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2013年ドラフト会議・『野球太郎』的盛り上がりランキング

 毎年様々なドラマが生まれるプロ野球・ドラフト会議。今年も10月24日17時からグランドプリンスホテル新高輪で実施されたが、ドラマが生まれたのは現場だけではなかった。

 同日同時刻、東京・千駄ヶ谷にあるナックルボールスタジアム(KBS)で行われたパブリックビューイングでも、20名を超える野球ファンが集い、時に叫び、時にガッツポーズを見せ、自分のことのように騒ぐ大人たちがいた。そこで今回は、KBSで行われた「ドラフト会議パブリックビューイング」の様子を“盛り上がり度”のランキングでおさらいしながら、改めて今年のドラフトを振り返ってみたい。



◎盛り上がった瞬間1位
広島東洋 1巡目指名 大瀬良大地


 この日、KBSで最も歓声があがった瞬間は、3球団が競合した大瀬良大地(九州共立大)投手の交渉権を、広島の田村恵スカウトが引き当てた瞬間だった。

「これがあの時の田村だと気づく人がどれだけいるのでしょう?」というキビタキビオ解説員のコメントに、「あぁ!」と声をあげる者もいれば、両拳を天に突き上げて喜びを爆発させる者もいた。ちなみに田村スカウトは樟南高校時代、黒縁メガネの捕手で1994年夏に甲子園準優勝するなど、当時、大いに話題になった選手だ。

 近年、広島カープファンの増加が社会現象にもなりつつあるが、その兆候は『野球太郎』ファンにも及んでいた!?

◎盛り上がった瞬間2位
東北楽天 1巡目指名 松井裕樹


 やはり外せないのは、今年のドラフト一番の目玉、松井裕樹(桐光学園)投手。5球団で名前が呼ばれると、その都度、「おぉぉぉぉぉ」という低い声が響いた。そして、楽天の立花球団社長がガッツポーズをすると、KBSでも同様にガッツポーズする姿があった。

 ただ、今年のドラフト指名の最初だったということもあり、まだ来場者のエンジンも温まっていなかったのか、大瀬良投手の抽選結果時の盛り上がりにわずかに及ばなかった。

◎盛り上がった瞬間3位
千葉ロッテ 1巡目指名 石川歩


 ロッテと巨人の競合となった石川歩(東京ガス)投手の交渉権を伊東勤監督が引き当てた瞬間が第3位。大瀬良投手の時に勝るとも劣らない大歓声がKBS内に鳴り響いた。この反応は、「ロッテが交渉権を勝ち取った」ということよりも、「巨人が外した」という要素が大きかったように思われる。

 思い返すのは、1カ月前にKBSで行われた「一人ドラフト会議」。上位指名を安倍昌彦氏が予想した後、下位指名では来場者が好きな球団の担当スカウト役になる、という企画があった。だか、そこでも巨人の担当スカウトを買って出る人は現れなかった。

 『野球太郎』読者ではアンチ巨人が主流派なのか!? コレを読んだ巨人ファンは是非、次回以降のドラフト企画に参加いただきたい。


 こうして振り返ると、今年ペナントレースの終盤で勢いを見せた広島、ロッテ、楽天が、その勢いそのままにドラフトでも成果をあげ、そしてファンも盛り上がった、と見ることができる。

◎番外編1
持木編集長のファッションチェック


 来場者の笑いを誘ったのが、この日、キビタキビオ氏とともに司会&解説役を務めた持木秀仁『野球太郎』編集長の意外な指摘。埼玉西武ライオンズの首脳陣が登壇すると「さすが西武、衣装をそろえてきましたねぇ」と解説。また、この日が監督就任後、初の大仕事となった谷繁元信選手兼監督が抽選箱に手を入れようとした瞬間には「谷繁、でっかい時計してますねぇ」と、ファッションチェックに余念がなかった。

◎番外編2
サヨナラ、加藤コミッショナー


 今回の企画で来場者が最初にどよめいた瞬間は、この日が任期最終日だった加藤良三コミッショナーが開会宣言のために画面に映った瞬間。

「えっ?」、「まだいたの!?」という、熱心な野球ファンだからこその厳しいコメントが寄せられた。

 笑いも、怒りも、驚きも、まさに喜怒哀楽が交錯し合うのがドラマの宝庫たる「ドラフト会議」ならではのエッセンス。来年はいったいどんなドラマが生まれ、どんなランキングができあがるだろうか。


文=オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。また「幻冬舎WEBマガジン」で実況アナウンサーへのインタビュー企画を連載するなど、各種媒体にもインタビュー記事を寄稿している。ツイッター/@oguman1977

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