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「捕手の中村が凄い!」は広陵・中村奨成ではなく中村悠平だと思いたいヤクルトファン

「捕手の中村が凄い!」は広陵・中村奨成ではなく中村悠平だと思いたいヤクルトファン

 「中村が凄い!」「あの中村ってキャッチャーいいね! 」「中村はどれだけ打つんだ!?」。ここ1、2週間でこういったフレーズを何回聞いたかわからない。もちろん、中村悠平(ヤクルト)のことではなく、夏の甲子園で打ちまくった中村奨成(広陵高)のことだ。
 中村奨成は甲子園で6本塁打を放ち、清原和博(元西武ほか)がPL学園高時代の1985年に記録した1大会5本塁打の大会記録を更新。大会終了後に行われるU-18ワールドカップ日本代表にも選出されている。高校生捕手ながらドラフト1位候補に躍り出ており、木製バットでの打撃にも注目が集まる。次代の「打てる捕手」候補でもある。

 その中村奨成が甲子園記録となる6本目の本塁打を放った8月22日、神宮球場ではヤクルトと阪神の一戦が行われた。

 この試合でヤクルトの中村悠平は「本家の意地」とばかりに活躍。2回裏に先制本塁打を放つと、逆転を許した直後に迎えた4回の第2打席では同点の犠飛を放つ。第3打席は凡退したものの、第4打席では無死一塁からバスターを決めチャンスを拡大。3打数2安打2打点と躍動し、「中村捕手は凄い!」とファンに思わせる活躍を見せたのだ。

ヤクルトは広陵・中村の指名回避?


 今シーズンで9年目を迎える中村悠平がブレイクしたのは2014年のこと。相川亮二と併用されながらキャリアハイとなる99試合に出場。規定打席には届かなかったものの打率.298の成績を残し、「打てる捕手」として名を挙げた。

 翌2015年には正捕手としてチームを14年ぶりの優勝に導き、侍ジャパンにも選出。ソフトバンク、日本ハムに代表されるように捕手併用制が当たり前となっている時代に「正捕手」として君臨した。

 しかし、昨シーズンは打撃、リード面ともに不振が続き、8月以降は西田明央にスタメンを譲る日々が続く。シーズン後は秋季キャンプから、再び西田と横一線でポジション争いを繰り広げてきた。そして春季キャンプ、オープン戦と結果を残し、今シーズンの開幕スタメンを勝ち取ると、ケガによる離脱はあったものの、ここまで正捕手としてチームを支えている。

 真中満監督は辞任することになったが、新監督となっても中村悠平は来シーズンも正捕手候補筆頭だろう。

 衣笠剛社長兼オーナー代行が、清宮幸太郎(早稲田実)を視察していることから推測されるように、今年のドラフトでは清宮を1位で指名する方針だ。となると、1位指名が確実視される中村奨成を獲得する可能性は事実上消えたといっていい。

 さらに、昨年のドラフトでは古賀優大(明徳義塾高)、育成で大村孟(BCリーグ・石川ミリオンスターズ)と2人の捕手を獲得している。チーム編成の観点からも中村奨成は指名しないと予想される。中村悠平の「筆頭」の地位はひとまず安泰だ。

 中村奨成がプロ入りを果たした近未来、「捕手の中村が凄い!」と言われたときに、「もちろん中村悠平だよね?」と当たり前のように言えることをヤクルトファンとしては願っている。


文=勝田聡(かつた・さとし)

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