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今週の野球みどころランキング[4月2日(火)〜4月8日(月)]

 『今週の野球みどころランキング』は、4月第1週はじめの時点で注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。
 最後には今後の簡単な野球界のスケジュールを添えていますので、重要事項はチェックしておいてください!


ヤクルトとロッテ、捕手同士のトレード
――― NPB
 3月25日、ヤクルトの川本良平とロッテの田中雅彦のトレードが発表されました。トレードを打診したのはロッテ側と伝えられ、正捕手・里崎智也の出遅れが決定的となり、二番手捕手を求めていたという経緯のようです。ヤクルトは昨シーズン頭角を表した捕手・中村悠平とベテラン・相川亮二の2枚が揃い、川本は余剰戦力といっていい状態にありました。一方でキャリア序盤に内野手起用にも応えていた田中のユーティリティー性は、内野手の年齢層が高くバックアップがそこまで豊富ではないヤクルトにとって、付加価値となったと推測できます。
 川本は開幕戦こそマスクを被る機会はありませんでしたが、2戦目は試合の途中出場。3戦目は先発出場し移籍初安打も放ち期待に応えています。


進むボールパーク化。より楽しめる球場へ!
――― NPB
 2000年代後半からNPB各球団の本拠地球場はボールパーク化を進めてきましたが、今オフも様々な改修・改善が。IT派に嬉しいのは西武ドームのWi-Fiサービス「Lions Wi-Fi」。無料でインターネットに接続できるほか(1日に90分×3回まで)、選手名鑑やリアルタイム対戦データなどの配信も行われるとのこと。
 昨年オフは急な球団買収だったこともあり球場の改修にあまり手の回らなかったDeNAは、今オフ電光掲示板を改修。グラウンド上の座席(エキサイティングシート)の新設も行いました。また正面入場券売り場前広場「YYパーク」をリニューアル。新加入したブランコにちなんだ「ぶらんこブランコ」、マスコット「DB.スターマン」の形をしたドーム型遊具、スタジアムを回遊する「DB.トレイン」など子ども向けアトラクションが増えています。
 クリネックススタジアム宮城は、両翼を1.4メートル短くし、フェンスの高さも下げる改修を実施。これにともない、従来の外野席の前にできたスペースに新しい席ができました。また防球ネットやフェンスの資材を改め、網目で視界を遮られることを減らすための処置も行われました。スタジアム外にある「あそぶひろば」の遊具も増設されています。


大学野球春季リーグ開幕
――― 大学野球
 社会人は3月中旬にスポニチ大会。高校は現在熱戦中で、佳境を迎えているセンバツ。これらの公式戦に続き、大学野球もいよいよ開幕します。すでに東海地区大学リーグの静岡リーグ、京滋大学リーグははじまっており、4月3日に四国地区大学、東京新大学が開幕。6、7日の週末には関西学生、関西六大学など13のリーグ戦が開幕します。
 各リーグ戦の優勝校が6月11日よりはじまる第62回全日本大学野球選手権大会の出場権を手にします。また、今年は7月上旬から第39回日米大学野球選手権大会が日本で開催されます。日本開催時は14回連続で勝ち越しているので、それを途切れさせない戦いが求められます。選考合宿が6月21日より、直前合宿が6月30日より開かれ、万全を期してアメリカ大学代表を迎え撃ちます。

第62回全日本大学野球選手権大会  6月11日〜6日間@明治神宮野球場、東京ドーム
第39回日米大学野球選手権大会
▽大学日本代表選考合宿 6月21日〜23日@平塚球場
▽直前合宿 6月30日〜7月5日 ※7月1〜4日は韓国で強化試合
▽大会日程
[第1戦] 7月6日 (土)午後6時【松山坊っちゃんスタジアム】
[第2戦] 7月7日 (日)午後2時【松山坊っちゃんスタジアム】
[第3戦] 7月8日 (月)午後6時【マツダZoom-Zoomスタジアム広島】
[第4戦] 7月10日(水)午後6時【宇都宮清原球場】
[第5戦] 7月11日(木)午後6時【明治神宮野球場】
[予備日]7月12日(金)    【明治神宮野球場】


