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夏場のチーム浮沈のカギは首脳陣が握る! プロ野球12球団の「夏男(ナツオ)」監督を探せ!

 これまでに上位チームと下位チームの「夏男(ナツオ)」な選手を紹介してきた。今回は趣向を変えて「夏男(ナツオ)」な監督にクローズアップしたい。

 チームをまとめる監督が「夏男(ナツオ)」であるメリットを考えてみると、例えば「シーズンが深まるにつれて采配が冴えていくこと」が挙げられる。勝負どころで光る采配を振るう監督が味方にいることは、選手としては心強いだろう。

 しかし、そんな都合のいい監督はなかなかいない……と思うのが普通だが、実は昨年、そんな“まさか”の監督がいたのです。

気温の上昇とともにチームもヒートアップ


「夏男(ナツオ)」な監督ナンバーワンにふさわしいのは、昨年、ヤクルトを14年ぶりの優勝に導いた真中満監督。それを証明するのが、昨季のヤクルトの月別順位変動だ。


★3・4月:3位→5月:5位

 一昨年までならここから下位をさまようのだが、昨年はここから違った。

★6月:4位→7月:3位→8月:2位

 このように5月を底にしてV字回復で順位を上げ、9月にチームを首位に引っ張り上げ、なおかつ優勝させてしまった。真中監督の手腕は、見事なまでの「夏男(ナツオ)」ぶりである。

 打線は7月に月間チーム打率3割を達成してチームを勢いづけ、投手陣は9月に12球団1位となるチーム防御率2.60を達成するなど鉄壁ぶりを披露。投打をうまく噛みあわせたのも、特筆すべき手腕だろう。

 今季もまだ下位に低迷しているが、真中監督がいる限り、このままでは終わらないはずだ。

レベルアップしている広島の「夏男(ナツオ)」


 もう一人、「夏男(ナツオ)」な監督を挙げるとすると、広島の緒方孝市監督。


 昨季は3・4月こそ借金7の6位だったが、5月以降は一度も借金を作った月がなく、最終的には阪神とCS争いを繰り広げるまでにチームを押し上げた。

 ヤンキースで活躍した黒田博樹が復帰するなど、戦力の底上げが図られていたとはいえ、監督として指揮を執るのは初めて。そんな中でのこの順位変動は非常に興味深い。

 そして、その経験を生かすかのように、今季の広島は序盤から2位→1位と好調をキープしている。常に勝ち続けていると「夏男(ナツオ)」な監督とは呼べなくなってしまうが、混戦を抜けだしてダントツの1位になるためには、やはり監督は「夏男(ナツオ)」であるべきだ。


ルーキー「夏男(ナツオ)」監督の筆頭候補


 ちなみに気になるのは、今季のルーキー監督が「夏男(ナツオ)」であるかどうかだろう。こちらに関しては、現役時代の活躍度から、「夏男(ナツオ)」かどうかを探ってみた。

 基準にしたのは、引退年を含めた最後の3年の成績。晩年の成績ではあるが、あまりに過去の成績だと当時の勝負勘が失われている可能性が考えられるので、この3年を切り取って比較した。

 すると巨人の高橋由伸監督から、大きな「夏男(ナツオ)」オーラを感じるという結果に。


 なぜかというと、過去3年の7・8月の打率が3〜4割で推移していることから夏に強いことがうかがえ、また選手からすぐに監督になるというブランクのなさが、「ここぞの決断で生きてくるのでは?」と思われるからだ。

 もちろん阪神の金本知憲監督も、DeNAのアレックス・ラミレス監督も、高橋監督に劣らぬ名選手だが、現場から離れているところが若干気にかかった。外から野球を勉強するということももちろん大事だが、現役時代の成績を参考にしたので、ここでは選手から監督への移行期間の短さを重視した。


夏を制するものがペナントを制す?


 期せずしてセ・リーグの監督だらけになった「夏男(ナツオ)」監督予想だが、いかがだっただろうか。

 夏は、春に頑張ってきた選手がバテてくる時期でもあり、チーム運営という部分では非常に難しい面が出てくる。しかし難しいからこそ、この時期を上手に乗り切ることが求められ、そのスキルを持っている「夏男(ナツオ)」な監督が有利なのだ。

 今季、厳しい季節を乗り切るのは、1年の経験をアドバンテージにできる監督なのか。それとも現役時代の経験を生かした監督なのか。考えれば考えるほど、興味が尽きない。


文=森田真悟(もりた・しんご)

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