週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

おらが町にプロ野球がやってくる。定番化に人気イベントも! 今シーズンの地方開催試合はどこだ

文=勝田聡

おらが町にプロ野球がやってくる。定番化に人気イベントも! 今シーズンの地方開催試合はどこだ
 プロ野球はオープン戦が本格的に始まり、全国に球音が響き出した。1カ月後には毎日のように試合が行われるが、試合が行われるのは12球団の本拠地だけではない。全国のさまざまな地方球場で「地方開催」が組まれている。今回は今シーズンの地方開催について取り上げたい。

フランチャイズ地域での開催が多い


 12球団の試合予定を確認すると、今シーズンも多くの地方開催試合が組まれている。当然といえば当然ではあるが、各球団にゆかりのある地域が多い。たとえば日本ハムは札幌ドーム以外に旭川市のスタルヒン球場、帯広市の帯広の森野球場、そして釧路市の釧路市民球場と北海道の3球場で主催試合を行う予定だ。

 中日やソフトバンクも同様に東海圏、九州圏で主催試合を開催する。また、楽天がはるか夢球場(青森県弘前市)、荘内銀行・日新製薬スタジアムやまがた(山形県山形市)、岩手県営野球場(岩手県盛岡市)、ヨーク開成山スタジアム(福島県郡山市)と東北で試合を行う予定となっている。地方開催とはいえ、このように縁の深い地域での試合を多くするのは珍しい話ではない。

 また、フランチャイズ地域とは縁がない(ように見える)場所での開催もある。西武がそうだ。春季キャンプでお馴染みの沖縄セルラースタジアム那覇(沖縄県那覇市)でソフトバンクと対戦する。西武は春季キャンプを宮崎、高知で行っているので、沖縄と直接的な結びつきはない。しかし、主軸の山川穂高、多和田真三郎は沖縄出身。強い結びつきがある選手が在籍しているのだ。

定番化しているヤクルトの松山、DeNAの新潟


 地方開催では定番となっている球場もある。ヤクルトは2004年からの秋季キャンプ地・坊っちゃんスタジアム(愛媛県松山市)で、2005年から欠かさずに試合を行っている。毎年、2連戦、3連戦が組まれていたが、今シーズンは1試合のみとなった。来シーズン以降が気になるところだ。

 DeNAの新潟開催もそうだ。2016年からDeNAは地方開催の試合数を大きく減らし、本拠地・横浜スタジアムでの試合を増やした。しかし、南場智子オーナーのお膝元である新潟のHARD OFF ECOスタジアム(新潟県新潟市)だけは開催し続けている。2016年から今シーズンまでの4年間で地方開催は新潟開催のみとなっており、「DeNAの地方開催=新潟」が定着している。

 ほかでは西武の前橋開催(群馬県前橋市)、阪神の倉敷開催(岡山県倉敷市)も定番と言っていいだろう。

ソフトバンクは鷹の祭典を地方開催で行う


 球団の人気イベントを地方開催で行うこともある。ソフトバンクの「鷹の祭典」がそうだ。今年もヤフオク!ドームだけでなく、北九州市民球場(福岡県北九州市)、東京ドーム、京セラドームで開催される。ただ東京ドームは巨人、京セラドームはオリックスの本拠地であり、地方球場とは言えない。

 しかし、収容人数20,000ほどの北九州市民球場は、両ドームと比べると明らかにキャパは小さい。それでも人気イベントを開催するということは、ソフトバンクが地元・福岡に力を入れている証拠だ。数年後には福岡のお隣の熊本県熊本市にある藤崎台県営野球場などでも同様のイベントが行われるかもしれない。つねに新しい取り組みを行うソフトバンクのイベントに注目したい。

 ここまでは今シーズンの主な地方開催を取り上げたが、プロ野球の公式戦を行うことは決して簡単ではない。

 まず、地方開催においてネックの一つとなるのが、スタジアム環境だ。プロ野球公式戦を行うためには、ナイター照明や座席数が整っていなければならない。また、周辺の交通網の整備具合も重要になってくる。地方開催が行われるスタジアムはほとんどが最寄りの駅から離れており、都市部の球場のように徒歩で向かうのには少しハードルが高い。そのため、多くの球場で試合当日に限りシャトルバスが運行される場合が多い。

 日常的に試合が行われる本拠地と違い、設備に大規模な投資をできる球場(地域)は多くない。もちろん、それを乗り越えても集客の見込みが立たなければ、試合を開催するには至らない。そういったいくつものハードルを乗り越えて地方開催が行われているのである。

 普段とは違った雰囲気で行われる地方開催。その裏にはたくさんの努力があることも知っておきたい。

2019年 プロ野球地方開催試合一覧

▼4月
4/9 西武-楽天 県営大宮
4/9 ソフトバンク-日本ハム 長崎
4/16 巨人-広島 鹿児島
4/16 ヤクルト-阪神 松山
4/17 巨人-広島 熊本

▼5月
5/8 DeNA-巨人 新潟
5/8 西武-ロッテ 前橋
5/9 西武-ロッテ 県営大宮
5/14 ソフトバンク-西武 北九州
5/18 ソフトバンク-日本ハム 熊本
5/19 ソフトバンク-日本ハム 鹿児島
5/21 巨人-DeNA ひたちなか
5/21 広島-中日 三次
5/21、22 西武-ソフトバンク 那覇
5/28 中日-DeNA 岐阜
5/28 楽天-西武 盛岡
5/29 楽天-西武 弘前

▼6月
6/11 楽天-ヤクルト 郡山
6/18 阪神-楽天 倉敷
6/29、30 ヤクルト-巨人 秋田

▼7月
7/5 中日-ヤクルト 浜松
7/8 楽天-オリックス 山形市
7/15 ヤクルト-巨人 長野
7/17 中日-阪神 豊橋
7/17 ソフトバンク-日本ハム 北九州
7/25 巨人-ヤクルト 岐阜

▼8月
8/8 日本ハム-オリックス 旭川
8/8 西武-楽天 県営大宮
8/27、28 日本ハム-西武 釧路
8/27、28 オリックス-ソフトバンク 京都
8/29 日本ハム-西武 帯広

▼9月
9/3 巨人-中日 新潟
9/4 巨人-中日 前橋
9/16 日本ハム-ソフトバンク 旭川

文=勝田聡(かつた・さとし)

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方