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野球世界大会では常に下馬評を覆す不思議なチーム!これがメキシコ代表だ!!

 日本シリーズが終わり、シーズンオフにやってきたもうひとつのお祭り・プレミア12もついに閉幕。日本は準決勝で韓国に破れ、無念の3位に終わった。

 世界のトップ12が集った今大会で、ダークホースとなったのがメキシコだ。

 日本との3位決定戦は大敗に終わったものの、1次リーグでは最終回まで日本を脅かし、ランキング12位からの大躍進。開催前には国内リーグで泥沼の分裂騒動が起こり、一時は選手が集められず出場辞退寸前の状況だった。


目立った実績はないが、常に下馬評を覆す存在


・オリンピック出場なし
・2006年WBC・ 2次リーグ敗退
・2009年WBC・ 2次ラウンド敗退
・2013年WBC・ 1次ラウンド敗退
・2015年プレミア12・4位

 メキシコ代表の過去の世界大会での実績がこれだ。同じ北米に位置するだけあって、メジャーリーガーも多数輩出しているメキシコ。

 日本球界でプレー経験のある選手も多く代表入りしている。

≪歴代メキシコ代表・主な日本球界経験者≫
・ルイス・クルーズ(ロッテ/2006WBC、2013WBC)
・ルイス・ガルシア(元楽天/2006WBC、2013WBC)
・カリーム・ガルシア(元オリックス/2006WBC、2009WBC、2013WBC)
・エドガー・ゴンザレス(元巨人/2009WBC、2013WBC)

 父母のどちらかがメキシコ人という理由で、アメリカ育ちながら二重国籍を有する選手も多く、さらに国内リーグでは、多くのメジャー球団が注目。AAA級の評価を下している。


 戦力的には充実しているものの、代表は飛び抜けた実績はなし。メジャーリーガーの出場が限定されてしまうのも痛いところだ。

それでも大物食いの力はアリ!メキシコ人は遊ぶと強い!?


 そんなメキシコ代表だが、ここ一番では底力を発揮することでも有名だ。その対象は強豪・アメリカ。

 2004年のアテネ五輪のアメリカ大陸予選では、アメリカ代表を破り、アメリカの本大会進出を阻むなど、ここぞの場面で「アメリカだけには負けられない!」とメヒコ魂を爆発させている。

 極め付けは2006年のWBC2次リーグ最終戦でアメリカを破り、日本の準決勝進出をアシストした一戦だ。

 日本は韓国、アメリカに敗れ、1勝2敗でリーグ戦終了。あとはメキシコvs.アメリカの結果を祈るしかなかった。

 2006年のWBCでは、勝敗が並んだ場合、失点率で上位のチームを決めるシステム。日本が準決勝に進出するには、メキシコが2得点以上で勝利することが必須だった。

 しかし、当のメキシコ代表は失点率が悪く、準決勝進出はほぼ絶望。試合前日には練習を取りやめ、カリフォルニアのディズニーランド・リゾートにチーム全員で出かけ、ミッキーさんのお耳を付けて大はしゃぎするなど、日本の野球ファンを大いに心配させた。

 しかし、試合が始まると様相は一転。3回裏にライトポール直撃のホームランを、例の問題審判ボブ・デービッドソンに二塁打と判定されると、猛烈に発奮。

「跳ね返ったボールに黄色いペンキが付いていたのにどういうことだ! アメリカ&ボブの小賢しい策略は許さん!」

 とチーム一丸となり、アメリカを2対1で撃破。下馬評を覆す大番狂わせに駐日メキシコ大使館には、日本の野球ファンから熱烈なお礼が止まない事態となった。

 プレミア12でも準決勝でアメリカと対決。前日は軽めの練習で切り上げ、秋葉原や六本木に繰り出したと報道された。

「これはもしや、ディズニー事変の再来か!?」

 と期待するファンも多かったが、今回はボブ・デービットソン不在の影響もあったのか、1-6で敗戦。

 しかし、ルーキーリーグやA級の選手がほとんどのなかで、国際大会最高成績を収めた力はホンモノだ。予選リーグが開催された台湾で、野球も遊びも本気で楽しんだ結果なのかも知れない。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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