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【都市対抗開幕直前!】スカウト的観戦者カルト座談会・エクストラPart3――社会人編

【この記事の読みどころ】
・都市対抗でいま一度、プレーぶりを確認したい船本一樹(JX-ENEOS)、東條大樹(JR東日本)
・独立リーグ・徳島の福永春吾と吉田嵩はドラフト指名の可能性あり!
・上西主起(日本生命)は柳田悠岐(ソフトバンク)のように育てたい

去年からの変化具合が気になる投手たち


 JX-ENEOSの船本一樹がすごく良くなっているというのを聞いたんですが、本当ですか? 今年、タイミングが合わなくてまだ見てないんですよ。


 船本って、法政大にいたサイドスロー投手ですよね。

yuki 昨日(5月8日)の試合では7回1安打完封でした。

柳川 抑えてるんだけど、そんなに良くなったかというとどうなのか? ただ、状態はいいと思いますよ。

 JX-ENEOSはあれだけ投手がいて、その中で船本が地位を築いているっていうことは、それなりの内容では抑えているんだろうなぁ、とは思っているんですけど、にわかには信じられなくて。都市対抗予選の楽しみではあるんですけどね。あと、あまり注目されてないですけど、JR東日本の東條大樹は意外と打てないんじゃないかなぁと。

FGE 球、速いですもんね。

柳川 今はそんなに速くないんですよ。

FGE あ、そうなんですか!?

 キャラが変わりました。フォーム分析をしたら、サイドなのに、出所が見にくいし。あれは、初めて見たらちょっと対応できないんですよね。

柳川 よくあそこまでになったと思います。大学時代までストレートしかなかったのに、ピッチングの幅が広がりましたよね。その代わり、ストレートはそんなに思いっきりは投げなくなりましたけど。

 でもね、勝負どころではたまに、本気になる時があるんですよ。そのメリハリもあるし、これから都市対抗に向けて、重要な役割を負うんじゃないかと。

── その他の社会人投手でいえば、パナソニックの近藤大亮なんかはどうでしょう?

柳川 近藤はドラフト1位とか言われてますけど、個人的にはあまり評価していません。やっぱり、小さな投手がキャパいっぱいに投げてるようにしか見えないんですよ。ストレートのボリュームもちょっと物足りないし。かといって、ボール球を振らせるときも気合一辺倒って感じでしょ? もっとコンビネーションを磨いていかないと、プロでは厳しいんじゃないのかなと感じています。

FGE 大阪商業大4年のときに、神宮大会の代表決定戦で、ノーヒットノーランやったんですよね。あの試合を観たときは、けっこう速く見えたんですけど。

 生で観ると、速く見えない。

柳川 そう。だから、彼がドラフト1位だと、ちょっときついドラフトだなぁ、っていう感じはありますね。

FGE 社会人じゃないんですけど、四国アイランドリーグplus・徳島の吉田嵩が気になっています。長崎の海星高出身の選手です。この吉田と、福永春吾が徳島の2枚看板です。

 ソフトバンク3軍との交流戦の動画を見ましたけど、吉田はいいピッチャーですね。吉田と福永が確かになんとかなりそうだな、と思いました。

柳川 吉田の場合は、去年、高卒でドラフトにかかっても良かったくらいで。

 独立リーグって、在籍1年でもドラフトされるんでしたっけ?

 行けます。吉田はひょっとしたら、それを狙ったのかもしれないですね。育成ではかかりそうな感じです。福永はひょっとしたら本会議指名があるかもしれない。

貴重な社会人野手で気になる選手は?


── 社会人選手に関して、野手の名前があまり聞こえてきませんが。

柳川 今年は全然いないんですよね。Hondaの阿部寿樹以外だと、富士重工業の竹田育央だけでしょ。打球の伸びが去年の都市対抗ぐらいから変わってきた感じはあって、阿部の竹田の2人だけがちょっと別次元の打撃をしてましたね。でも、もう26歳というのがどうなのか。

 プロっていう意味では阿部だよねぇ。スケールもあるし。


yuki トヨタ自動車のキャッチャー、木下拓哉が、めちゃくちゃホームランを打っていると聞いたんですが、どうなんですか?

