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『プロ野球呪いのハンドブック』の歩き方〜オリックス・DeNA編

 好評発売中の『別冊野球太郎2014球春号〜プロ野球呪いのハンドブック』(発行・イマジニア株式会社ナックルボールスタジアム/発売・廣済堂出版)。このコーナーでは、本書を参考に、12球団の呪いポイントと解消ポイントを考察していく。今週は前年5位のオリックス・バファローズと横浜DeNAベイスターズ編──。

△2013年パ・リーグ5位:オリックスの応援ポイント▽

応援ポイントその1

復活なるか!?  T-岡田の奮起に期待!


 2010年の本塁打王獲得後、成績が下降線のT-岡田。この和製大砲が期待通りの活躍をしてくれていれば、昨季の順位も変わっていた可能性がある。というのも、昨季のオリックスはチーム得点、打率、出塁率、得点圏打率のいずれもリーグワーストだったからだ。本来であれば、T-岡田こそ「得点力」に貢献しなければならない立場なのに、ケガでわずか58試合の出場に終わってしまった。チーム防御率はリーグトップだっただけに、得点力不足が解消されれば、Aクラスも夢ではないのだ。

 そんな自身の置かれている立場を理解してか、今年のT-岡田は6キロ減量したスリムな体でキャンプに参加。紅白戦では12球団最速の実戦第1号を放ち、その後の練習試合やオープン戦でも好調を維持している。昨季の4番、李大浩が抜けただけに、ますますT-岡田の奮起に期待したい。


応援ポイントその2

駿太、4年目のブレイクを願う

 2010年のドラ1男も今年で4年目。昨季、自己最多の117試合に出場を果たした。高卒プロ入りといえども、1年目から開幕スタメンを勝ち取った能力と経験値的にも言い訳の許されない状況だけに、駿太がブレイクできるかどうかがチーム浮沈の鍵を握るだろう。

 駿太の課題、それは「打撃」なのは明白だ。昨季は打率.199。これではさすがにレギュラーは務まらない。また、代打起用でも昨季は14打数無安打。プロ入り後17打席ヒットなしと、これまた結果が出せていない。

 昨季のオリックスはクリーンナップ以外の打率、本塁打数がリーグワースト。駿太が起用されるだろう下位打線の打率が少しでも向上すれば、得点力不足の解消につながるはずだ。今キャンプでは連日特打をこなすなど、打撃力向上に励んだ駿太。「上州のイチロー」と呼ばれた男の真価が問われる1年だけに、ファンも最後まで諦めず声援を送ろう!




応援ポイントその3

祈・今年こそ「ドラ1の呪い」解消なるか!?

 上記した二人が奮起することで、オリックスにまつわる「ある呪い」も解消される。それが「高卒ドラフト1位の呪い」。過去には甲斐拓哉(東海大三高出身)、丹波将弥(岐阜城北高出身)、そして川口知哉(平安高出身)など、活躍できずに球界を去った選手は多い。さらには、新垣渚(現ソフトバンク)、内海哲也(現巨人)には高校時に入団拒否をされるなど、呪われているとしか思えない状況なのだ。

 それだけに、伸び悩んでいるかつての高卒ドラフト1位・T-岡田と駿太が活躍してくれれば、この忌まわしき呪いが解消され、今後入団してくる高卒選手も入団しやすくなるだろう。今後のドラフト戦略にもかかわってくると思えば、応援にもますます力が入るのではないだろうか。


△2013年セ・リーグ5位:DeNAの応援ポイント▽

応援ポイントその1

内角攻めに歓声を!

 「内角コース投球割合」という、他ではなかなかお目にかかれないデータがある。この数値において、DeNAはなんと3年連続でリーグ最低。チームの傾向として、内角をあまり攻めたがらないのだ。もちろん、外角勝負が投球術のセオリーとはいえ、要所要所でズバッと内角を突いて腰を引かせてこそ、外角球も効果を発揮するはずだ。

 内角を攻めないからか、DeNA投手陣は“ゴロを打たせた割合”もリーグで最も低かった。決して広くはない横浜スタジアムだけに、ゴロに対しての意識はなんとしても改善したいところ。ファンが内角攻めにもっと賞賛の声を送り、外に外れたボールにはブーイングをするくらいしなければ、選手の意識は変わらないだろう。


応援ポイントその2

加賀繁の確変に期待!

 6年振りに最下位を脱出したとはいえ、8年連続でBクラスを継続中。悲願のAクラス入りのためには、とにもかくにも投手陣の再整備が急務となる。阪神からFAで久保康友を、アメリカ帰りの尚成(?橋尚成)を獲得したとはいえ、先発の駒は何枚あっても多すぎることはない。そこで期待がかかるのが、中継ぎから先発への転向を模索中の加賀繁だ。オープン戦初戦となる巨人戦の先発に抜擢されると、1日に行われた中日とのオープン戦でも先発。4回を3安打無失点に抑えるなど、ここまでまずまずの成績を残している。



 加賀の課題がとにもかくにも左打者。昨年の左右別の対戦打率が、右打者は2割4分と抑えたが、左打者には4割8分4厘と打ち込まれている。投球の幅を広げるために新たに習得したカーブが功を奏するのか、大いに注目したい。

 加賀に関してはもうひとつ、注目すべきデータがある。シーズン60本塁打男、ヤクルトの主砲・バレンティンを完璧に抑えているのだ。2012年、13年に計16回対戦し、一度もヒットを打たれていない。10打席以上対戦があって、無安打に抑えているのは球界で加賀だけ。今季もこの相性の良さを継続できるのか!? 期待して見守りたい。


応援ポイントその3

夏のハマスタに応援に行こう!

 1年間通して好調を維持できるチームはなかなか存在しない。どのチームにも、得意な季節と苦手な季節があるものだが、そこを踏ん張るチームが上位に残るのもまた事実だ。DeNAにとって鬼門は夏。昨季の8月、なんと投手項目の全てにおいてリーグワーストを記録してしまったのだ。その結果、8月の月間勝率は.333で、3位争いから置いて行かれてしまった。

 また、2010年に清水直行が10勝を挙げたのを最後に、過去3年連続で2ケタ勝利が出ていないDeNA投手陣。それもこれも、夏場以降の「ガス欠」が起因しているだろう。選手にとってのガソリンは何と言ってもファンの声援。今年の夏はハマスタでビール片手に声援を送ってみてはいかがだろうか。



■ライター・プロフィール
オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。また「幻冬舎WEBマガジン」で実況アナウンサーへのインタビュー企画を連載するなど、各種媒体にもインタビュー記事を寄稿している。ツイッター/@oguman1977

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