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《2016ドラフト会心の指名》日本ハム育成システムの真髄を見た! 2位・石井一成=岡大海とは?


 歓声やどよめきに包まれながら終了した今年のドラフト会議。

 順当な指名、サプライズ指名に沸くなか、ひいき球団の指名選手、ライバル球団の指名選手に、いろいろと思うことがあったのではないだろうか?

 週刊野球太郎では、今週から4週・全8回に渡って、週刊野球太郎編集部とライター陣が、「よくぞ指名した!」と考える「会心の指名選手」を紹介していく特集を連載。

 名づけて「野球太郎ライター大推薦! 俺たちのドラフト会心の指名」。

 第4回となる今回は、ライター・勝田聡氏による「会心の指名」を以下に紹介しよう。

「会心の指名」は日本ハム2位・石井一成!


 日本シリーズも終わり本格的にオフシーズンに入ったプロ野球。余韻に浸る前に時間を少し日本シリーズの前へ巻き戻し、ドラフト会議を振り返りたい。

 筆者は日本ハムのファンではないが、先日のドラフトで「会心」と呼ぶにふさわしかった指名は、日本ハムの2位指名・石井一成(早稲田大)と考える。

 単純に「即戦力」や「3年後の戦力」といった意味ではなく、日本ハムが今年この順位だからこその会心の指名なのだ。そう感じる理由を紹介しよう。


日本ハムが最近指名した大学生野手は?


 日本ハムが大学生野手を上位指名するのは珍しい。最近だと2013年のドラフト3位・岡大海(明治大)のみで、野手の指名は高校生ばかりだった。岡以前の大学生野手の上位指名となると、加藤政義(2009年ドラフト3位・九州国際大)、大野奨太(2008年ドラフト2位・東洋大)、木元邦之(2000年ドラフト2位・龍谷大)まで遡る。

 それだけに、日本ハムが大卒野手をドラフト2位で指名したことに筆者は驚きを隠せなかった。2位で指名するのは即戦力型の投手と予想していたからだ。しかし、ドラフト中継が終わり頭を整理すると「あぁなるほど」と納得。これが「会心の指名」だと確信するまでにそう時間はかからなかった。

内野の備えとして


 まず、今シーズンの内野事情を見てみよう。一塁が中田翔、二塁が田中賢介、三塁がレアード、遊撃が中島卓也とほぼ固定されていた。全選手がケガなくシーズンを乗り切れたことが日本一につながったのは間違いない。しかし、ケガ人が発生した際のバックアップを考えると心許ないのは確かだった。

 バックアップとして抜群の守備を見せていた飯山裕志はシーズン序盤に故障でリタイア。より一層、「内野の備え」への不安が募ったに違いない。

 しかし、来シーズンは石井一がいることで三遊間のバックアップはカバーできる。田中に万が一のことがあれば、二塁に中島か石井が回る。

 2017年は「内野の備え」として石井一を起用しながら成長を促すことができるのだ。


若手組との競争相手として


 今シーズンの田中は二塁で142試合に先発出場した。しかし、来シーズンで36歳を迎える。フルシーズンを二塁で戦うのは厳しくなってくる年齢だ。

 石井一をバックアップとして起用しつつ、中島を二塁にコンバートし、2年後には中島、石井の二遊間構想を描くことができる。あるいは石井を二塁にコンバートするかもしれない。

 二遊間の候補としてファームには太田賢吾、渡辺諒、平沼翔太といった高卒組が控えているのは事実だ。

 しかし、大学生野手の石井一をドラフトで獲得したということは、1年目から1軍で起用しつつ、ほかの選手と競わせる方針を取ったということだろう。内外野とポジションは違えども、岡が外野(ドラフト指名は内野だったが)で1年目から起用され高卒組と競い合っているのと同じイメージだ。


3年後の主軸として


 2020年の開幕時には田中は引退、もしくは控えとなり、レギュラーを張っていることはないだろう。そして、中島はFAを取得するかどうかという年齢になる。石井一はそのときのための二遊間の主軸候補なのだ。

 まさに、これと同じ現象が外野で起きている。陽岱鋼がFA流出と噂されているところへ大卒の岡、そして高卒の谷口、西川、杉谷、淺間と有望株が出番を争い、1軍、2軍でしのぎを削っている。陽が流出しても、戦力ダウンは最小限に食い止める。岡はそのための2013年ドラフト上位指名だったはずだ。

 主力のFA流出、衰えによる引退に備えた日本ハムの長期的育成システムの一端が見えた気がする。岡をドラフトで獲得し3年で育て、4年目からレギュラーとして活躍してもらう。その再現を石井で見られることを期待したい。

 その「答え合わせ」は2020年シーズンだ。


文=勝田 聡(かつた さとし)

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