今季はなんといっても打線だ。開幕戦のオーダーを見てみよう。
1(遊撃):茂木栄五郎
2(右翼):ペゲーロ
3(三塁):ウィーラー
4(DH):アマダー
5(二塁):銀次
6(一塁):今江年晶
7(中堅):島内宏明
8(左翼):聖澤諒
9(捕手):嶋基宏
一目でわかる特徴は、2番・ペゲーロから助っ人3枚を並べた超強力布陣。昨季も在籍した3人だが、ケガなどで全員が並んだ試合は少なかった。それでも夏場に3人がそろったときには、すさまじい威力を発揮した。
梨田昌孝監督の攻撃重視采配や遊び心、三木谷浩史オーナーのグローバル戦略、楽天ファンの期待が見事に噛み合って、開幕からこのオーダーが実現した。
ウィーラー、アマダーはいまだ調子が上がってこないが、茂木栄五郎、ペゲーロの1、2番がそれぞれ2本塁打を放っており、歯車が噛み合えばさらに強力になるだろう。
近年は助っ人好投手が多く来日しており、投手への期待度が高い時代だ。そんななか、直感的にファンの心をとらえる助っ人野手三連星。お目にかかる機会は10年に1度だろう。
さらなる転換は銀次の二塁コンバートだ。一塁や三塁のイメージが強い銀次だが、本格ブレイクを果たした2012年は72試合に渡って二塁で出場。無難にこなしていた。
二塁では名手・藤田一也も控えているが昨季はやや守備範囲の衰えが見えたこともあり、楽天ファンの間では守備の不安よりも打線強化への期待の声が大きいようだ。それでも藤田の守備力はいまだリーグ上位レベル。オプションは増える一方だ。
また、投手陣は岸孝之がインフルエンザで出遅れ、安樂智大がケガで離脱したにも関わらず、小刻みな継投で粘り勝ちを収めている。2人が帰還すれば……、という期待はもちろんだが、ルーキーの菅原秀、森原康平、高梨雄平が開幕2カード終わって全員自責点ゼロの快投中。リリーフ陣がにわかに活気づいてきた。
今年の楽天には夢がある。大駆けもあるのではないだろうか。
(※成績は4月6日現在)
文=落合初春(おちあい・もとはる)