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【徹底解剖! 柳田悠岐はここがスゴい!?】20歳過ぎて大砲となった中距離ヒッターの今とこれから

文=藤山剣

【徹底解剖! 柳田悠岐はここがスゴい!?】20歳過ぎて大砲となった中距離ヒッターの今とこれから
 2015年にトリプルスリーを達成したこともあって、柳田悠岐(ソフトバンク)が「すごい選手」であることは、すでに野球ファンの間に浸透しているだろう。あらためてその魅力、凄み、稀有なキャラクターを2回にわたって紐解いてみたい。後編となる今回は、柳田の打撃の本質に迫る。

(成績は8月22日終了時点)

実は中距離ヒッター?


「ボールをいちばん遠くに飛ばせるのは誰なんだ?」

「柳田です」

 2010年秋のドラフト会場、ソフトバンクの王貞治球団会長の問いかけに応えたこのスカウト陣の一言で、柳田悠岐を2位指名したエピソードは広く知られている。

 ということは、学生時代にはさぞやホームランを量産していたのかと思いきや、これがそうでもない。広島商では高校通算11本塁打。広島経済大でも、広島六大学リーグの82試合に出場し、8本塁打。非公式試合を入れても20本に届いていない。しかし、大学時代の公式戦での通算打率は.428。この数字は、優秀な中距離打者のそれだ。

 ただ、その8本塁打はすべて3、4年時に記録したもの。20歳を過ぎたあたりから長距離砲としての資質が徐々に覚醒し、その点にソフトバンクのスカウト陣は注目したのだろう。

 プロ入りしてからも、規定打席に到達した2014年以降、打率はすべて3割を超えているが、本塁打数は15、34、18、31と、一流のホームランバッターの目安と言える30本塁打を毎年クリアしているわけではない。

 “本拠地”は中距離タイプで、そこからの陣地拡大により本塁打も生み出しているというのが柳田の打者としての本質なのかもしれない。

今季は首位打者濃厚!?


 今季のパ・リーグ首位打者争いをリードする柳田。打率.350は、続く近藤健介(日本ハム)の.328、秋山翔吾(西武)の.325を大きく引き離している。打率は変動しやすいのでまだ楽観視できないが、トリプルスリーを達成した2015年以来2度目となる首位打者獲得の可能性は、かなり高そうだ。

 ただ、他の打撃部門ではトップに立ってはいない。本塁打は2位(26本)、打点は4位(75打点)、安打数(128安打)は3位。他は、出塁率2位(.426)、得点圏打率2位(.388)、盗塁が8位(19個)といったところ。それでも、全体的にはリーグ上位の成績を残しているのはさすがだ。

盗塁や四球は減っている


 盗塁は、2014年が33個、2015年が32個を記録しているが、近年は首や足に故障がたびたび発生している影響もあって、無理をしていない印象を受ける。

 また、ここ3年間はリーグ最多だった四球数が、今季はここまで9位タイの48。77四球でリーグトップの西川遥輝(日本ハム)の3分の2ほどとなっている。しかし、選球眼が悪くなったわけではなく、早いカウントから振っていく傾向が強まったことに由来する。積極的な打撃により、四球は減ったものの、打率は昨季(.310)より大幅アップ。その点はプラスと見ていいのではないか。

3年契約終了後の進路は!?


 そして、気になるのが柳田の今後だ。すでに今年の8月10日に国内FA資格を満たし、順調なら2020年には海外FA権まで取得可能となるが、昨年末に2020年までの3年契約(単年5.5億円+出来高。金額は推定)を結んでおり、周辺が騒がしくなるのは、東京オリンピックが終わったあたりからになりそう。

 これまでの言動などから、2020年オフ以降は1:ソフトバンク残留、2:幼少期からのファンを公言している地元・広島への移籍、3:メジャー挑戦、といった選択肢が考えられる。条件をクリアするための調整は必要だろうが、どれも本人が望めば実現する可能性は高そうな進路だ。こればかりは、想像しながら2年後を待つしかない。

 「2020年シーズン後にメジャー挑戦→数年後に広島へ」というルートが「柳田伝説」のエンディングとしては鮮やかな気もするが、果たしてどうなる!?

文=藤山剣(ふじやま・けん)

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