プロ野球は2月1日にキャンプイン。今年も多くの見どころがあるが、とくに注目したい選手を各球団1名ずつピックアップした。今回はパ・リーグの6球団だ。
このオフシーズン、松坂大輔が2006年以来14年ぶりに古巣・西武へと復帰した。昨シーズンはほとんど投げることができなかった。しかし、今は投げることも走ることもできるまでに回復しており、キャンプは1軍に相当するA班でのスタートが決定している。
辻発彦監督も「十分に戦力になると思って選びました。若い選手にも参考になる」とコメントしている。松坂のベテランらしい投球術は生きた教材になり、若手投手へのアドバイスも期待できるだろう。もちろん来場するファンの数も増えるはずだ。
多くの期待を背負って宮崎の地に松坂がやってくる。
日本一4連覇を目指すソフトバンクは内川聖一に注目したい。昨シーズンは打率.256(500打数128安打)と規定打席に到達したシーズンではキャリアワーストの成績だった。打力を重視する一塁ということを考えるとかなり物足りない。
今シーズン中に38歳となることもあり、チームとしてもそろそろ世代交代を考えていかねばならないだろう。このオフにソフトバンクはバレンティンを獲得した。バレンティンは左翼か指名打者での起用が濃厚となっており、直接、内川とポジションがかぶるわけではない。しかし、中村晃やグラシアルといった選手たちが一塁に回ってくる可能性はある。
例年以上にライバルは手強い。今年が正念場となる。
国内FA権を行使し、ロッテから移籍した鈴木大地。チームリーダーとして、内野の要としての期待がかかっている。そんな鈴木はどのポジションでも守ることができるのが強みとしてあるが、現時点でポジションは確約されているわけではない。
昨シーズン、楽天の内野陣は、一塁・銀次、二塁・浅村栄斗、遊撃・茂木栄五郎、そして三塁・ウィーラーがそれぞれのポジションで最多出場だった。いずれも実績があり、安定したメンバーばかり。さらには、ドラフト1位で社会人出身の遊撃手・小深田大翔も獲得している。
現時点で鈴木は三塁での起用が濃厚と見られているが、はたして開幕戦ではどこを守っているのだろうか。三木肇新監督の起用法にも注目したい。
2017年ドラフト1位の安田尚憲。昨シーズンは1軍出場こそなかったが、2軍では本塁打と打点の二冠王に輝いた。井口資仁監督も今シーズンは1軍で起用する方針を打ち出しているだけに、春季キャンプから注目が集まる。
とはいえ、レギュラーそして1軍が確約されているわけではない。メインポジションである三塁はブランドン・レアードがおり、一塁には井上晴哉がいる。指名打者があるものの、(外野との兼ね合いではあるが)角中勝也やレオネス・マーティンらも控えている。ポジションが与えられるわけではなく、1軍で実績のあるメンバーとの争いを勝ち抜かねばならない。
同学年の村上宗隆(ヤクルト)は一足先にブレイクした。安田も続くことができるか。
昨シーズンの有原航平はチームが5位に低迷するなか、15勝を挙げ最多勝を獲得した。ここ数年先発でチームを支えてきた上沢直之が骨折で離脱中とあり、開幕からしばらくは有原が多くのものを背負うことになるはずだ。
また、契約更改終了後の会見では、将来的なMLB挑戦も公言した。今シーズンは、チームを引っ張るエースとして、またMLBに移籍するに恥じない成績を残さねばならないだろう。チームを上位浮上させるための準備を、久々となった国内で始まる春季キャンプでどこまで行うことができるか。
昨シーズンは最下位に終わったオリックスだが、山岡泰輔、山本由伸がエース級の投手としてひとり立ちを果たした。その2人に続く存在として期待されるのが榊原翼である。昨シーズンは序盤から好投を続けるも、味方打線の援護が少なく白星に恵まれないケースが多かった。その中で3勝4敗、防御率2.72は高卒3年目の先発投手としては十分な成績だろう。
しかし、6月末から右肩痛で離脱し数字を伸ばすことはできなかった。幸いにもシーズン中に復帰しており、大事には至っていない。今シーズンはドラフト同期の山岡、山本に次ぐ3本目の柱としての期待がかかる。
文=勝田聡(かつた・さとし)