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最大の敵は天気だった!? 過密日程により東都1部の優勝&最下位争いは混沌へ

【この記事の読みどころ】
・悪天候などで、試合消化が進まず……
・開幕週は本塁打が乱れ飛ぶ!
・100安打目前の藤岡裕大

★どうなる東都1部リーグ! リーグ戦は無事に終えられるのか……

 9月2日に開幕を迎えた東都大学1部のリーグ戦。日程としては第4週目を終えたところで、順調に試合が行われていれば8カードを消化しているはずだった。だが、今月は台風による大雨が続いたことに加え、3戦目までもつれるケースもあり、まだ3カードしか終えていない。中央大にいたっては1カードも戦い終わっていないのだ。

【未消化試合】

駒澤大−日本大 (駒澤大1勝)
中央大−亜細亜大(亜細亜大1勝)
中央大−國學院大 (1勝1敗)
専修大−日本大  (1勝1敗)
國學院大−亜細亜大(1勝1敗)

 原則として未消化分の試合を行う際、当該チームは中1日空けることになっている。つまり東都1部は火曜日スタートで組まれているため、本来の対戦カードが2回戦で終わらない限り、同じ週に別カードの試合はできない。

 この未消化分のカードが優勝争いに影響を与える可能性もあるだろう。未消化試合の中で上から2つのカードは2回戦が持ち越されているため、日程よく消化したところでまた3回戦が未消化として発生することも十分考えられる。

 2011年春季リーグでは、未消化だった2カードを東洋大グラウンドで行う予定に変更したものの、その内1試合が雨天中止となり、結果として府中市民球場で開催されたことがある。神宮球場以外でリーグ戦が行われれば、4年ぶりのことになる。優勝争い、最下位争いはどうなっていくのだろうか!?


★1週間でホームラン11本!

 先にも言ったように、順調に日程を終えたのは開幕週だけだった。その開幕週に行われた5試合で11本の本塁打が飛び出した。単純計算で1シーズン70本塁打を超える、とんでもないペースではあったが、完全に日程が終了していないとはいえ、4週間15試合を終えて16本と落ち着いた。

▲2015春のリーグ戦で3本塁打を放った渡辺和哉(専修大)

☆シーズン別本塁打数
2013年春 本塁打数 被本塁打数
亜細亜大  7     3
駒澤大   7     8
國學院大  2     5
中央大   0     4
青学大   10     3
専修大   5     8
合計    31    31

2013年秋 本塁打数 被本塁打数
亜細亜大  7     1
國學院大  1     4
拓殖大   2     8
青学大   6     4
中央大   8     6
駒澤大   7     8
合計    31    31

2014年春 本塁打数 被本塁打数
亜細亜大  6     2
國學院大  2     3
駒澤大   0     3
拓殖大   2     3
中央大   5     3
青学大   1     2
合計    16    16

2014年秋 本塁打数 被本塁打数
駒澤大   3     11
國學院大  3     5
中央大   6     3
亜細亜大  9     4
拓殖大   2     5
青学大   7     2
合計    30    30

2015年春 本塁打数 被本塁打数
専修大   7     3
中央大   8     2
國學院大  3     4
亜細亜大  4     6
駒澤大   2     6
拓殖大   2     5
合計    26    26

2015年秋 本塁打数 被本塁打数
専修大   5     5
中央大   0     1
國學院大  5     1
亜細亜大  5     5
駒澤大   0     1
日本大   1     3
合計    16    16


☆チーム別本塁打数
大学名     本塁打数 被本塁打数
亜細亜大(6季) 38    21
駒澤大 (6季) 19    37
國學院大(6季) 16    22
中央大 (6季) 27    19
青学大 (4季) 14    11
拓殖大 (4季) 8    21
専修大 (4季) 17    16
※ランニングホームランは除く

 亜細亜大はここ3年を見ても本塁打数が圧倒的に多い。専修大は1部では3季目を戦っているところながら17本塁打と数字としては少なくない。また、國學院大もシーズン途中ながらすでに近年を上回る5本塁打と増えた。

 また、中央大の被本塁打数は、3年間ずっと1部に在籍した大学の中では最少で、最多の駒澤大と比べるとおよそ半分に抑えられている。

★大記録が寸前で……

 本塁打数の増加や打線が活発な印象を受ける一方、亜細亜大の投手が、國學院大を相手に春に続いて大記録を逃した。

 春は諏訪洸(3年・下妻二高)が9回1死までパーフェクトピッチングを見せながら、ソロ本塁打を打たれて完全から一転、完投勝利で試合を終えた。そして今秋は、石塚賢次(4年・玉野光南高)が無安打無得点まであと2人と迫りながら、山崎剛(2年・日章学園高)に内野安打を打たれて、大記録達成はならなかった。

 この山崎は春、ケガのために亜細亜大戦を欠場している。優勝争いの真っただ中にありながらベンチを外れ、チームもあわやの敗戦を喫したことに山崎自身も悔いを残していた。同じ1敗にしても、無安打のまま敗れるのとそうでないのでは次の試合に臨む精神面も違ってくるだろう。

 春と同じく、2戦目は國學院大が雪辱している。ヤクルトのデーゲームのため中1日空いた2戦目の先発マウンドにも立った石塚だが、3回途中3失点で降板。1勝1敗のタイにもつれている。

 その亜細亜大で今季開幕前の段階で大学通算100安打まで残り16と迫っている藤岡裕大(4年・岡山理大付高)。開幕カードで4安打を放ち、2カード目でも3安打とペースよくその数を減らしている。残り9安打は十分射程圏内だ。その瞬間がいつ、そして神宮球場で訪れるかというのも気になるところだ。

▲100安打達成までのカウントダウンが始まった藤岡

 今週は2カード未消化を抱える日本大、中央大、亜細亜大が登場する。無事に試合が成立して、翌週以降に持ち越すことがないように願うばかりだ。


文=山田沙希子(やまだ・さきこ)
東京都出身。早い時期から東都大学リーグの魅力にハマり、大学生時は平日の多くは神宮球場または神宮第二球場に通い詰めた、三度の飯より東都大学リーグが好きなライター。多くの東都プレイヤーの取材を通して、さらに東都愛は加速中。イベント「TOHKEN〜東都大学リーグ野球観戦研究会〜」でも活躍。

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