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《君はこんなもんじゃない!》背番号「58」で出直す杉浦稔大(ヤクルト)。1年目の輝きを取り戻せ!


 プロでの活躍を期待されながら、殻を破りきれず、「鳴かず飛ばず」で期待を裏切り続けてしまう選手たち。もう一歩で覚醒しそうな選手たち。『野球太郎』本誌では、そんな選手を「君はこんなもんじゃない!」選手(君コン選手)と呼んで、過去に特集も組んできた。

 週刊野球太郎では、2017年の幕開けに、ライター陣がピックアップする10名の最新「君コン」選手を取り上げ、愛情たっぷりに鼓舞したい。

 第1回はライター・勝田聡氏が挙げる「君コン」選手を紹介。

ヤクルトの「君コン」選手は杉浦稔大


 期待の「ドラ1」が活躍しないことはプロ野球の世界ではよくあることだ。しかし、入団時の期待が大きかっただけに、ファンは「来年こそ」と期待をしてしまう。ヤクルトにもそんな選手がいる。2013年のドラフト1位・杉浦稔大だ。


高かった前評判、背番号は「18」


 2013年のドラフト会議で注目を集めたのは松井裕樹(桐光学園高)、大瀬良大地(九州共立大)だった。ヤクルトは大瀬良に入札したのもの抽選に外れ、外れ1位で杉浦稔大(國學院大)を指名。しかし単独指名とはならず、ここでも重複となってしまう。抽選の結果、当たりくじを引いたヤクルトは杉浦の交渉権を得た。

 入団交渉の際に杉浦が提示された条件は契約金1億円プラス出来高払い、年俸1500万円(推定)という最高の評価だ。

 そして背番号は「18」。ヤクルトの18番といえば1986年のドラフト1位で、3年目に18勝を挙げ、最多勝に輝いた伊東昭光の番号だ。伊東以降は藤井秀悟、バレットが背負い、2010年からは空き番となっていたが、この年から即戦力ルーキーに託されたのだ。


ルーキーイヤーはケガを超えローテーション入り


 2013年のシーズンはルーキーの小川泰弘がエースとなり、新人王を獲得。そこに期待の大卒ルーキー・杉浦が即戦力投手として加入。投手陣が崩壊したヤクルトにとって、2014年は明るい兆しが見えていた。春季キャンプが始まる前までは……。

 杉浦は春季キャンプ中に右ヒジを痛め、ヤクルトファンにとってはおなじみの「館林市内の病院」で検査を受けていたのだ。「あぁ、またか」と、多くのヤクルトファンが思ったに違いない。

 しかし、故障してしまった以上は復帰に向けてリハビリを頑張ってもらうしかない。「復帰は来年か?」、「手術した方がいいのでは?」。ヤクルトファンの声は様々だったが予想以上に復帰は早く、杉浦のデビュー戦は9月に訪れた。

 デビュー戦では黒星こそついたものの好投。その後はローテーションを守り、2勝2敗、23回を投げて28奪三振。決め球のフォークボールが冴えていた。

結果の出ない2年目以降


 2年目の2015年、杉浦はオープン戦から好調。黒田博樹(広島)の日本復帰後初登板となった3月8日の広島戦で、黒田に勝るとも劣らない5回無失点の投球を見せた。

 しかし、シーズンに入ると好投はするも打線の援護がなく開幕3連敗。ここでまたしても右ヒジを故障。戦列から離れることになる。

 終盤に復帰し、優勝には貢献したもののファンの期待からは程遠い内容だった。

 3年目となった今シーズンは開幕から中継ぎとしての起用。しかし結果を出せず、交流戦で先発復帰。たまに好投を見せるものの、四球から崩れるパターンで先発でも結果を残すことができなかった。

 今秋のフェニックス・リーグでは肩の違和感に苦しみ、秋季キャンプには参加せず、リハビリ組となった。


背番号「58」で心機一転となるか?


 杉浦の投球を見ていて思うことがある。追い込んでも決め球がないのだ。1年目に決め球にしていたフォークを見極められた結果、四球につながっている。150キロを超えるストレートがあるわけでもなく、決め球もなければ「プロでは厳しい」のは当然だ。

 それでもファンは期待する。1年目に見せた投球が忘れられないからだ。

 決め球となるフォークの精度を上げ、逃げない投球で三振を奪ったプロ1年目の姿を取り戻して欲しい。中継ぎではなく先発の一員として活躍してほしい。

 先発、中継ぎと結果が出ていない杉浦。今シーズン背番号「18」は剥奪され、今年のドラ1ルーキーの寺島成輝(履正社高)が背負うことになった。杉浦は心機一転、背番号「58」で先発ローテーション争いに臨む。


文=勝田 聡(かつた・さとし)

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