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失うものは何もない。年棒800万の苦労人・桑原謙太朗(阪神)が覚醒。16試合連続無失点をマーク!

年棒800万の苦労人・桑原謙太朗(阪神)が覚醒。16試合連続無失点をマーク!

 5月21日、神宮球場で行われたヤクルト対阪神。5回裏に追加点を奪われ、なお1死一塁という場面で登板した桑原謙太朗(阪神)は、バレンティンを空振り三振、今浪隆博をセカンドゴロに抑え、ピンチを断ち切った。

 続く6回裏も三者凡退に抑えると、7回表、阪神はルーキ(ヤクルト)の敬遠暴投という「アシスト」もあり、3点を挙げ逆転。そのまま岩崎優、マテオ、ドリスとつないで逃げ切った。

 2番手の桑原に3勝目がつくと同時に、このイニングまたぎの好投で、桑原の防御率は0.93と0点台に突入した。

昨年までこれといった実績なし


 津田学園高から奈良産業大という決して有名どころではないチームを経て、2007年秋のドラフト3位で横浜に入団した桑原。ルーキーイヤーこそ初先発初完封を含む3勝を挙げたものの、その後はなかなか結果が出ず、在籍3年間でオリックスへトレード。

 オリックスでも4年間で22試合に登板し未勝利と目立った実績はなし。2度目のトレードで移籍した阪神でも、2015年、昨季とファーム暮らしが大半だった。しかも、昨季は初めての1軍登板ゼロ。完全に崖っぷち状態で今季を迎えた。


コントロールも安定


 ところが今季は、オープン戦8試合で7回2/3を投げ1失点。打者29人に対して4安打と好投を続け、開幕1軍入りを果たす。シーズンに入っても、登板するたびに好投。最初の3試合こそ2回1/3で2失点と不安定な場面もあったが、4試合目の登板(4月5日、ヤクルト戦)から、冒頭で紹介した19試合目の登板(5月21日、ヤクルト戦)まで、16試合連続無失点を継続した。

 桑原の武器は、150キロ前後の球速ながら打者の手元で小さく変化するストレート。いわゆる「真っスラ」だ。素直な球筋のストレートはほとんどない。それと、横滑りするようなスライダー。かつては四球禍にも苦しんだが、今季は19試合で与四球3個と、コントロールも安定している。

意気に感じて夏場も乗り切れるか


 今季の推定年俸は800万円。1軍の最低年俸のおよそ半額強ということからも、球団は桑原をバリバリの1軍戦力とは見ていなかったといえる。年齢的にも、いつ戦力外になってもおかしくない状況だった。

 だからこそ、大事な場面で起用され続けている今を、誰よりも意気に感じているはずだ。

 このままフル回転が続けば、夏場に向けて心身ともに疲労の蓄積が懸念される。また、他球団の分析も進むだろう。ただ、もうなにも失うものがないという強みもある。桑原の今後のパフォーマンスに注目したい。

(成績は5月22日現在)


文=藤山剣(ふじやま・けん)

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