先発投手で来シーズンの年俸が250万ドル(約2億7000万円)となっているのはインディアンズのジョシュ・トムリンだ。
トムリンはメジャー7シーズン目の今季、30試合に登板して13勝9敗、防御率4.40。先発ローテーションを担い、アメリカン・リーグ制覇に貢献した。
2011年にも12勝を挙げているが、それ以降はトミー・ジョン手術を受けたこともあって成績が下降していた。今シーズンは見事に復活を遂げた。
ちなみに、トムリンは2017年、2018年の2年総額550万ドルの複数年契約。来シーズンは先発4番手となりそうだ。
【2016年シーズン成績】
ジョシュ・トムリン(インディアンズ・31歳)
30試合/13勝9敗/投球回174/奪三振118/与四死球23/防御率4.40
大谷翔平(日本ハム・22歳)
21試合/10勝4敗1ホールド/投球回140/奪三振174/与四死球53/防御率1.86
メジャーリーグでは、指名打者専任で250万ドル前後の年俸をもらっている選手は皆無だ。皆、1000万ドルはくだらないようなスラッガーたちばかり。そこで、野手まで範囲を広げてみるとカージナルスの若手、コルテン・ウォンとアレドミス・ディアスがともに年俸250万ドルだった。
ウォンといえば2013年のワールドシリーズで上原浩治(レッドソックス)に牽制で刺されたシーンを覚えているファンも多いだろう。カージナルスの二塁手としてプレーするウォンは、今シーズンから2020年まで5年2550万ドルの契約を締結。来シーズンは250万ドルとなっている。
ディアスはキューバから亡命し、昨シーズンはマイナーで116試合に出場。今シーズン、メジャー昇格を果たした。メジャーでのルーキーイヤーからオールスターゲームに出場するなどブレイクし、111試合で打率3割、17本塁打をマークしている。
ディアスは2015年、2016年の2年で500万ドルという複数年契約を結んでいる。
現時点では、来シーズンのカージナルスはウォンとディアスが二遊間そして1、2番コンビを組むことが濃厚だ。
【2016年シーズン成績】
コルテン・ウォン(カージナルス・25歳)
121試合/打率.240/5本塁打/23点/7盗塁/OPS.682
アレドミス・ディアス(カージナルス・25歳)
111試合/打率.300/17本塁打/65打点4盗塁/OPS.879
大谷翔平(日本ハム・22歳)
104試合/打率.322/22本塁打/67打点/7盗塁/OPS1.004
メジャーリーグで250万ドルという年俸は、現在のところ未更改が多く、来シーズンの正確な順位は算出できないが257人中225位となっている。また、今シーズンで見ると1665人中379位。決して高額の部類には入らない年俸なのは確かだろう。
これらは日本とメジャーリーグの市場規模、FA権を取得するまでの過程が違うことは承知の上での算出だ。大谷が今回紹介した3名のメジャーリーガーと同等の評価だとは思わない。あくまで一つの参考材料として大谷の年俸を「高い?」「安い?」と議論をする際のネタにしてほしい。
文=勝田 聡(かつた さとし)