週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

今季最速!今シーズンの球団別“戦犯”候補(セ・リーグ編)

 プロ野球のシーズンも後半戦。ここからリーグ優勝、クライマックスシリーズ出場に向けて、各チームが抜け出し、巻き返しを図りたいところ。

 特にセ・リーグはどこが抜け出してもおかしくない大接戦。気温とともに戦いの熱もどんどん高まってくるだろう。

 しかし、全球団に優勝の可能性があるということは、どこが沈んでもおかしくないということだ。

 そこで今回、もし各球団が明暗の「暗」となったとき、“戦犯”に挙げられそうな不調選手をピックアップした。今のところは輝けていない選手たちだが、彼らが復調すればチームの優勝がグンと近付くはずだ!

【巨人】
・内海哲也


 2011年に18勝、2012年に15勝を挙げ、2年連続で最多勝に輝いたエース左腕の内海が去年に引き続き、大きく出遅れている。

 オープン戦で左前腕部を故障すると、開幕2軍スタートが決定。6月のソフトバンク戦で復帰したものの、3回1/3を5失点で二軍再調整となり、7月27日の時点で未だ勝ち星を挙げていない。

 前年は7月まで不調で1勝だったが、その後、8〜9月に6勝を挙げ、後半戦のチームを牽引した内海。今年もそろそろ1軍で結果を残したいところ。もしチームが優勝を逃せば、口うるさい巨人OBたちが「内海がしっかりしていれば……」とメディアにこぼすことは必至だ。


・マシソン

 7月27日時点で19ホールド、防御率2.37と数字上ではまずまずの好成績を残している中継ぎエースのマシソンだが、今年は大事なところで打たれる「ここ一番の弱さ」を見せ、すでに5敗。

 原辰徳監督もしばしば歯に衣着せぬ苦言を呈しており、今後、大一番で炎上することがあれば、一気に戦犯へと躍り出る可能性を秘めている。今シーズンは弱気なコメントも多く、精神面での疲れが見えるのも不安だ。

・村田修一

 昨年に引き続き、復調の気配が乏しい村田。昨年はチームワーストの22併殺打を記録しながらも、かろうじて21本塁打が救いだったが、今年はここまで5本塁打。規定打席未満にも関わらず、チームワーストの9併殺打と全てが悪い方向に向かっている。

 6月21日の中日戦では、2点ビハインドの7回裏無死二、三塁の場面で代打を出される屈辱も。一部のファンからは「もはや守備の人」との声も聞かれるが、何とか打撃を持ち直したいところだ。

【阪神】
・能見篤史


 昨年は9勝13敗、防御率3.99と奮わなかった能見だが、今年もすでにリーグワーストの9敗(7勝)、防御率3.74と復調の気配が見えない。

 メッセンジャー、藤浪晋太郎の奮闘もあり何とか持ちこたえているが、優勝には能見の復調は必須。昨シーズンはクライマックスシリーズで少し持ち直したが、今年は早めに本来のピッチングを見せてほしい。

・中堅野手陣

 阪神特有の「若そうに見えてアラサーの小粒な野手陣」が今年はそろって不調だ。

 昨シーズン、レギュラーをつかんだ大和(28)は極度の打撃不振で代走・守備固め要員に。新井良太(32)も打率1割台。今成亮太(28)や伊藤隼太(26)もレギュラーの座を掴みきれず、柴田講平(29)は2軍落ち。

