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《名物オーナー列伝》私財を投じた東京スタジアムでファンが胴上げ! ロッテ・オリオンズ/永田雅一

2017-04-18(火)12:00

元ロッテ・オリオンズオーナー永田雅一

 プロ野球の礎を築き、発展に尽力したオーナーたちを取り上げる連載『どえらい男たちがいた。プロ野球名物オーナー列伝』。

 今回は昭和時代の名物オーナーとして真っ先に名前の挙がる「永田ラッパ」こと永田雅一を紹介したい。

 永田は映画会社の大映を設立し、「映画界の父」と呼ばれた実業家でもあった。また、10戦10勝で東京優駿(日本ダービー)を制した後に破傷風で死んだ「幻の馬」トキノミノルのオーナーとしても知られている。

◎映画界の大物が野球界に参入


 永田は1906年に京都で生まれた。元々、プロ野球と関わりがあったわけではなく映画界の人間だった。

 日活で映画人としてのキャリアをスタートさせ、1934年に第一映画者を設立するも解散。その後、1942年に大日本映画製作(大映)を設立し、1947年に社長へ就任した。

 同年のアメリカ視察旅行を機に、大映作品をアメリカ市場で広げるためにはアメリカの国民的スポーツである野球との関わりを持ち、さらにはアメリカでの知名度を上げるためにプロ野球球団のオーナーになることが大事と認識。元々野球好きだったとこともあり、球団運営に乗り出し、オーナーになることを決意した。

 早速、もう一つのプロ野球リーグである国民野球連盟の大塚アスレチックスを買収。永田の動きは素早く、翌1948年には東急フライヤーズとの統合チーム・急映フライヤーズでシーズンに臨み、同年オフには大映スターズを結成。本格的にプロ野球へと参画する。

 1953年には1年限りではあるがパ・リーグの会長にも就任。球界再編を手がけることになる。1957年に大映スターズは高橋ユニオンズを吸収合併。1958年には毎日オリオンズと対等合併を行い大毎オリオンズが誕生。永田自らがオーナーに就任した。

 こうした永田のワンマン経営、かつ大言壮語を吹き鳴らしながら球界再編に突き進む強引なスタイルは異彩を放ち、周囲はその様を「永田ラッパ」と呼んだ。

 ワンマンぶりは試合や球団編成にも現れた。試合中の監督に電話をかけて采配に口を挟むといった現場介入も多く、疎まれる存在でもあった。

 一方で、永田は心から野球を愛していた。現場からは疎まれることが多かったが、大映の映画スターを連れ立って足繁く球場に現れる永田はファンから愛される名物オーナーとなっていった。

 1960年に優勝を果たしても野球熱は一向に冷めず、1962年には私財を投じて東京の南千住に東京スタジアムを設立したほどである。東京スタジアムには後楽園球場よりも明るい照明が設置され、二層式のスタンドを備える革新的な球場だった。

 横浜スタジアムの設立を決意した大洋ホエールズの中部謙吉オーナー同様に、イチから自前で球場を作り上げるという気概がなければ、当時のプロ野球のオーナーは務まらなかったのだろう。

 1964には球団名を東京オリオンズに変更。ここには「球団名から企業名を省く」、「球団単体で黒字経営してこその野球興行」という理念があったのだが、これは時代に先駆けた考えだったと今だとわかる。

◎グラウンドで胴上げされるオーナー


 「永田ラッパ」と呼ばれるほどのワンマン経営が災いし、やがて球団経営は窮地に陥る。チームも1961年から7年連続でBクラスに低迷。

 1969年、永田は「復活への一手」としてロッテと業務提携を結び、球団名をロッテ・オリオンズへと改称。これは球団の売却ではなくあくまで業務提携であり、ネーミングライツに近い形だった。

 1969年の新生ロッテ・オリオンズの順位は3位と、前年と変わらなかったものの勝率は.515から.561へと上昇。首位とのゲーム差も13.0ゲーム差から5.5ゲーム差へと縮まった。ようやく優勝まで手が届くところまでたどり着いた。

 翌1970年、息を吹き返したロッテ・オリオンズはついに10年ぶりのリーグ優勝を果たす。優勝を決めた場所は東京スタジアム。永田は「自ら作った球場で再びの優勝」という夢を実現した。

 優勝決定後、グラウンドになだれ込んだファンは永田を真っ先に胴上げ。賛否の分かれるオーナーだったが、永田の野球への情熱、オリオンズへの愛情をファンはしっかりと感じ取っていたのだ。

 最近ではソフトバンクの孫正義オーナーが、優勝決定後に選手たちに胴上げされた。しかし、オーナーがファンからグラウンドで胴上げされることは、今後もまずないだろう。


 永田の喜びは長く続かなかった。優勝した数カ月後1971年1月、永田は経営難から球団をロッテへ正式に売却。球団経営から身を引いた。

 ロッテ・オリオンズは千葉ロッテマリーンズと名を変え、ロッテは2017年の現在も球団を保有。パ・リーグでは最も長期にわたって球団を保有している企業となっている。

 現在、千葉に根づいたロッテは熱狂的なファンに支えられているが、そのルーツは「永田ラッパ」にあるのだ。


文=勝田 聡(かつたさとし)

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