松坂世代の現在 迎え撃つ国内投手はやや下り坂?
9年ぶりに日本球界に復帰が決まった松坂大輔(ソフトバンク)が活躍できるのかどうか、野球ファンなら気になっていることだろう。トミー・ジョン手術を受けて以降、2012年から3シーズンで7勝しかできておらず、2015年は35歳を迎えることから、若かりし頃のようには勝てないのでは、と感じている人は少なくない。
久保田智之(元阪神)や赤田将吾(元西武ほか)が今オフに引退を決めたばかりで、年齢的にもキャリア的にも踏ん張りどころを迎えている選手が多い。そこで「松坂世代」の冠を背負う松坂本人が活躍できれば、全体が盛り上がり、いいベテランの味を出してくれそうな選手は多い。そんな、国内で活躍する「松坂世代」の投手たちの現状を確認していきたい。
◎杉内俊哉(鹿児島実高→三菱重工長崎→ダイエー・ソフトバンク→巨人)
日米通算164勝の松坂に次ぐ勝ち星(136勝)を挙げているのが杉内だ。1998年夏の甲子園においてノーヒットノーランを達成した次の試合で横浜高・松坂と投げ合ったことも懐かしい。
毎年コンスタントに2桁勝利を挙げているが、巨人移籍後は12勝(2012年)→11勝(2013年)→10勝(2014年)と少しずつだが勝ち星は右肩下がり。ここでネジを巻き直したい。
【現在まで299試合に登板。通算136勝71敗】
◎久保康友(関大一高→松下電器→ロッテ→阪神→DeNA)
阪神では抑え、セットアッパーを務めることがあったものの、先発に戻りたい気持ちもあり、FA権を行使してDeNAに移籍。背番号は大洋時代の大エース・平松政次が着用していた27を背負うなど大きな期待を集めた。2014年シーズンは開幕からローテーションを守り、コンスタントに白星を積み重ねた。最終的に12勝6敗の成績で、最多勝にはあと1つ足りなかった。
【現在まで261試合に登板。通算80勝69敗6セーブ】
◎館山昌平(日大藤沢高→日本大→ヤクルト)
2013年4月に受けた右ヒジ内側側副靱帯の再建手術から再起を目指し、リハビリ中だった2014年春。練習試合やファーム戦にたびたび登板するも、右ヒジに違和感を覚えて緊急降板を繰り返した。4月5日の2軍の試合でも緊急降板し、検査をしたところ、靱帯の再断裂が判明し、再び手術を受けた。実戦復帰まで術後約1年と発表された館山昌平。今季は2年ぶりの復活のマウンドを目指すことになる。
【現在まで249試合に登板。通算78勝55敗10セーブ】
◎木佐貫洋(川内高→亜細亜大→巨人→オリックス→日本ハム)
杉内と高校時代、鹿児島で投げ合いを演じていたのが木佐貫。2013年にはその杉内にも投げ勝つなどの活躍を見せ、チームトップタイとなる9勝を挙げたが、一転、今季はなかなか成績が安定せず、何度も1軍と2軍を行ったり来たり。最終的には1勝(3敗)しかできなかった。
【現在まで214試合に登板。通算62勝72敗10セーブ】
◎新垣渚(沖縄水産高→九州共立大→ダイエー・ソフトバンク→ヤクルト)
2014年はまさに転機の年となった。7月20日に山中浩史とともに、ヤクルトへの移籍が発表された。チームが変わり、投手陣の層が薄いヤクルトでは活躍の場が広がると期待された。
ただ、環境が変わっても相変わらず暴投の多さに悩まされている。8月16日の対中日戦でセ・リーグタイ記録の1試合4暴投を記録。新垣はソフトバンク時代の2008年にNPB記録の1試合5暴投も記録。1試合4暴投以上を両リーグで記録したこと、そして通算3度も記録したのはそれぞれNPB史上初となった。また新垣は通算暴投数も「88」に伸ばし、NPB歴代3位になっている。
【現在まで151試合に登板。通算60勝52敗】
◎永川勝浩(新庄高→亜細亜大→広島)
2014年はセットアッパーとして52試合に登板。50試合以上に登板したのは2009年以来だ。2012年には一度も1軍登板がなかった“暗黒時代”を経て、ようやく復活を果たした年といえるかもしれない。ただ、交流戦で立て続けにリリーフに失敗。開幕ダッシュを飾ったチームの勢いを止めてしまった感も否めなかった。若手が多いチームの中、経験豊富なベテラン投手として、シーズンを通しての活躍が期待される。
【現在まで467試合に登板。通算33勝41敗165セーブ】
こうしてみると、30歳を超えた、この2、3年の間にケガに悩まされたり、不調に陥ったりする選手が多かったことがわかる。彼らにとって35歳のシーズンとなる来季は、どんな投球と体調管理を見せてくれるのかに注目だ。
(2014年12月17日/スポニチ・アネックス配信)
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2014/12/17/kiji/K20141217009470630.html
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