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このままチームを波に乗せるか? 現状の上位チームの「夏男(ナツオ)」を徹底考察!

 先週のこのコーナーでは、現状はBクラスに甘んじている、セ・リーグとパ・リーグの下位6球団のなかから、「夏男(ナツオ)」を予想した。

 「夏男(ナツオ)」とは、これまた勝手に作った野球用語。その名の通り、夏になると活躍する選手の呼称だ。5月も終わりに近づき、これから夏に向かっていくこの時期に、過去の夏場の成績を振り返って、今季も活躍が見込まれる選手たちをピックアップ。

 今週は上位チームの「夏男(ナツオ)」を考察。現状はAクラスチームに属している「夏男(ナツオ)」には、果たしてどんな面々が挙がるのか。
(成績は5月23日現在)

セ・リーグ1位:巨人

巨人の「一人勝ち」なるか?



 例年、パ・リーグが強い交流戦。それだけに、セ・リーグ球団にとっては、交流戦で勝ち星を積み重ねることができれば、リーグ内での上位進出も夢ではない。

 現在、リーグ首位の巨人としては、ひとつの勝負どころだろう。そんなチームの首位を盤石なものにするのは、やはりエースであり「夏男(ナツオ)」である菅野智之の活躍だ。

交流戦では2013年に防御率2.06、2014年は1.73と、年々成績を上げている。昨季は交流戦の途中で一度抹消されたが、今季はここまで防御率0.61と、安定感抜群。交流戦でも、どれだけの結果を残すのか楽しみだ。

 唯一の不安材料は、菅野から継投すると判を押したように澤村拓一が打たれること。ネット上では澤村の炎上は「筋肉劇場(マッスルミュージアム)」と揶揄されており、周囲に余計な心配をさせないためにも、しっかりと完投してもらいたい。


パ・リーグ1位:ソフトバンク

翔太スマイルが炸裂!?



 今季も好調なソフトバンクだが、得意な交流戦でさらに上昇気流に乗ると思われる。そこで投のキーマンとして、武田翔太を挙げたい。

 一昨年の交流戦は一度だけ投げたことがある武田。中日相手に4回3失点でKOされた。しかし、先発に定着した昨年は、中日へのリベンジも含めて、交流戦の防御率は0.86で、3戦2勝0敗とまさに無双状態。

 過去の6月の成績を振り返ってみても、防御率1.00で4戦3勝0敗と、完璧なまでの夏男(ナツオ)ぶりを見せている。ここまでくると、あとは投げた試合すべてに勝ちがつくかどうか、見どころとなるだろう。


セ・リーグ2位:中日

チームに勢いをもたらす1番「夏男(ナツオ)」



 交流戦で2年連続打率3割5分以上をマークしていた「夏男(ナツオ)」=エクトル・ルナが抜けた中日打線。ここまでの成績を見ると、ダヤン・ビシエドは引き続き活躍してくれそうだ。そうなると、彼の前を打つ打者も重要になる。

 そこで期待したいのが、外野手の大島洋平。チーム不動のリードオフマンは、昨季こそ振るわなかったが、一昨年の交流戦では打率.350を記録。

 今季はここまで打率.291。大きな波がなく安定しているが、好調な季節とともに、調子が上昇カーブを描くことを願う。


パ・リーグ2位:ロッテ

ここから猛チャージを決める!



 ソフトバンクに離されないためにも、交流戦のある6月に踏ん張っておきたいロッテ。そのカギを握るのは角中勝也だ。

 2012年のリーグ首位打者にして交流戦首位打者にも輝いた角中は、ここ2年の月間打率を見ても6月が一番高い。まさにロッテが誇る夏男(ナツオ)だ。

 今季の打撃成績「3・4月=打率.333、5月=打率.339」は.335と、6月の月間打率を叩きだした一昨年の「3・4月=打率.323、5月=打率.200」よりも好成績。5月から調子を上げていることからも、角中が爆発するのは約束されたようなものだ。

セ・リーグ3位:広島

チームを引き上げる大ベテラン



 昨季、メジャーリーグの高額年俸を蹴っての「男気復帰」が話題になった黒田博樹。直前までヤンキースでエース格を担った実力を発揮して、40歳ながら11勝8敗という成績を残した。

 そんな黒田だが、交流戦に限定すると3勝0敗、防御率0.84と、「夏男(ナツオ)」と呼ぶのも失礼なほど、「神」へと進化。

 また昨季6月は4試合に登板して防御率1.47という結果に。これは昨季の月別防御率でベストの記録だった。このことから、今季も黒田が広島の夏を、より暑くしてくれるはずだ。


パ・リーグ3位:日本ハム

逆夏男(ナツオ)から真夏男(ナツオ)へ



 日本ハムの野手で、昨季から株を上げ続けているのが中島卓也。チームの2番・ショートを獲得し、侍ジャパンに選出されるまでになった。

 興味深いのは昨季の打率の変遷。6月の打率.316を頂点とする、キレイな山なりのグラフになる。これぞまさに夏男(ナツオ)のお手本と呼べる成績だ。

 それに2年前、3年前は、それぞれ6月の月間打率が、その年の最低打率を記録していた。昨年からの変貌ぶりには驚くばかり。今季も活躍して、真の夏男(ナツオ)になってもらいたい。


「夏男(ナツオ)」とともに上位が走るか?


 チームの顔ともいうべき選手が、多く名を連ねた「夏男(ナツオ)」上位球団編。やはり結果を出し続ける選手は、そのコツを知っているということだろうか。

 勝てるチームにはやはり理由がある。理由がわかった気がした上位球団の「夏男(ナツオ)」予想。6月が開ける頃には、どんな順位になっているのか、今から楽しみでならない。


文=森田真悟(もりた・しんご)

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