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桑原謙太朗(阪神)に続け! プロ10年以上で投球回数が少ない「しぶとい投手」は?

桑原謙太朗(阪神)に続け! プロ10年以上で投球回数が少ない「しぶとい投手」は?

 今季、大ブレイクを果たした選手といえばなんといっても桑原謙太朗(阪神)だろう。横浜、オリックスを経て、プロ10年目の32歳で最優秀中継ぎのタイトルを獲得。ここにきて一気に跳ね上がった。

 しかし、プロ野球界は広い。プロ10年目以上のキャリアを持つ選手でも、いまだに桑原の通算投球回数(237.2回)を超えていない未完の大器がいるのだ。

 プロ野球界でしぶとく生き残りながらも「そろそろブレイク」を期待したくなる「プロ10年目以上桑原未満」の選手たちを紹介しよう。

佐藤祥万(広島/10年目/28歳)


■通算成績
56登板:0勝1敗/4ホールド/投球回61.2/防御率4.09

 10年目でもっとも投球回数が少ないのは佐藤祥万(広島)。2007年に高校生ドラフト4巡目で文星芸大付高から横浜(現DeNA)に入団し、2013年オフに日本ハムにトレード移籍。2014年オフに戦力外通告を受けるもトライアウトを経て、広島に入団した。

 佐藤の売りはなんといっても左腕ということ。日本ハム時代は1軍登板がなかったが、左腕がやや手薄だった広島が拾い、首の皮一枚で生き残った。今季は1軍で6登板だったが、2軍では29登板で防御率2.22。ようやく1軍定着のステージに近づいてきた。

田中靖洋(ロッテ/12年目/30歳)


■通算成績
72登板:2勝4敗/2セーブ/1ホールド/投球回84.2/防御率3.19

 12年という在籍年数を加味すると粘りの残留を続けている田中靖洋(ロッテ)。2005年に高校生ドラフト4巡目で加賀高から西武に入団。2015年に戦力外になったが、トライアウトを経てロッテに入団した。

 今季は2年ぶりのセーブを記録し、13試合で防御率1.98だった。1軍でもなかなかの成績を残せるようになっているが、やや出番に恵まれていない印象もある。桑原のようにきっかけさえあれば、ドーンと上にいける素材。覚醒の日が待ち望まれる。


阿部和成(ロッテ/10年目/28歳)


■通算成績
43登板:3勝5敗/投球回96.1/防御率5.23

 ロッテでは阿部和成も、まだこれから。高卒10年目で未だに通算100投球回に未到達。しかし、ここ2年は2軍で安定感を出してきており、リリーフ適性を示している。


藤原良平(西武/10年目/31歳)


■通算成績
53登板:4勝7敗/5ホールド/投球回98.1/防御率4.85

 藤原良平(西武)もしぶとい。2007年に大学生・社会人ドラフト3巡目で第一工業大から入団し、10年目のシーズンを終えた。2014年の20登板が最高だが、2011年から毎年1軍で登板しており、2012年にサイドスローに転向したこと、西武のリリーフ陣が脆弱だったことも残留の一因だろう。

 今季は8試合で防御率1.54の成績を収めた。1軍リリーフ陣が薄くなりそうな来季は大ブレイクといきたいところだ。


田中健二朗(DeNA/10年目/28歳)


■通算成績
197登板:10勝12敗/1セーブ/50ホールド/投球回216/防御率3.71

 意外にも田中健二朗(DeNA)も投球回数は伸びていない。ここ3年間はDeNAのリリーフ陣になくてはならない存在だが、左のワンポイントという役割。そして下積みの期間が長かったこともあり、桑原の投球回数に及ばず。

 2015年にはオールスターゲームに出場しているが、しっかりと1イニングを任せられる存在になり、大ブレイクといきたいところだ。

 このほか、戦力外通告を受けた選手のなかにも「プロ10年以上桑原未満」の選手たちが数名いる。長き潜伏期間を経て、球界を代表するスターへ。「大器晩成」を期待したい。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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