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2020アマ球界の見どころ〜高校はいよいよ明石商が頂点へ? 大学ではあの甲子園スターが勝負の4年生に

文=勝田聡

アマ球界の見どころ〜高校はいよいよ明石商が頂点へ? 大学ではあの甲子園スターが勝負の4年生に
 2020年が始まった。NPBを目指す選手たちは、それぞれのカテゴリーで動き出している。高校、大学、社会人、独立リーグとそれぞれの見どころを探ってみたい。

高校は明石商高の中森俊介と来田涼斗に注目、球数制限も開始


 昨年は佐々木朗希(大船渡高→ロッテ)や奥川恭伸(星稜高→ヤクルト)が、早い段階から大きな注目を浴びていた。2020年は、「現時点」では2人のような超大物選手は不在。選手個々の争いは群雄割拠に近い状態にある。

 その中で抜け出しそうなのは明石商高のエースの中森俊介と外野手の来田涼斗だ。2人は1年夏から3季連続で甲子園の土を踏んでおり、昨年は春夏ともにベスト4と優勝まであと一歩届かなかった。昨秋の近畿大会ではベスト8だったが、準優勝の大阪桐蔭高と接戦の末の敗退だった。今春のセンバツ出場はほぼ確実。昨年以上の成績を残し、ドラフト候補としての評価も上げられるか要注目だ。2人以外には、星稜高の主力・内山壮真や東海大相模高の西川僚祐といったドラフト候補も気になる存在だ。

 昨年は春夏ともに甲子園に出場できなかった大阪桐蔭高。昨秋の近畿大会で準優勝、今春の甲子園には3季ぶりに戻ってくることが確実。強豪校の戦いぶりは見どころとなる。秋季九州大会は優勝が明豊高、準優勝は大分商高と大分県勢が躍進。津久見高以来(1972年夏)の甲子園制覇を目指す。

 高校野球をめぐる制度を見ると、いたるところで議論が続いているのが球数制限。昨年、「1週間に500球まで」という規則が定まり、センバツから公式戦全戦で実施されることが決まった。すぐに効果が見えるものではないが、導入は「選手ファースト」の第一歩となる。各校の考え方や指導法、そして戦い方の変化は注目ポイントだ。

大学球界では甲子園スターが成長、社会人野球は日程が変更


 大学生に目を向けると、智辯学園高3年春に全試合に完投勝利し、優勝に導いた村上頌樹(東洋大)、木更津総合高で甲子園に3度出場し、当時からドラフト上位指名されてもおかしくないと高い評価を受けていた早川隆久(早稲田大)といった高校時代に輝いた選手たちがドラフト候補として4年生になる。東都大学リーグ、東京六大学リーグと舞台は違うが、大学でも実績を残してきた。最高学年でさらに評価を上げることができるか。

 中央大の五十幡亮汰も注目が集まっている。五十幡は中学時代に100メートル走で全国制覇を成し遂げた俊足。その大会ではサニブラウンにも勝利しており、韋駄天は折り紙つき。もちろん、足だけでドラフトにかかることは難しい。しかし心配はいらない。昨秋には東都大学リーグで打率.300を記録し、ベストナインにも輝いている。俊足が売りなのは間違いないが、その他の能力も含めた上でのドラフト候補なのだ。

 また、侍ジャパン大学代表で守護神を任された伊藤大海(苫小牧駒大)や、昨秋のリーグ戦で4勝0敗の好成績を上げMVPを受賞した山崎伊織(東海大)など、東京六大学、東都以外にも注目の選手はいる。春秋のリーグ戦は全国どこも見逃せない。

 社会人野球は日程に大きな変更がある。東京オリンピックが開催されることで、都市対抗野球と日本選手権の日程が入れ替わるのだ。また、全日本クラブ野球選手権の日程も変わる。全日本クラブ野球選手権が5月、日本選手権が7月、都市対抗野球が11月。ドラフト会議後に都市対抗野球が行われることになる。

 ドラフト候補では栗林良吏(トヨタ自動車)が、評価を上げている。名城大時代の2018年ドラフト会議ではプロ志望届を提出したものの指名漏れ。社会人1年目の昨年は2大大会でも好投を見せた。ドラフト解禁年となる今年、1位指名を確実なものとするためにも実績を積み上げたい。

 野手ではパワーヒッターの今川優馬(JFE東日本)に注目。社会人の野手はドラフト指名が少なく、昨年も捕手を除くと小深田大翔(大阪ガス→楽天1位)、佐藤直樹(JR西日本→ソフトバンク1位)とドラフト1位で指名された2人だけしかいなかった。圧倒的な成績を残し、指名を勝ち取ることができるか。

BCリーグで神奈川に新チームが誕生、四国は谷田氏が徳島の代表に


 アマチュア野球に分類するのははばかられるが、NPBを目指すという位置づけで独立リーグの見どころも紹介したい。

 ルートインBCリーグでは、神奈川フューチャードリームスが新たに参入した。チームを率いるのは横浜ベイスターズで活躍した鈴木尚典氏、GMには山下大輔氏、チームアドバイザーとしては荒波翔氏、とNPBで選手として実績のある人物が要職に就く。

 また、初代キャプテンには群馬ダイヤモンドペガサスから移籍した青木颯が就任している。青木は柏木学園高校、鶴見大学と神奈川県で育ったゆかりのある選手。これまでは群馬でプレーしていたが、神奈川のチームが誕生し地元に戻ってきた。「背中で引っ張る」と意気込んでおり、旋風を巻き起こすことに期待したい。

 四国アイランドリーグplusでは徳島インディゴソックスの球団代表に谷田成吾氏が就任した。慶應義塾高、慶應義塾大、JX-ENEOS、徳島でプレーしてきた経験を球団運営にどのように生かしていくのか。徳島は7年連続(育成含む)で選手をNPBへ送り込んでいる。谷田体制でも同様にプロ野球選手が誕生するのか注目だ。

文=勝田聡(かつた・さとし)

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