柳川 木下は去年ぐらいから打ってるんですよ。当たったらもうホームラン、ってくらいスイングがすごいです。ただ、トヨタって、ピッチングのうまい佐竹功年とか、別にリードしなくても抑えられちゃう投手陣じゃないですか。だから、リード面はどうなのか、というのはありますが、とにかく打撃はすごいです。

 木下って、高知高から法政大に進んだ選手ですよね?

柳川 そうです。ただ木下の場合、プロに進むべく、意識がどれだけ変わっているのかという点はわからないですね。法政大進学時に体重が100キロを超えていて干されたことがあるような選手なんで。でも、長らくトヨタのレギュラー捕手だった二葉祐貴を押しのけてレギュラーになったわけだから、打撃に関しては相当評価が高いです。

FGE 当たれば飛ぶ、ということであれば、日本生命の上西主起なんかはどうですか?

yuki バカ肩ですよね。

柳川 肩はそう。でも、バッティングがちょっと固いです。あんまり変わってないと思うんですけど。

yuki バカ肩で、バカ打球ですね(笑)。

FGE 桐蔭横浜大時代の横山弘樹から打ったバッタースクリーンへの弾丸ライナーの衝撃が今でも残っています。あの衝撃は、2軍ではじめてギータ(柳田悠岐/ソフトバンク)を見たときに近い衝撃でした。ギータも最初はアホみたいに振り回して、1年目はものすごい勢いで広島の堂林翔太と三振争いをしていたんです。でも、気がついたら当たるようになってましたからね。まあ、社会人選手だから、今から育成っていうのはちょっと難しいと思うんですけど、上西みたいな選手を2軍で育てられると、そのチームは楽しみですよね。



 社会人野球の祭典・都市対抗野球は、7月18日に開幕する。本稿で名前が出た船本一樹(JX-ENEOS)、東條大樹(JR東日本)、近藤大亮(パナソニック【大阪ガス補強選手】)、阿部寿樹(Honda)、木下拓哉(トヨタ自動車)、上西主起(日本生命)らの出場も決まっている。高校生や大学生と比べて前評判は低くなりがちだが、対応力の高さで即戦力になり得るし、プロ入りをきっかけに社会人選手の年齢でも、ここから右肩上がりの成長曲線を描く可能性は大いにある。高木勇人(巨人)や西野真弘(オリックス)のような活躍を見せる選手が現れることを期待したい。

 『野球太郎No.015 2015夏の高校野球大特集号』に掲載されている、「スカウト的観戦者カルト座談会」もぜひお読みください!

〈座談会出席者プロフィール〉

蔵建て男(座談会では『蔵』)
人気ドラフトサイト「迷スカウト」の管理人。ネットスカウトの草分け的な存在で、プロスカウトとの交流も。プロでは港の見える球団のファン。Twitterアカウントは@ kuratateo。

柳川 貴裕
有望選手の確変ポイントを見逃さないネット裏のハネ師。“しったかぶらない”“固定観念にとらわれない”“選手の「ハネる」瞬間を見逃さない”がモットー。Twitterアカウントは@sandp_33。

yuki
1996年から長年に渡って続く老舗サイト「ドラフト会議ホームページ(http://draft-kaigi.jp/)」の管理人を務める。Twitterアカウントは@draft_kaigi。

梨雅男
幅広い人脈を駆使して、高校野球の映像収集をする、マニアックなビデオ観戦者。現役草野球プレーヤーでもあり、昨季は30試合に出場した。

ファームゲームイーター(座談会では『FGE』)
2軍マニア&遠征好きが高じて、アマ野球観戦にも進出。地方大学や独立リーグを愛し、偏執的な観戦スタイルを貫く。高校野球は未経験ながら、大学では硬式野球部に入部した。

(構成=オグマナオト)

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