 かろうじて、レギュラーとして出場している上本博紀(29)も攻守ともに不安定で、まずいエラーもちらほら……。

 ここからスクラムを組んで巻き返せなければ、全員まとめて戦犯間違いなし!?
※カッコ内は年齢

【広島】
・緒方孝市監督


 これといって戦犯候補が見当たらない広島。成績を見ても329得点287失点(7月27日時点)で、セ・リーグトップの得失点差だ。

 確かに一岡竜司、野村祐輔の不調や、今村猛、栗原健太、堂林翔太の復調の目処が立たないなどの問題もあるが、これはある程度は想定内。

 黒田博樹や新外国人のジョンソン、ザガースキーの加入もあり、戦力的には充実しているはずだが、なぜか借金5という不思議現象。

 これでは「采配に責任アリ」ということになっても仕方がない。歯車をうまく噛み合わせられるか。1年目の緒方監督の手腕次第で明暗が分かれそうだ。

【中日】
・谷繁元信監督&落合博満GM


 混セの中から下に抜けてしまいそうな不安感のある中日。不動のストッパー・岩瀬仁紀が今季未だ登板なし、福谷浩司、又吉克樹らリリーフ陣の成績がやや低下するなどの問題もあるが、これはある程度、予想できたもの。

 岩瀬は昨年ピリッとせず、福谷、又吉もそれぞれフル回転で、疲労が越年することは想定できたはず。それでも、エース・大野雄大がひと回り大きくなるなり、各選手も及第点といえる働きを見せている。

 得点差も305得点328失点で大きなマイナスは出しておらず、これで2ケタの借金を作ってしまうのは、やはり采配に疑問アリとなるだろう。

 野手陣も一同に得点圏打率が気になる状態で、勝負弱さがある。特に正捕手格の松井雅人は打率.135と流れを止めてしまっているが、これも昨年比では想定内。

 補強が小粒だった分、このまま失速してしまえば、中日ファンから編成への不満が噴出するだろう。広島と同様、ここから勝負強さを見せ、投打をうまく噛み合わせることがカギとなる。

【DeNA】
・ロペス


 近年の不甲斐なさが抜け、今年は躍動するDeNA。各選手が成績を伸ばし、新戦力も芽を出している。

 しかし、交流戦終盤からの12連敗は大きな痛手。野手陣が軒並みチャンスで打てなくなり、策の少なさがうかがえる。

 なかでも新戦力のロペスは打率.276、15本塁打と一見、結果を示しているようだが、得点圏打率はなんと.188。打点も39しか挙げておらず、暗黒時代を思い出すマニアックな成績に……。

 筒香嘉智も交流戦ではチャンスを潰しまくったが、こちらは日本人主砲であり聖域。得点圏打率もシーズン通しては.333で、叩く要素にはならないだろう。

 と、なるとやはりやり玉に挙がりそうなのは、5番なのに勝負弱いロペスとなってくる。ここからの上昇、悲願の優勝への大きなキーマンとなってきそうだ。

・岡島秀樹&高橋尚成

 メジャー帰りの2人が結果を残せていないのも気になるところ。ソフトバンクから加入した岡島は2登板で、うち1試合は満塁弾を被弾。?橋尚もわずか1登板で復調気配なし。
 岡島39歳、高橋尚40歳。アラフォーに多くを求めるのは酷だが、ベテランらしい最低限の働きはほしいところ。

 特に岡島はソフトバンクを自由契約になったとき、ファンから「なぜ切るんだ!」と怒りと疑問の声があがっていたが、このままではソフトバンク首脳陣&フロントを見返すことはできない。

 秋に最前線でカムバックして、期待外れの評価を覆したい。

【ヤクルト】
・成瀬善久&大引啓次


 7月27日時点で首位に立ち、昨年に引き続き、強力打線を築いているヤクルト。投手陣も立て直しに成功し、優勝への機運は熟してきたが、成瀬と大引のFA移籍組が微妙な成績だ。

 成瀬は3勝8敗、防御率4.52で阪神・能見と敗戦数ワーストを競う状態。大引も不調・故障で出遅れており、出場は47試合に留まっている。

 特に成瀬の不調は厳しい状態で、「出て行かないで!」と悲痛な叫びを上げていたロッテファンも今はダンマリ。内心ホッとしているのが実情だ。

 オフの補強時点では「もっとも成功した」といわれたヤクルトだが、予想とは裏腹に現有戦力の頑張りが効いている。

 左大腿直筋肉離れで手術を受け、米国でリハビリ中のバレンティンも8月中には復帰予定。合わせてFA組の復調で「優勝」の二文字を大きくたぐり寄せたい。

(文=落合初春)

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方