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10.8決戦の年に初のメダル! スキー界のレジェンド・葛西紀明のすごさをプロ野球史から追ってみた

2018-02-17(土)0:00

10.8決戦の年に初のメダル! スキー界のレジェンド・葛西紀明のすごさをプロ野球史から追ってみた

 2月9日に開幕した冬季オリンピック・平昌大会。日本も様々な競技でメダルが期待されており、多くの選手たちが真剣勝負を見せてくれている。そのなかで、フィギュアスケートの羽生結弦らとならび、世界から注目を集めるのがジャンプの葛西紀明だ。

 1992年のアルベールビル大会から出場し、今回が史上最多の8度目の大舞台となる。そのスキー界のレジェンドのオリンピック出場歴を、野球の歴史をからめながら振り返ってみたい。

◎レジェンド・葛西は侍ジャパン・稲葉監督と同級生


 葛西は1972年6月6日生まれ。野球でいうと侍ジャパンの稲葉篤紀監督、西武の西口文也コーチらと同世代になる。葛西は東海大四高(現東海大札幌高)卒業後、1991年に地崎工業に入社した。すでに日本代表経験もあった葛西は、さしずめ1990年のドラフト会議で高卒の目玉選手として指名され、プロ野球入りを果たしたといったところだろうか。

 1992年のアルベールビル大会で、葛西は初めてオリンピックの日本代表に選ばれた。もし、この年に野球界でWBCのような国際大会があったら、メンバーは古田敦也(当時ヤクルト)、落合博満(当時中日)、秋山幸二(当時西武)、野茂英雄(当時近鉄)といった選手たちが選ばれていたことだろう。この時代から、葛西はトッププレーヤーだったのだ。

 葛西にとって2回目のオリンピックとなったのは1994年のリレハンメル大会だ(この大会は夏季大会との周期をずらすために、前回大会から2年の間隔で開催された)。ここで、葛西は初のメダルとなる銀メダルを団体で獲得した。プロ野球界でいうと、イチロー(当時オリックス)が210安打を放ち、「国民的行事」と呼ばれた巨人と中日の「10.8決戦」が行われた年だ。いかに、葛西が長く現役を続けているかが、わかるのではないだろうか。

◎甲子園の松坂も、WBC決勝の松坂も通り過ぎたレジェンド


 1998年の長野大会では故障もあり、3度目のオリンピックにして初めて団体のメンバーから外れた。この年の野球界では記憶に残るできごとが多く起こっている。高校野球では松坂大輔(現中日)を中心とした横浜高が甲子園春夏連覇。プロ野球では横浜ベイスターズが2度目の日本一となった。葛西は「松坂世代」が甲子園で戦っているときから、すでに3度のオリンピックを戦っていたのだ。

 2002年のソルトレイクシティ大会ではノーマルヒルで49位、ラージヒルで41位と初めての惨敗を喫した。野球界では松井秀喜(当時巨人)が50本塁打を放ち、オフにFAでヤンキースへと移籍した年にあたる。

 2006年のトリノ大会で、葛西は3大会ぶりに団体メンバーに選ばれる。その直後には第1回WBCが開催され、日本代表は初代チャンピオンとなった。その決勝で白星をマークしたのは、8年前の長野大会の年に甲子園春夏連覇を達成した松坂(当時西武)だった。


◎40代で初のメダル獲得


 2010年代に入ってもレジェンドの力は衰えない。6大会連続出場となったバンクーバー大会では、ラージヒルでキャリアハイとなる8位入賞を達成。団体でも5位入賞を果たすなどメダル獲得とはならなかったが、健在を見せつけている。この年、セ・リーグでは葛西と同じ1972年生まれの和田一浩(当時中日)がMVPを獲得。パ・リーグではロッテがシーズン3位から日本シリーズへ進出し、中日を破って下克上を達成している。

 日本選手団の主将を務めた2014年のソチ大会では、41歳にして個人での初メダルとなる銀メダル(ラージヒル)を獲得。また、団体でも銅メダルを手にした。プロ野球では大谷翔平(エンゼルス、当時日本ハム)が2ケタ本塁打、2ケタ勝利を達成。「日本のベーブルース」と叫ばれた年だ。

 このようにスキー界のレジェンドは「稲葉世代」にもかかわらず、今も現役を続けている。もし、野球界ならばWBC以前から日本代表級の活躍をし、現在も侍ジャパンのメンバーとして活躍しているということだ。

 そして8回目の出場となった平昌大会。ノーマルヒルでは予選通過を果たしたものの21位に終わった。17日に決勝が行われるラージヒルの結果は、本コラムの執筆時点でわからないが、メダルを期待したい。


文=勝田聡(かつた・さとし)

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