1月27日売りの各スポーツ紙で、日本野球機構(NPB)が、若手選手らに行ったセカンドキャリアについてのアンケート結果が記事になっていた。
1位は予想通り9年連続で「資格回復し高校野球の指導者」。自分の一番得意なことを生かしたい気持ちはわかる。
でも、いい加減、誰かツッこんだ方がいい。高校野球の監督は仕事じゃないぞと。
確かにビジネスとして成り立たっている監督もいるとは思う。
しか〜し、資格回復が容易になった現在、教員免許なしで飛び込んだ場合、プロ野球選手になるよりハードルは高いのではないか。
NPB担当者は3位に「一般企業の会社員」が前年の7位から急浮上したことを喜んでいたけど、まず定職の意味からレクチャーすべきだろう。
そして、もうひとつ教えてあげればいいのに……と思うのが、引退後もプロ野球界に残れる割合である。
スポニチでは年末(12月15日〜26日)に『惜別球人』という、その年に引退する選手を球団ごとに紹介する名物企画があるのだが、そこでは『再出発』の項目で次の仕事も紹介しているのだ。
そして今年引退した94選手のうち(外国人、育成、巨人を解雇になった福田聡志・笠原将生・松本竜也の3投手を除く)、球団職員、打撃投手、コーチ、スカウトなど何らかの形で球団に残れたのが44人。独立リーグ、社会人野球に進んだ8人と合わせると実に55%が、引退後も野球にかかわれているのだ。
トライアウトを取り上げたテレビなんかを見ると再就職の厳しさが強調されているが、実際はそれなりに面倒見のいい世界なのである。
ちなみに2015年度、もっとも面倒見の良かった球団は引退した7人すべてが球団に残れた巨人。
誰だ、野球賭博問題でついた悪いイメージを払拭するためだなんて分析してるのは? それは言わない約束だぞ。
文=御手洗あつひこ
幸楽(@渡る世間は鬼ばかり)のような中華料理屋でスポーツ新聞を読むことをこよなく愛するダメライター。その経験を生かして野球太郎で年に一度だけ『ドラフト当日の新聞報道徹底検証』の記事を担当する。好きな紙面レイアウトはスポニチ。