■どんな選手?/100回大会の主演男優。重力に逆らうようなストレートに、打者の顔色を見ながら強弱をつける投球術、さりげない首の動きでフェイクを入れる牽制球。どこを切り取っても一流の素養が垣間見える。投手になるために生まれてきた男だ。今どき珍しく、走って走って自分を作り上げてきた。その結果、2年時よりも体重移動がスムーズになり、指先までしっかりと力が伝えられるように。変化球も多彩に操れるだけに小細工に走ってもおかしくないが、ここぞという場面では中軸を力でねじ伏せる闘争本能も持っている。ただいい球を投げるだけじゃなく、勝つために自分とチームが何をすべきか察知できる。この勘のよさは歴代トップクラスでは。だからこそ、今夏に誰も予想しえなかった結果を残すことができたのだろう。■プロでの成功イメージ/いかにダメージの残りにくいフォームと体質だったとしても、夏の大会だけで1517球は投げ過ぎ。高校卒業後最初の1年は投げなくてもいいくらい。いずれは悪いなりに試合をまとめられる、頼れるエースに。■プレーヤータイプ/藤川球児(阪神)の球質を持った桑田真澄(元巨人ほか)。