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浅田将汰(有明)、井上温大(前橋商)ら地方大会で敗れるもドラフト戦線を騒がせそうな7人の逸材

文=勝田聡

浅田将汰(有明)、井上温大(前橋商)ら地方大会で敗れるもドラフト戦線を騒がせそうな7人の逸材
 9月に入りドラフトまで2カ月を切った。今年の高校生では佐々木朗希(大船渡)、奥川恭伸(星稜)らが人気を集めている。その他にも西純矢(創志学園)、石川昂弥(東邦)も評価が高い。

 一方、ドラフト候補として取り上げられているものの、全国的には、あるいはドラフトファン以外にはさほど有名ではない選手も多い。特に、最後の夏を地方大会で終えてしまうと、どうしてもその傾向は強くなる。今回は夏の甲子園に出場できなかった有望選手をピックアップした。

スライダーで勝負する左腕・井上温大(前橋商)


 近年、前橋育英と健大高崎が2強を形成する群馬の高校野球。そのなかで今夏の群馬大会では前橋商が決勝に進出した。その立役者はエースの井上温大である。

 井上はスピードではなく、140キロ前後のストレートとスライダーのコンビネーションで勝負する左腕。174センチ68キロと野球選手にしては小柄で、現状では見るからに細いが、数年かけて育成することを前提に獲得する球団はありそうだ。

福井のドクターK・玉村昇悟(丹生)


 丹生と書いて「にゅう」と読む。この難読な校名を持つ高校が今夏の福井大会で決勝まで勝ち進んだ。そのチームを引っ張ったのがエース左腕の玉村昇悟だ。

 敦賀気比との決勝は9回3失点敗れたものの10奪三振の好投。大会通算52奪三振をマークし、福井大会記録を更新した。

 150キロを超えるストレートはないが、スライダーとのコンビネーションは抜群。球の出どころが見にくく、制球も悪くない。プロ志望届を出せば、上位で指名される可能性もありそうだ。

185センチの長身右腕・落合秀市(和歌山東)


 和歌山東の大型右腕・落合秀市が今春から話題を呼んでいる。和歌山大会では3回戦で姿を消したが、多くのスカウトが集結したほど。185センチの高身長から繰り出される、150キロ近いストレートには角度がある。

 制球にバラツキがあり完全な素材型だが、大きく化ける可能性は十分。すでにプロ志望を表明しており、プロ志望届を提出することが濃厚。将来のエースとして指名を考える球団はありそうだ。

U-18ベースボールワールドカップで好投・浅田将汰(有明)


 すでにプロ志望を表明している浅田将汰(有明)。今夏の熊本大会では準決勝で熊本工に敗戦。甲子園には届かなかった。しかしこの試合で浅田は9回2失点、8奪三振と奮闘。敗れたものの存在感は見せた。

 夏の大会後は侍ジャパンU-18代表に選ばれ、WBSC U-18ベースボールワールドカップ・1次ラウンドの南アフリカ戦で先発。レベルの違いが大きかったとはいえ、5回を無安打無失点。許した走者は四球の1人だけとほぼ完璧な投球を披露した。

 これまでに甲子園出場はなく、プロ野球選手の輩出もない有明から初のドラフト指名選手が生まれそうだ。

あと一歩で甲子園に届かなかった紅林弘太郎(駿河総合)


 今夏の甲子園には静岡大会決勝で静岡に敗れ、あと一歩のところで涙を飲んだ紅林弘太郎(駿河総合)。186センチ81キロの大型遊撃手として注目を浴びている。

 静岡大会では準々決勝以降でわずか1安打と大ブレーキ。打率.269(26打数7安打)と打撃では結果を残せなかったが、肩をはじめ守備能力には定評がある。フィールディングもソツなくこなしておりバランスがいい。即戦力候補ではないが、ドラフト中位・下位での指名がありそうだ。

広い守備範囲が売り・熊田任洋(東邦)


 今春のセンバツを制した東邦の遊撃手・熊田任洋も評価は高い。愛知大会で敗れ夏の甲子園には出場できなかったが、U-18ベースボールワールドカップ出場メンバーに選出されていることからもその実力がわかる。

 今年の侍ジャパンU-18代表には多くの遊撃手が選ばれているが、そのなかで熊田が定位置を確保している。広い守備範囲と強肩が売りで足も速いのは魅力十分。U-18ベースボールワールドカップでは2戦目の南アフリカ戦で3安打3打点と打撃でも結果を残した。

 指名確実というわけではないが、U-18ベースボールワールドカップでの活躍があれば指名が見えてくるかもしれない。

昨夏の甲子園で150キロを記録した井上広輝(日大三)


 昨夏の甲子園で2年生ながら150キロを記録し話題を呼んだ井上広輝(日大三)。最上級生となった今年は春にヒジを痛めた影響で登板機会は少なかった。

 そんななか、今夏の西東京大会では初戦の桐朋戦、準々決勝の桜美林戦と2試合に登板。故障明けながら150キロのストレートを披露した。惜しくも2年連続の甲子園出場とはならなかったが、150キロ右腕としてドラフト会議でも注目されそうだ。

文=勝田聡(かつた・さとし)

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