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12球団ルーキー答え合わせ! 期待に応えたのは誰だ!?《ソフトバンク、西武、楽天編》

12球団ルーキー答え合わせ! 期待に応えたのは誰だ!?《ソフトバンク、西武、楽天編》

 9月に入り、ペナントレースもいよいよラストスパートの時期。順位も固まりつつあり、同時に昨秋のドラフトを経て加入したルーキーたちの「実力」も徐々に明らかになってきている。

 昨年11月に発行された本誌『野球太郎No.021 2016ドラフト総決算号&2017大展望号』では、「12球団ドラフト採点&近未来展望」と題して、各球団の指名選手の活躍度を予測していたが、その見立ては果たして当たっていたのか?

 今回は本誌『野球太郎』の見立てを引き合いにソフトバンク、西武、楽天の「ルーキー答え合わせ」をしてみた。

ソフトバンクのルーキー答え合わせ


 本指名で4人、育成枠で6人の計10名を指名したソフトバンクだが、8月末時点で、1軍昇格を果たした選手はいない。本誌『野球太郎』では、総合のドラフト採点は「95点」と高評価だった指名ラインナップも、ここまではその点数に達しているとは言いづらい状況だ。

 とはいえ、そもそも10名中9名が高卒選手。数年後の世代交代を見越してのドラフト戦略であるならば、現時点での活躍選手不在を「失敗」と決めつけるのは早計か。

 ただ、5球団競合の末に交渉権を獲得した唯一の即戦力候補・田中正義(創価大)の出遅れは、故障がちとわかってはいたものの、球団側も少々誤算だったかもしれない。春季キャンプの紅白戦で150キロ超の剛球を投げ、さすがのポテンシャルを示していたが、開幕を待たずに右肩の違和感で戦線離脱。そこから一進一退の調整が続いており、いまだ2軍の公式戦にも出場していない…。

 大学時代にも右肩痛で休んだ時期があっただけに、無理させるつもりはないのだろう。確かに本誌でも「ケガが多いところや、けん制、フィールディングに難はあるが、それらを補って余りあるほどの投手だ」と懸念を示しつつも、その素質を高く評価している。故障が完全に癒えた段階でどこまでのパフォーマンスが発揮できるかに注目だ。

西武のルーキー答え合わせ


 本指名のみの6人と、絞り気味のドラフト戦略を見せた西武。夏の甲子園優勝投手の今井達也(作新学院)など投手4名、野手2名のラインナップだった。

 そのなかで、新人王当確の活躍を見せているのが3位指名の源田壮亮(トヨタ自動車)だ。本誌では「守備型の永江、攻撃型の呉らと、さぁ競争だ!」と予測を立てていたが、キャンプ、オープン戦で結果を出して開幕スタメンをあっさり勝ち取ると、そこからフル出場。走攻守にルーキーらしからぬアグレッシブなプレーを続けている。

 盗塁部門では西川遥輝(日本ハム)と熾烈なタイトル争いを展開中。新人王と同時に盗塁王も獲得となれば2001年の赤星憲広(元阪神)以来2人目という快挙。可能性は十分だ。

 また、投手では5位指名の平井克典(Honda鈴鹿)が5月23日の1軍昇格以降、セットアッパーとして好投を続けている。8月29日までに33試合に登板して35回を投げ、被打率は.242とそこそこながら防御率は1.29。右のサイドハンドから繰り出すスライダーを武器に、ランナーを許しながらも要所を締める粘りのピッチングが光る。

 本誌では「安定感はあるが、スライダーだけでは厳しい」との見方を示していたが、経験を積んでいくなかで新たな引き出しも増やしている。

 本誌の総合ドラフト採点は、補強ポイントとマッチした指名内容ということで「95点」と高評価だった。1位・今井の右肩痛による出遅れは想定外だったかもしれないが、3位・源田、5位・平井が大活躍。結果的にはその高得点に近いドラフトだったと言えるかもしれない。


楽天のルーキー答え合わせ


 本指名10人、育成枠4人の計14名を迎え入れた楽天。高卒から、専門学校卒、大学卒、社会人出身までそのラインナップは多彩だが、2015年のドラフトが指名した9人のうち8人が野手だったこともあって、昨年は14人中10人と投手が多く占めた。

 今季は本指名選手の10人のうち5人が1軍デビューを果たし、とくに投手の菅原秀(4位・大阪体育大)、森原康平(5位・新日本製鐵広畑)、高梨雄平(9位・JX-ENEOS)は、セットアッパーとして重用されている。

 なかでもサイドの左腕・高梨は34試合に登板して防御率1.09。本誌で「左のワンポイントとしてブルペンにいてほしい存在」と評した通り、左キラーとして存在感が日に日に高まっている。

 また、1位の藤平尚真(横浜)も3試合目の登板となった8月22日のロッテ戦で待望の初勝利。12球団の高卒新人投手のなかで、一番乗りを決めた。「先輩たちに続いて開花させたいポテンシャル型」と本誌が予測した通り、秘めたる能力の片鱗を感じさせる投球を披露している。

 昨季の5位からAクラス確実といったところまで躍進した楽天。ルーキーの貢献なくしてこの位置はなかったと言っても大げさではない。

 本誌では「補強ポイントよりも将来性を重視」と総評し、総合のドラフト採点は低めの「65点」だったが、それを大きく上回る収穫があったドラフトだったと言っていいだろう。

(成績は9月3日現在)


文=藤山剣(ふじやま・けん)

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