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現役引退即コーチに就任した男たち。いきなり“1軍デビュー”も

 オープン戦が始まったプロ野球。この時期は、まだプロのユニフォーム姿が初々しい新人選手たちの活躍が目立つ。だが、初々しいのは彼らばかりではない。ベンチや練習場に目を向ければ、新人コーチたちが奮闘する姿を見つけることができるはずだ。中でも、昨季現役を引退したばかりの面々の今を掘り下げてみたい。

金子誠 日本ハムチーム統轄本部特命コーチ


 日本ハム一筋21年の現役生活を終え、背番号「8」のユニフォームに別れを告げた金子誠。今年からは「88」の背番号を付け「統轄本部特命コーチ」として第二の野球人生をスタートさせた。主な担当は「スカウティングと育成」ではあるが、春季キャンプでは1軍、およびファームコーチの補佐も務めている。

 キャンプでは、小坂誠2軍内野守備コーチがアキレス腱を断裂すると、その代わりとして臨時で指導にあたるなど、早速忙しい日々を送っている。今後は、業務提携球団であるサンディエゴ・パドレスへのコーチ研修も予定しているという。

坪井智哉 DeNA1軍打撃コーチ補佐


 阪神、日本ハム、オリックスで安打製造機として活躍。国内で3度の戦力外通告を経験した後、2012年からは米独立リーグでプレーを続けていた坪井智哉が現役引退を発表したのが昨年夏のこと。そして、引退後の進路として選んだのは古巣球団ではなく、DeNAの「1軍打撃コーチ補佐」というポジションだった。

 今年1月には初の著書『ケガなく野球が上達するメソッド100+』を上梓するなど、野球理論にはこだわりがある坪井。筒香嘉智や梶谷隆幸など、若さと才能あふれる左打者をさらにワンランク上の打者に育て上げることができるのか。DeNA躍進のための期待を、コーチという立場で背番号「77」が背負うことになる。

平井正史 オリックス2軍投手コーチ



 150キロ超の速球を武器にオリックス、中日のリリーフ投手として活躍した平井正史。最後の2年間は古巣オリックスに復帰し、現役引退とともに2軍投手コーチ就任が発表された。背番号は「72」。

 指導者の理想像として掲げるのは、宇和島東高時代の恩師、故・上甲正典氏と、ストッパーに抜擢してくれた故・仰木彬氏だ。「僕の野球人生で絶対に外せない二人」と語り、特に上甲氏の座右の銘『夢叶うまで挑戦』をモットーに、若手育成に心血を注ぐ日々を送る。

大塚晶文 中日2軍投手コーチ


 日米でクローザーとして活躍し、第1回のWBCでは優勝にも貢献した大塚晶文。2008年に受けたトミー・ジョン手術からの復帰を目指したがMLB、NPBではその夢が叶わず、2013年にBCリーグ・信濃グランセローズで現役に復帰。昨年9月に7年ぶりの実戦登板を果たしたものの、その後、現役引退を表明した。

 そんな大塚は今季から、古巣でもある中日で2軍投手コーチに就任した。背番号は「74」。BCリーグでは兼任監督も務めたが、その際には選手への暴力騒動で出場停止処分を受けたことも。指導者としての真価を問われる難しい立場の中、投手王国・中日の再建の一翼を担うことはできるだろうか?

赤田将吾 西武2軍育成コーチ


 松坂世代の一人として西武で台頭。その後、オリックスに移籍し、2013年には八木智哉・糸井嘉男との大型交換トレードで、木佐貫洋・大引啓次とともに日本ハムに移籍したことでも話題を呼んだのが赤田将吾だ。日本ハムではなかなか活躍の機会がないまま、昨季限りで現役を引退した。

 そんな男が第二の野球人生として選んだ舞台は古巣・西武の2軍育成コーチだ。背番号は「77」。就任会見では「おかわり2世」とも称される山川穂高に注目していると語った赤田。まだ34歳と若く、動けるからこそ、選手に近い立場での指導が期待される。

 こうして見ていくと、「特命コーチ」や「補佐」「育成コーチ」など、新たに役職を設けて、一人でも多くの人材を登用したい、という球団・球界側の意向も伺える。

 現役は引退しても、野球人としてユニフォームを着続けられるということは幸せなこと。だが、来季以降も今のポジションを守れるかどうかは、選手時代同様に「結果」を残さなければならない。指導者としても大成するのは、一体誰だろうか。

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