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2015年のマイアミとイチローと「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」

 2015年はどんな年になるのか? このことを考える上で外せないのが映画『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』の存在だ。1989年に公開されたこの作品で描かれた“未来世界”が2015年だった、ということで、映画ファンならずとも「あの頃の未来に現実世界はどれだけ追いついたのか?」と話題に挙がることが多い。

 この『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』と2015年問題、実は野球界とも大きく関わりがある。というのも、1985年の「現代」から2015年という「未来」にタイムスリップした主人公がまず驚くことが、その年のワールドシリーズをシカゴ・カブスとマイアミのチームが戦う、という話題だからだ。

 これがなぜ驚きなのか? 日本人には少しわかりにくいかもしれないので掘り下げてみよう。

時代を超えてワールドシリーズに縁がないシカゴ・カブス


 まずはシカゴ・カブスがワールドシリーズに進出、という驚きについて。

 カブスはMLBが発足(ナショナル・リーグが誕生)した1876年からその名を連ねるMLB屈指の歴史あるチームだ。ところが、ワールドシリーズにはとことん縁がない。

 MLB黎明期の1907年と1908年にはワールドシリーズを連覇したこともあるカブスだが、それ以降はワールドシリーズに出場できても、優勝の美酒を味わうことはできず。遂には1945年を最後にリーグ制覇もできなくなってしまった。

 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』における「現代」は1985年。つまり、その時点でカブスは40年もワールドシリーズに縁がないチームだった。いわばこのシーンは、「あの弱小チームが未来ではワールドシリーズに出ていますよ」というネタになるわけだ。まさか、それから30年後の未来でもワールドシリーズに出場を果たせていない、とは当時のMLBファンもさすがに予想できなかったのではないだろうか。

30年前には想像もできなかったマイアミ・マーリンズという存在


 そして、その対戦相手である「マイアミのチーム」について。1985年当時、マイアミにはMLBのチームは存在しなかった。影も形もないものがワールドシリーズに出る、というのだから主人公が驚くのも無理はない。

 その後、1993年にフロリダ・マーリンズ(現マイアミ・マーリンズ)が誕生。このように「マイアミにMLBチームが誕生する」という点に関しては、映画の未来予想通りになった。それどころか、マーリンズは球団創設後わずか5年(1997年)でワールドシリーズを制覇するという、カブスとは対照的な結果まで勝ち取ってしまう。

カブスとマーリンズを巡る不思議な因縁


 シカゴ・カブスとマイアミ・マーリンズ。現実世界では、どちらも同じナ・リーグ所属なので、映画のようにワールドシリーズで対戦することはさすがにない。

 ただ、2003年にはワールドシリーズ進出をかけたリーグ・チャンピオンシップで直接対決をしたことがある。この時は先にカブスが王手をかけ、第6戦では悲願のワールドシリーズ進出まであとアウト5つにまで迫った。

 ところが、三塁側の内野スタンド際に飛んだフライをファンに妨害されてアウトにできず、というハプニングをキッカケにマーリンズが逆転。カブスは第7戦にも敗れて58年ぶりのワールドシリーズ進出を逃してしまう。カブスのこの勝ち運のなさは「ヤギの呪い(ビリー・ゴートの呪い)」として、MLBファンの間では語り種になっている。

2015年。そしてイチローは?


 さて、話を現代の2015年に戻そう。ヤンキースからFAとなったイチローがマイアミ・マーリンズと契約合意に至ったと報道された。


 一体こんな未来を誰が想像できただろうか? どんな名脚本家をもってしても、1980年代当時に、40歳を超えた日本人選手がメジャーで活躍する姿なんて想像できなかったはずだ。

 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の中では、こんな台詞がある。

「君たちの未来はまだ白紙という意味さ。誰もがね。自分の未来は自分で切り開くものなんだ」

 イチローが新天地・マイアミでどんな未来を切り開くのか。大いに注目していきたい。


(2015年1月25日/スポニチ・アネックス配信)
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2015/01/25/kiji/K20150125009690970.html

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