巨人は、高橋由伸新監督の直々の要請によりOBの松井秀喜氏の視察が決定。これで2014年から3年連続の参加となる。2月1日から2週間程度の日程で、1軍、2軍、3軍を巡回するスタイルになりそうだ。
昨年は、セ・リーグ6球団の中で最低の.243という打率に終わった巨人。チームのトータル安打数も、優勝したヤクルトが1240本だったのに対し、巨人は1137本と、100本以上も少なかった。松井氏のアドバイスにより少しでも打撃が改善されれば、防御率はリーグトップだっただけに、優位に運べる試合が増えるだろう。
なお、昨年、現役選手以上に注目を浴びた自身のフリーバッティングは、今年は行わない予定。
そして、オリックスは、こちらもOBの山田久志氏と福本豊氏が宮崎を訪れ、選手たちの指導にあたる。
山田氏は2月5日から5日間、福本氏は2月15日から4日間の予定。投手として歴代8位の通算284勝の山田氏からは投球術、歴代1位の1065盗塁だけでなく安打数も歴代5位の2543安打の福本氏からは走塁と打撃を主に指導されることになるだろう。
とくに、盗塁の成功率が62.0%でパ・リーグ6球団中5番目(トップの日本ハムは77.9%)だったオリックスとしては、福本氏のアドバイスは有効となるはずだ。
同時に、優勝候補にも挙げられながら5位に終わった昨年は、とにかくケガ人が多かった。その点、山田氏、福本氏ともに現役生活20年で、選手としての息長く活躍した経験の持ち主だけに、リタイアしないでシーズンを過ごす方法も伝授されるなら、チーム力の底上げにつながるはずだ。
もちろん、松井氏、山田氏、福本氏といった球界を代表するOBたちが球場に姿を見せれば、キャンプに足を運んでいる熱心なファンにとっても楽しみとなるに違いない。
文=藤山剣(ふじやま・けん)