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ついに大器が目を覚ました!? プロ野球開幕から躍動している3人の打者たち


 プロ野球も開幕し約10試合が経過。期待通りの活躍をしている選手、逆にスタードダッシュに乗り遅れ、なかなか本来の力を出し切れない選手と様々だ。

 そんななか、これまで「将来の主軸候補」といわれながら、結果を出せなかった選手たちが、開幕から目を見張る活躍を見せている。雌伏の時を経て、覚醒しつつある3人の打者を取り上げる。

高橋周平(中日)


 東海大甲府高時代は、通算71本塁打を記録するスラッガーとして注目を集めた高橋。高校日本代表でも主軸を任された。

 2011年のドラフト会議では1位で中日、ヤクルト、オリックスの3球団が競合。高木守道監督(当時)がクジを引き当て、中日に入団した。

 プロ1年目から1軍起用されて2本塁打と、その片鱗を見せつける。2年目にはシーズン途中からサードのレギュラーに定着。着々と経験を重ねていった。

 しかし、同じサードを守るエクトル・ルナ(当時中日)からレギュラーを奪うことができず、成績も伸び悩み、周囲の期待に反する結果しか残せなかった。さらに昨年は、かつて立浪和義氏が身につけた背番号3に変更して心気一転を図るも、なかなか殻を破れずにいた。

 今季はルナが広島へ移籍。若返りが求められるチーム方針もあって開幕から「7番・サード」で出場する。そして本拠地開幕戦となった3月29日の広島戦では勝ち越し打、31日の試合では逆転の満塁弾と、勝負強さを発揮。その眠っていた潜在能力が開花しつつある。


細谷圭(ロッテ)


 太田市商高時代は長距離砲として活躍。2005年の高校生ドラフトで、ロッテから指名を受けた。

 プロ3年目には1軍出場を果たし、プロ初スタメンで初安打となる同点打を放ち、将来を嘱望された。中心選手だった西岡剛がチームを去った2011年には、その後釜として期待されるも、自身のケガもあってレギュラー定着には至らなかった。それからは代打、代走、守備固めでの起用が多く、本来持っていた力を出し切れずにいた。

 プロ11年目となった今季は、オープン戦から好調さをアピール。3月29日の楽天戦に「2番・サード」で初スタメン。初回にはいきなりフェンス直撃の二塁打を打ち、存在感を見せつける。さらに翌30日の楽天戦からリーグタイ記録となる3試合連続三塁打をマーク。2番打者に定着して高い打率を残している。

 今江敏晃(楽天)、ルイス・クルーズ(巨人)という内野の中心選手がチームを離れ、その穴を埋める期待をされていたヤマイコ・ナバーロが開幕から出場停止と、内野陣で暗い話題が続いたロッテ。細谷の覚醒は、チームにとって好影響を及ぼしているはずだ。

坂田遼(西武)


 函館大から2008年、ドラフト4位で西武に入団。その体型と打撃スタイルから「左のおかわり」と評される。

 プロ2年目の2010年には、自慢の長打力で台頭。39試合の出場で8本塁打と結果を残す。しかし翌2011年は、出場機会が増えるも本塁打はわずか2本に。次第にそのパンチ力は鳴りを潜めていく。

 さらに坂田には試練が待っていた。2013年のシーズン途中に左肩を脱臼すると、翌年も同じ箇所を脱臼して手術を受ける。背番号を88に変えて臨んだ昨年は2軍での出場がメインだった。

 しかし今年はオープン戦で鈴木大地(ロッテ)と並ぶ、12球団トップの打率.400をマーク。そのまま開幕戦でも「6番・ライト」でスタメン出場。4月2日の楽天戦では4対15と大敗を喫したなかで、猛打賞と一人気を吐き、4月5日の日本ハム戦では、今季1号を含む2安打3打点と活躍。西武が以前から課題としていたのは「ライトの定位置争い」。坂田がケガなく1年を通してプレーし、その長打力で強力打線の一角を担うことができればチームの課題は解消される。

文=武山智史(たけやま・さとし)

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