松坂大輔、田中賢介、開幕メジャーならず
――― MLB
 MLBは3月30日(現地時間・以下同)にオープン戦期間を終了。31日に開幕します。開幕メジャーのチャンスを残しカブスのキャンプに参加していた高橋尚成が28日に滑り込みで昇格決定。またレッドソックスの田澤純一も渡米5年目にして初の開幕メジャーを手中にしました。アスレチックスのキャンプに参加していた岡島秀樹は開幕直前の30日にマイナー行きを通告され、明暗を分けました。これでマイナーから開幕メジャーを狙った日本人は小林宏之(すでに解雇)、建山義紀、松坂大輔、田中賢介、岡島秀樹が失敗。高橋と田澤が契約を勝ち獲った恰好に。
 そして、メジャー契約を結びながらも不振が続いていたアスレチックスの中島裕之は、26日の試合で痛めた左ふとももが回復せず、故障車リスト(DL)入りが決定。期間は15日間で出場は11日以降になる予定で、苦難の船出となっています。
 その他の日本人は順調な調整を見せました。ダルビッシュ有(レンジャーズ)、上原浩治(レッドソックス)はともに絶好調。青木宣親(ブルワーズ)もコンスタントに安打を重ねていました。イチロー、黒田博樹(ともにヤンキース)もベテランらしいマイペースな調整で心配はなさそうです。岩隈久志(マリナーズ)はオープン戦で失点を重ねる場面もありましたが、チームの信頼は厚いと見られローテーション入りの可能性も十分。メジャー契約済みの藤川球児(カブス)もオープン戦通算8試合で7回2/3を投げ防御率2.35。一定の結果を残し異なる環境への適応を見せています。和田毅(オリオールズ)は肘の手術後のリハビリ中。5月から6月の復帰が予想されています。


プロアマ交流トーナメントをDeNAが主催
―――NPB&アマ野球
 3月25日、DeNAが自チームのファームと神奈川県内の大学、社会人の計6チームによるトーナメント大会「神奈川県野球交流戦」の立ち上げを発表。8月20、21日の2日間、横須賀スタジアムで実施されることが決まりました。社会人からは練習拠点を川崎市に持つJX-ENEOS、横浜市に拠点を持つ東芝、三菱重工横浜の3チームが出場。大学からは今年の神奈川大学野球連盟春季リーグ戦の上位2チームが出場し、これにDeNAのファームを加えた6チームで戦われます。プロと大学、社会人が同時に出場する大会は球界では初の試みとなります。
 高校野球も含め強豪校が多く“野球どころ”として知られるのが神奈川県。そこに本拠地を持つプロ野球チームとして、DeNAが考える野球振興策は、昨オフ前進を見せたプロアマ雪解けの追い風を利用したなかなか興味深いもの。当初は「SNS」「モバイルゲーム」といった親会社の事業内容になじみのないファン層から色眼鏡で見られていたDeNAですが、地域密着を第一にする姿勢はここまでぶれていません。全5試合の観戦は無料。歴史的な大会にぜひ足を運んでみてはいかがでしょう?


センバツは4強が決定。決勝戦は3日(水)の予定
――― 高校野球
 近畿勢の元気のなさが目立つセンバツに。8強をかけた2回戦で春夏連覇中の大阪桐蔭(大阪)が敗れ、近畿勢は8強に1校も残れず。これまでは北海道・東北などの代表が見せる勢いに、全国の野球のレベルの均質化を感じたものです。安定感のある強さを見せてきた近畿の高校の押され具合には、均質化は次の段階に入ったような気がします。
 そんな中、近畿にならぶ強豪エリア・四国は強さを維持し高知(高知)、済美(愛媛)が8強入り。済美の2年生エース・安樂智大は、2年生としては甲子園最速の152キロを計測し、センバツ最速まで1キロに迫るストレートで、注目度は上昇。しかし中3日で先発した2試合で計391球(232球+159球)を投じたことについて故障を危惧する声も広がっています。
 1日に行われた準々決勝2試合で4強が決定。ともに安定した投手力を基盤に打線にも当たりが出ている敦賀気比(福井)浦和学院(埼玉)。強打の仙台育英を完封に封じた高知、安樂擁する済美の4校が決勝進出を懸け2日に準決勝を戦います。


