし「今はホッとしている。幸せな野球人生だった」とスッキリした表情も見せていた。
朝倉は、地元・愛知の東邦高校出身で1999年秋のドラフトで、中日から1位指名を受け入団。その後の16年間の現役生活で、ふた桁勝利を4回記録しているが、それ以外の11年間はすべて5勝以下(0勝も6回)。故障もあり、好不調の差が激しい投手だった。それでも、ふた桁勝利を挙げた4年のリーグ順位は2002年が3位、06年が1位、07年が2位(CS突破で日本シリーズ出場)、09年が2位とすべてAクラス。チームへの貢献度は高かった。
一方の打者では、和田一浩が引退を表明。さらには、小笠原道大、選手としての谷繁元信兼任監督が現役を去ることになる可能性が高そう。
小笠原は、千葉県の暁星国際高からNTT関東へ進み、1996年のドラフトで日本ハムから3位で指名され入団。2006年オフにFAで巨人へ、13年オフにはトレードで中日へ移籍する。勝負強い打撃で、近年は代打の切り札として君臨していた。2119安打、378本塁打、1169打点は現役最高記録。
谷繁は、島根の江の川高卒。1988年ドラフト1位で横浜へ入団。2001年オフにFAで中日へ。日本記録の3018試合出場以外にも、10333打席、1133四球、1837三振、236併殺などの現役最高記録を保持している。
他にも、川上憲伸、山本昌といったところは現役続行が微妙とも報じられている。
来季の中日は、一気に若返ったチームで3年連続Bクラスからの脱却を目指すことになりそうだ(記録は9月15日終了時点)。
文=藤山剣(ふじやま・けん)