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【今夏最注目の3選手・まだ見てない、じゃ済まされない!】2013夏の高校野球ドラフト候補名鑑

【今夏最注目の3選手・まだ見てない、じゃ済まされない!】2013夏の高校野球ドラフト候補名鑑
灼熱のスタンドをさらに熱くさせる逸材をピックアップ!

松井 裕樹 Yuki Matsui
桐光学園(神奈川・3年)
投手/174cm74kg/左投左打
・プロ注目度…A
・体のキレ……A
・伸びしろ……B+
・頭脳…………B
・将来性………B+


☆高校野球の歴史に残るスター左腕
2013年高校野球界での注目を一身に浴びながら、それでも変わらず進化し続けてきた奪三振マシン。「チェンジアップが加わってさらにやっかい」とライバル校の指導者が口を揃える。昨夏の甲子園で、「松井=スライダー」のイメージが強くなったが、今春は空振りを取りにいくワンバウンドのスライダーを封印。そこで練習を重ねてきたのがチェンジアップだ。腕を振って投げるから、打者はタイミングがまったく合わない。春の公式戦8試合で一度も芯でとらえられなかった。スライダーだけではないのが今の松井だ。気になるのは、左打者に対してインコースに1球も投げていないこと。「左の内へのストレート、チェンジアップが夏へのテーマ」と口にしている。

<取材中の顔>
2年秋まではボソボソと喋り、目はキョロキョロ。堂々としたマウンドとは対照的な取材対応だった。それが、この春は自分の言葉でしっかりと伝えようとする姿が。大きな成長。

<プロでこんな選手に!>
杉内俊哉(巨人)
<最大の武器>
圧倒的な三振奪取率の高さ
<克服したい課題>
左打者の内角への制球
<松井伝説>
今春4回戦で横浜と対戦。来年のドラフト候補・高濱祐仁の第1打席、インコースに投じたスライダーで空振りを奪うと、ボールはそのまま高濱の体に当たった。恐ろしい切れ味。

<ベテランスカウトの眼>
<中田宗男スカウト部長(中日)>
プロでも武器にできる変化球

 真っすぐはもちろん、プロで武器にできる変化球がある。カーブは一度浮き上がってから曲がり込んでくる。スライダーは打者からすれば本当に消える球筋。「真っすぐと同じ腕の振り」ではなく、真っすぐ以上の腕の振りとボディーアクション。あれだけ体を使って右の外にチェンジアップも。感覚を完全につかんでいる。本物です。

<鳥原公二チーフスカウト(ヤクルト)>
ドラフトでの重複1位指名は濃厚

 複数球団がドラフト1位で指名するでしょう。チェンジアップを覚えて、またレベルアップしました。特徴は、ストレートと変化球を同じ腕の振りで投げられること。スライダーはプロの打者でも、なかなか見極めがつかないのでは。高卒で体が小さい投手が活躍したイメージがあまりないのですが、気になるのはそこだけです。

安樂 智大 Tomohiro Anraku
済美(愛媛・2年)
投手/186cm85kg/右投左打
・プロ注目度…A
・体のキレ……B
・伸びしろ……B+
・頭脳…………A
・将来性………A

☆鉄腕ぶりで話題さらった2年生右腕
センバツで772球を投げ切った伊予の怪腕。スカウト陣が野茂英雄(元ドジャースほか)、江川卓(元巨人)、尾崎行雄(元東映)の名前まで出してその凄さを語った今春。センバツ後は“連投問題”が大きな議論を生んだが、当の本人はどこ吹く風のたくましさ。見ていても少々のことで不安を感じないのは、超高校級の内面を持っているから。とにかく意識が高く貪欲で、吸収力、対応力も十分。投球練習を見ていても投球の前後、合間には入念なストレッチを入れる。筋肉を決して硬くさせない意識の表れで、会話の中身も含め、とにかく意識が高い。150キロも凄いが、何より成功する投手のメンタルを高校2年生の時点ですでに備えている点こそ、最大の強みだ。

