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難しいニュースにもグッと親近感!? 意外と多い? 野球部出身のキャスターたち


 4月。それはTV番組改編期。ぞくぞくと新しい番組が始まり、既存番組でもリニューアルが行われている。

 野球ファンとして気になるのは、フジテレビ系『すぽると!』に代わって始まった『ユアタイム』でどれだけ野球の話題が扱われるのか。そして、古舘伊知郎が去ったテレビ朝日系『報道ステーション』のスポーツコーナーがどのようなものになるのか、ではないだろうか。

 特に『報道ステーション』のスポーツコーナーは栗山英樹(日本ハム監督)、工藤公康(ソフトバンク監督)と2代続けてプロ野球監督を輩出した名物枠。現在の担当も稲葉篤紀(元日本ハム)と、これまた将来の監督候補といわれている人物だ。だからこそ、その相手役を務める新キャスター、富川悠太アナウンサーがどのような絡みをみせるのか、興味は尽きない。

 期待したいのはこの富川アナが元高校球児であるということ。東京都立国立高野球部ではショートを守り、副主将も務めていた。野球部出身者として濃い内容の野球談義で盛り上がるのを願うばかりだ。また、各局の報道番組を見ると、意外と野球部出身のキャスターは多い。富永アナ以外の代表的な3名を紹介したい。

『羽鳥慎一モーニングショー』羽鳥慎一アナウンサー


 神奈川県立横浜平沼高校野球部出身。「野球実況がしたい」と日本テレビに入社したのが、現在はフリーで活躍する羽鳥慎一アナだ。横浜平沼高時代はアンダースローの投手として活躍。3年時には激戦区・神奈川で4回戦まで進んだが、その4回戦で横浜高校の前に敗れている。

 ちなみにこのとき、後にプロ野球で首位打者を獲得する鈴木尚典(元横浜)と対戦(鈴木は1年生)。5打数3安打と打たれたものの、2つの三振も奪っている。ただ、この対戦を通して、プロに進む人間とそうではない人間(=自分)との才能の差を痛感したという。


『ニュースウオッチ9』大越健介 番組編集長(前キャスター/NHK記者)


 新潟県立新潟高校野球部出身。2年生までは捕手としてプレーし、県ベスト4。3年時から投手に転向し、右の本格派投手として春の県大会でチームを準優勝に導く。だが最後の夏は準々決勝で優勝校の長岡高校に5回コールドで大敗し、甲子園の夢を砕かれた。

 大学は東京大学に進学し、東京六大学リーグでプレー。サイドスローに転向し、通算8勝27敗。同校史上初の日米大学野球選手権の代表メンバーに選出される活躍をみせた。

 大学卒業後、社会人野球の道をケガのために断念し、NHKに入局。政治部記者を経て、2010〜2015年まで『ニュースウオッチ9』のキャスターを担当。現在は「ニュースウオッチ9番組編集長」として関わっている。

『ユアタイム』『スポーツLIFE HERO’S』田中大貴アナウンサー


 『プロ野球ニュース』の流れを汲む『すぽると!』の後任番組として、フジテレビの夜の顔となるのが平日は『ユアタイム』、土日が「スポーツLIFE HERO’S』。そして、この両番組にかかわる人物こそ、『すぽると!』でメーンパーソナリティも務めた田中大貴アナウンサーだ。

 田中アナは兵庫県立小野高校野球部出身。ただ、目を見張る活躍を遂げるのは慶應義塾大学野球部時代だ。4年時にファーストのレギュラーになると、春の東京六大学リーグ戦で明治大学の岡本篤志(現西武)、立教大学の多田野数人(元日本ハム)らから3本塁打を放ち、本塁打王に輝いている。

 田中アナの強みは「六大学の慶大卒、松坂世代」という肩書き。CSプロ野球ニュースの人気企画『プロ野球ここだけの話』では「六大学野球×東都大学野球」企画で同世代の和田毅(早稲田大出身)、後藤G武敏(法政大出身)、館山昌平(日本大出身)、江草仁貴(専修大出身)、木佐貫洋(亜細亜大出身)らと軽快なトークを繰り広げた。また、大先輩である慶大OB・高橋由伸とは公私ともに関係は深い。


野球部出身キャスターたちのバックボーンにあるもの


 ここで挙げた3名以外でも、野球部出身者のキャスターは多い。先月で番組を降板したが、日本テレビ系『スッキリ!』のMCを務めた上重聡アナウンサーもPL学園高校野球部出身。あの松坂大輔(現ソフトバンク)と甲子園で投げあった名勝負は、今でも野球ファンの語り種だ。

 アナウンサーやキャスターを務める上で、野球部出身であることのメリットはどんなところにあるのか?

 大越記者はあるインタビューで、記者として取材対象者と向き合う姿勢において、「バッターとの1対1の真剣勝負を数限りなく積み重ねてきた経験が役立っている」と語っている。

 また、富永アナはテレビ朝日のホームページで「アナウンサーは、ひとりでは何も出来ません。カメラ、音声、ディレクター、他にも多くの番組スタッフがいて、そのチームプレーの中で、いかに機能するかが大事なんです」と、チームワークの重要性について言及。この考え方も野球部ならでは、といえる。

 何かと難しい話題、深刻なニュースも多い報道・情報番組。それでも、伝えている人間が野球部出身と知れば、興味もグッと沸くのではないだろうか。


文=オグマナオト(おぐま・なおと)

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