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【センバツ出場校紹介】横綱・大阪桐蔭を筆頭に、龍谷大平安や智辯学園など実力校揃いの近畿勢6校


大阪桐蔭(大阪・2年連続8回目)


西の横綱が今春も甲子園にやってくる。秋季近畿大会を制した大阪桐蔭。新チームも圧倒的な攻撃力を誇る。永廣知紀、吉澤一翔と旧チームからレギュラーを張る二人が主軸を担い、スラッガーとして確かな素質を持つ三井健右が後ろに控える。下位打線もハイレベルで、公式戦のチーム打率は4割に迫る。
投手も必見。才能あふれる左腕が集結した今大会において、その一番星に目されるのが高山優希(写真)だ。寒空の明治神宮大会、球速が出にくい気候でストレートが150キロを計測。カウントが取れる変化球も持ち、引き出しの豊富さも魅力を感じさせる。
昨年8月下旬に開催されたU18野球ワールドカップで、西谷浩一監督が日本代表チームを率いたため、数週間、チームを離れた。指揮官不在の中での活動となり、秋季大会への影響が心配されたが、結果的に個々に自覚が芽生え、プラスに作用する形となった。持ち前の技術に自主性が合わさり、常勝軍団はまた一つ階段を上った。


滋賀学園(滋賀・初出場)


センバツは初出場となる滋賀学園。秋季近畿大会で準優勝をおさめ、堂々の選出となった。
決して前評判が高くなかったが、彗星の如く現れたエース・神村月光が躍動。公式戦の防御率は1点台を記録するなど、報徳学園や龍谷大平安などの強豪を撃破する原動力となった。140キロを超えるストレートに、内野ゴロを誘うカットボールを駆使した投球で、球数を少なくしながらイニングを消化。試合全体の組み立てに工夫を凝らすことで、延長戦でも球威が落ちない投球を披露した。
スタメンの半分が4割打者である打線は、長打に頼らない手堅い攻撃で得点を狙う。主軸を任される松岡立樹の勝負強さに期待したい。
初出場で初戦敗退となった2009年夏以来の甲子園、まずは初勝利を目指す。

龍谷大平安(京都・4年連続40回目)


4年連続の出場となった龍谷大平安。強豪ひしめく近畿地区で安定感抜群の戦績を誇る。
旧チームで入学直後から出場機会が与えられた2年生外野手の岡田悠希、素質はかなりのものを感じさせる。内角の厳しい攻めに動じず、自分の間合いでボールを呼び込めるセンスが際立つ。三振の多さが目につくものの、迷いのないスイングで多くの長打を放つ。
投手陣は旧チームの高橋奎二(現ヤクルト)のような全国区のエースは不在。高い能力を持つ市岡奏馬が冬を越えて、どこまで成長したか。控え投手との継投もカギを握りそうだ。
公式戦の失策数が1と、手堅い守備で勝ち上がってきたチーム。投打に圧倒して優勝を果たした一昨年のチームとは違った一面を見せてくれるだろう。


明石商(兵庫・初出場)


春夏通じて初の甲子園出場となる明石商業。2007年から指揮を執る狭間善徳監督の指導の元、着実に力をつけてきた。
エース・吉高壯は小柄ながらも球質の重いストレートを武器に、公式戦防御率は0点台を叩き出した。また、長身で角度のついた投球が持ち味の山崎伊織は奪三振率の高さが魅力。他にも力のある選手が控えており、投手陣の充実度は出場校の中でもトップクラスだ。
打線はパワーと勝負強さが売りの4番・小西翔太にチャンスで回したいところ。その前を打つ橋本和起は選球眼に優れ、出塁率が高い。つなぎが上手くいけば、大量得点も期待できる。
初出場ではあるが、力は十分。投打に能力を発揮できれば、上位進出も見えてくる。


智辯学園(奈良・2年ぶり10回目)


才能豊かな選手が揃い、頂点を目指せる陣容が整った。秋季近畿大会8強の智辯学園は投打に軸を擁した前評判の高いチームに仕上がった。
一昨年、1年生ながら夏の甲子園のマウンドに立った村上頌樹はエースとして成長した姿を見せてくれるだろう。手元まで伸びるストレートに、打者のタイミングを外すチェンジアップを武器に、驚異的な奪三振率を誇る。スタミナも十分で、公式戦7試合登板で5完投と名実ともに投手の柱として君臨する。
打撃陣では2年生の太田英毅が面白い存在だ。秋の公式戦ですでに3本の本塁打を放ち、桁外れのパワーを数字で示す。また三塁打も多く、スピードも魅力だ。
新チーム移行後は、練習試合で無敗を続ける。近畿大会で大阪桐蔭に敗れたものの、それ以外の公式戦はほぼ圧倒的な戦いぶりを見せている。本番でその力を証明したい。

市和歌山(和歌山・11年ぶり5回目)


11年ぶりの出場を決めた市和歌山。秋季近畿大会では準々決勝で明石商にコールドで敗れ、選出が危ぶまれたものの、県大会では強豪・智辯和歌山を11-2と大差で勝利。地力は本物だ。
投手陣は2枚看板を形成。速球が武器の右腕・赤羽陸と制球に優れた左腕・栗栖拓巳。タイプの異なる投手の継投で相手打線に的を絞らせない。
一方、攻撃陣は長打は少ないが、1番から9番が堅実な打撃で、単打をつなぎ合わせていくスタイル。そこに犠打と盗塁を絶妙なタイミングで仕掛ける抜け目の無さで、着実に得点を重ねていく。
一昨年の夏の甲子園は初戦敗退。フィルダースチョイスでのサヨナラ負けは記憶に新しい。本番では信じられない出来事がしばしば起こる。下級生として、その恐ろしさを間近で見てきた彼らがどのようなプレーを見せてくれるか。必見だ。

文=長嶋英昭(ながしま・ひであき)
東京生まれ、千葉在住。小学校からの友人が、サッカーのU-18日本代表に選出されたことがキッカケで高校時代から学生スポーツにのめり込む。スポーツの現場に足を運びながら、日本各地の観光地を訪れることが最大の生きがい。現在はアマチュアカテゴリーを中心にスポーツ報道の仕事に携わっている。

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