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【秋の高校野球ニュース】また敗れた履正社、秋田の「小さなエース」を継ぐ男、石田伝説は継続?

【秋の高校野球ニュース】また敗れた履正社、秋田の「小さなエース」を継ぐ男、石田伝説は継続?

大阪桐蔭に勝てない履正社……


 近年の高校野球をリードする大阪桐蔭と履正社が大阪府大会決勝で激突。今年のセンバツ決勝でも相まみえた両校だが、センバツ、夏に続き大阪桐蔭が3連勝。ライバルを9対2で下し、センバツへ向け、また一歩前進した。

 宿命のライバルと化した両校のここ4年の対戦成績を見ると、以下の通り大阪桐蔭が8勝2敗でリード。履正社はどうにも分が悪い。

2017年秋決勝
大阪桐蔭 9対2 履正社

2017年夏準決勝
大阪桐蔭 8対4 履正社

2017年センバツ決勝
大阪桐蔭 8対3 履正社

2016年秋準決勝
履正社 7対4 大阪桐蔭

2016年春決勝
履正社 6対1 大阪桐蔭

2015年秋準決勝
大阪桐蔭 2対1 履正社

2015年夏2回戦
大阪桐蔭 5対1 履正社

2015年春準決勝
大阪桐蔭 10対4 履正社

2014年夏準決勝
大阪桐蔭 6対2 履正社

2014年春決勝
大阪桐蔭 8対5 履正社

 2016年の履正社は春秋と大阪桐蔭に連勝。苦手意識を払拭したかに見えたが、今年のセンバツ決勝という肝心の大一番で敗戦。秋の大阪大会に続き、センバツ決勝でも「大阪桐蔭超え」を果たしていれば、履正社優位の状況を作れていたかもしれない。

 とはいえ、履正社も今秋の近畿大会に出場を決め、大阪桐蔭とともに来年のセンバツにやってくる可能性は高い。また、来夏の甲子園は記念の「100回大会」。大阪は南北に分かれ、2校の出場が決まっている。南北の区割りは未定だが、ここでも両校が出場するかもしれない。

 来年の甲子園で履正社が大阪桐蔭を相手に直接対決で連勝し、春夏連覇を決めると「平成最強チーム」の称号を大阪桐蔭から奪い、履正社時代の到来となりそうだが果たして……。

「石田伝説」はまだ続く!?


 強豪校が揃う今夏の福岡大会を制して甲子園にやってきた東筑。県内屈指の公立進学校のマウンドを守っていたのが2年生エースの石田旭昇だった。今秋も石田が健在の東筑は福岡県大会で優勝。センバツ出場をかけた九州大会へと駒を進めた。

 東筑は「石田伝説」でも有名。過去6度の甲子園出場のうち、4度はエースの名前が「石田」なのだ。オカルトめいた話だが、まだ「石田伝説」は継続中と見ていいのかも? 夏の甲子園では、1回戦で済美の強力打線に捕まり、悔しい逆転負けを喫した。レジェンドの名を継ぐエースが「7度中5度」と記録を伸ばし、センバツでリベンジを果たせるか。

波乱含みの東北大会に現れた「小さなエース」


 10月14日に開幕した東北大会は波乱含みの様相。大会序盤で青森山田、八戸学院光星、仙台育英が姿を消した。

 10月15日現在、準決勝に勝ち上がったのは能代松陽、聖光学院、花巻東、日大山形の4校。ここで気になる選手として挙げたいのが能代松陽の「小さなエース」佐藤開陸だ。165センチの左腕・佐藤は初戦で優勝候補の八戸学院光星を1失点に抑え、殊勲の立役者となった。

 能代松陽と聞いてまず頭に浮かぶのが能代商時代に甲子園で見せたリベンジ劇。2010年夏の甲子園で能代商は鹿児島実に0対15で大敗。秋田勢の夏の甲子園14連敗を無残なスコアで喫してしまった。

 工藤明監督は大会後、室内練習場に鹿児島実戦のスコアを張り出し、選手を鼓舞。奮い立った能代商ナインは翌2011年の夏の甲子園に戻ってきた。そして、鹿児島実と同じ鹿児島の代表校・神村学園を5対3で撃破。「なにくそ」という負けじ魂のこもった集中打で試合をひっくり返した。

 この時、マウンドに立っていたエースが保坂祐樹。2年生エースとして臨んだ前年の鹿児島実戦でノックアウトされた投手だ。172センチ62キロの細身から放られる球は130キロがやっとだが、成長した投球術と勝負根性で好投した。勢いに乗った能代商は2勝を挙げ、3回戦に進出。最後は延長12回、2対3で如水館に惜敗したが、熱くもさわやかな印象を残して甲子園を去った。

 能代商は能代北と統合して、2013年に能代松陽となった。まだ能代松陽では甲子園に出場していない。また、近年の秋田勢の「小さなエース」という点では秋田商の成田翔(現ロッテ)の活躍も記憶に新しい。「小さなエース」の系譜を継ぐ佐藤はチームを甲子園に導けるのか。あの時の「俺たちは弱くない!」という戦いぶりをまた甲子園で見たい。


センバツ一番乗りは駒大苫小牧


 秋の北海道大会は駒大苫小牧が優勝。両チームともに17安打の打撃戦となった決勝・旭川実戦を12対10でものにし、4年ぶりのセンバツ出場を確実なものとした。

 駒大苫小牧を率いる佐々木孝介監督は2004年夏の甲子園初優勝時の「伝説のキャプテン」。同校を全国の頂点に押し上げた香田誉士史監督がチームを去った後、再建を期待され就任。自身2度目の甲子園出場を決めた。

 2015年のセンバツでは東海大四(現東海大札幌)が準優勝、2016年の夏の甲子園では北海が準優勝と甲子園での躍進が目立つ北海道勢。この流れに乗って、2000年代半ばに甲子園を席巻した駒大苫小牧を、あの「伝説のキャプテン」が再び甲子園上位に導けるか。

 佐々木監督は今のチームに対して「メンバーの入れ替えしか考えていない」と競争心を煽っている。まずは、各地方大会の優勝チームが集まる明治神宮大会での戦いぶりに注目したい。


文=山本貴政(やまもと・たかまさ)

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