<取材中の顔>
語れる男だ。センバツ後も各方面からの取材が続き、今回の取材も時間は長く取れなかったが、安樂の言葉数の多さと、的確な表現力に救われた。それも普段の高い意識があってこそ。

<プロでこんな選手に!>
野茂英雄(元ドジャースほか)
<最大の武器>
尽きぬ向上心
<克服したい課題>
軸足の使い方
<安樂伝説>
2年春にして152キロ。5試合46イニングで772球を投げ抜いたセンバツそのものが、伝説としてこの先も語り継がれるだろう。ただ、それも安樂伝説の序章。さらなる驚きはここから。

<ベテランスカウトの眼>
<中田宗男スカウト部長(中日)>
野茂を思い出した春の快投

 甲子園の投球を見ながら野茂を思い出しました。野茂の素晴らしさは、あの体にしてゴムまりのように柔らかい筋肉があったこと。それが爆発力にもつながったのですが、通じるものを感じます。まだ2年生。上体が沈むフォームも体ができてどうなっていくのか。右打者のアウトローに球を引っ張ってこられるようになった時が楽しみ。

<鳥原公二チーフスカウト(ヤクルト)>
馬力型の今後の推移が楽しみ

 2年生にしてあの体で、あれだけのストレートを放っている。どちらかというと馬力型のピッチャーですね。プロが好むのはしなやかで柔らかいピッチャーですが、投手陣の中で1割は馬力型のピッチャーが欲しいもの。来年どう変わってくるかじっくりと見たいです。順調に成長すれば、ドラフト1位候補に入ってくるでしょう。

森 友哉 Tomoya Mori
大阪桐蔭(大阪・3年)
捕手/170cm80kg/右投左打
・プロ注目度…A
・体のキレ……B+
・伸びしろ……B+
・頭脳…………B
・将来性………B+

☆小柄でも屈指の打撃技術誇る捕手
ミートセンスにかけては、大阪桐蔭歴代トップクラスのバットマン。見れば見るほど170センチという身長の低さこそ、今の打撃を可能にしていると思えるようになってきた。さらに長くない足を軽く折って重心を下げ、構えた時の目線が球をとらえるまで上下にぶれない。「最後まで目線の高さが一定」と言っても厳密には動いている選手がほとんどの中、限りなくその上下動がない。驚異のミート力につながる基本中の基本だろう。また、バットを長く使い、ヘッドを利かせて飛ばす技術には全盛期の小笠原道大(巨人)を思い出す。小笠原は打を生かすためプロ入り後、捕手から内野手へコンバートされたが、森はどうなっていくのだろう。大きな注目ポイントだ。

<取材中の顔>
森取材を振り返り、話が膨らんだ! と思った経験があまりない。打撃についていつも探ろうと迫るが本人はだいたい「あんまり考えてないないので…」。感覚派、天才肌…ということか。

<プロでこんな選手に!>
小笠原道大(巨人)
<最大の武器>
安定目線とヘッド使い
<克服したい課題>
投手心理つかんだリード
<森伝説>
打撃のルーツは幼少期に毎晩、父と行ったティー打撃にある。緩急をつけ、コースをランダムに上げる父のトスを打つ中で自然に反応、対応力が磨かれた。イチロー(マリナーズ)を思い出す逸話だ。

<ベテランスカウトの眼>
<中田宗男スカウト部長(中日)>
上背気にならない打撃技術

 打ち損なった打席が記憶にない。軸回転がしっかり身につき、対応できるポイントが広い。ここまでの技術があれば上背を気にすることもないでしょう。ただ、先を考えた時に、打撃を生かすために捕手以外のポジションを…と考えるのか、捕手をやってきたからこその打撃と考えるのか。このあたりが各球団の考え方になるでしょう。

<鳥原公二チーフスカウト(ヤクルト)>
木製バットでもすぐ対応可能

 バッティングはすぐに木製バットに対応できる技術を持っています。何よりいいのは広角に長打を打てること。パワーだけでなく、打ち分けるミート力を兼ね備えています。プロで長くやっていくには、個人的には内野、特にセカンドで鍛えたらどうかと思いますね。あれだけ打てますから、内野ができれば面白い野手になりますよ。

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