開幕カードでルーキーが堂々たるプレー。進むか世代交代?
――― NPB
 3月29日、プロ野球がセ・パ同時開幕。31日までに各チーム3試合を戦い終えました。18試合中、延長戦が4試合、1点差ゲームは5試合(引き分け1試合)と見応えある試合が相次ぎ、なかでも巨人と広島の投手陣の安定感、打者を補強したDeNAと楽天の得点力アップなどが印象に残りました。
 ルーキーの出場も目立っています。日本ハムの大谷翔平(2012年ドラフト1位)は右翼で開幕スタメンデビューして2安打。楽天の則本昂大(同ドラフト2位)は、WBCでの登板負荷を考慮し回避したエース・田中将大に代わり開幕投手に。巨人の菅野智之(同ドラフト1位)、阪神の藤浪晋太郎(同ドラフト1位)はそれぞれ開幕2戦目、3戦目で先発。中継ぎではロッテの松永昂大(同ドラフト1位)、DeNAの三嶋一輝(同ドラフト1巡目)、日本ハムの鍵谷陽平(同ドラフト3位)、オリックスの森本将太(同ドラフト5位)が登板を果たしました。
 野手ではオープン戦で好調をキープした西武の金子侑司(同ドラフト3位)が3試合連続でスタメンに名を連ねました。
 このほかにも、巨人の開幕投手に3年目・21歳の宮國椋丞が、DeNAの開幕マスクには2年目・19歳10カ月の?城俊人が抜擢。また西武は2戦目に4年目・22歳の菊池雄星が、ソフトバンクは3戦目に2年目・20歳の武田翔太が先発するなど、フレッシュさが際立っています。昨オフには多くのベテラン選手が引退しましたが、世代交代が一気に進むシーズンになりそうです。
 なお、ルーキーが開幕投手を務めるのは84年にヤクルトの高野光以来のこと。高野はこの年先発ローテを守り、10勝を挙げています。ただこの年のヤクルトは高野のほかに尾花?夫、梶間健一、宮本賢治らが先発ローテを回しましたが、チーム防御率は4.76でリーグ最下位でした。これを考えると、先発投手の層の厚い楽天でローテーションに食い込み開幕投手の座をつかみ取った則本は、より大きな仕事をしたと言えそうです。
 明日2日からの次カードでは、ソフトバンクの東浜巨(同ドラフト1位)、ヤクルトの小川泰弘(同ドラフト2位)らが登板予定。チャンスをつかんだルーキーの初々しい挑戦は今週も続きます。


 センバツがまもなく終わり、代わって大学野球のシーズンが始まります。プロ野球では若手の台頭が目立ちますが、大学野球界ではどの学年の選手が活躍していくのでしょうか。

<<野球界の主なスケジュール>>
祝・NPB、MLB開幕!

3月下旬〜 春季高校野球都道府県大会
4月上旬〜 春季大学野球リーグ戦開幕
大学野球開幕日

東海地区・静岡3月30日、岐阜4月6日、三重4月6日
京滋大学リーグ   4月1日
四国地区大学リーグ 4月3日
東京新大学リーグ  4月3日
千葉県大学リーグ  4月6日
関甲新学生リーグ  4月6日
愛知大学リーグ   4月6日
北陸大学リーグ   4月6日
関西学生リーグ   4月6日
関西六大学リーグ  4月6日
阪神大学リーグ   4月6日
近畿学生リーグ   4月6日
広島六大学リーグ  4月6日
中国地区大学リーグ 4月6日
神奈川大学リーグ  4月7日
東都大学リーグ   4月8日
東京六大学リーグ  4月13日
首都大学リーグ   4月13日
仙台六大学リーグ  4月13日
南東北大学リーグ  4月13日
北東北大学リーグ  4月20日
九州六大学リーグ  4月20日
福岡六大学リーグ  4月20日
北海道学生リーグ  4月27日
札幌学生リーグ   5月1日
九州地区大学野球トーナメント 5月14日

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