過去のWBCを見ると、日本の4番はほぼ固定されている。
2006年の第1回は全試合で松中信彦(ソフトバンク)が4番で起用された。2009年の第2回は稲葉篤紀(日本ハム)が3試合、村田修一(横浜)が4試合、城島健司(マリナーズ)が2試合で4番として出場。2013年の第3回では初戦こそ糸井嘉男(オリックス)が4番だったが、2戦目以降は阿部慎之助(巨人)が4番の重責を担った。
来年のWBCでの日本の4番を考えるにあたり、各球団の4番事情をおさらいしておこう。
■12球団の4番スタメン出場数上位2人
広島:ルナ56試合 / 新井貴浩45試合
巨人:ギャレット40試合 / 長野久義40試合
(後半戦はほぼ全試合で阿部が4番)
DeNA:筒香嘉智103試合 / ロペス9試合
阪神:福留孝介76試合 / ゴメス34試合
ヤクルト:バレンティン61試合 / 山田哲人35試合
中日:ビシエド109試合 / 福田永将2試合
ソフトバンク:内川聖一105試合 / 吉村裕基2試合
日本ハム:中田翔106試合 / 陽岱鋼2試合
ロッテ:デスパイネ107試合 / ナバーロ2試合
楽天:ウィーラー89試合 / アマダー7試合
オリックス:T-岡田49試合 / モレル46試合
西武:中村剛也71試合 / メヒア32試合
(※8月17日現在)
外国人打者に4番を任せているチームが多く、日本人の4番といえるのは筒香、内川、中田の3人ぐらいだ。そのなかで選ぶとなれば、やはり筒香しかいない。
打率.321、リーグトップの35本塁打、リーグ3位の83打点と文句なしの成績で、とくに後半戦に入ってからは何かをつかんだように見える。
以前は左投手を苦手にしていたが、今季は右投手に打率.340、左投手に打率.296とあまり苦にしなくなった。外角高めの球をレフトスタンドに運べるようにもなり、打撃全体に広がりが出てきた。あらゆる面において、日本の4番にふさわしい。
ただ、気になる点もある。今季、アジア系をのぞいた外国人投手に対して70打数14安打、打率2割、19三振と打てていないことだ。なかでも、マシソン(巨人)に4打数0安打、メッセンジャー(阪神)に6打数0安打、ジョンソン(広島)に8打数0安打。背が高く、球の速い投手を苦手にしている。
WBCでは、そういった投手と対戦することが多く、対策が必要だ。タイトル争いはもちろんだが、筒香がそのなかで前述の外国人投手に対し、どういった打撃を見せるか注目してもおもしろいだろう。
文=京都純典(みやこ・すみのり)