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三振、ボークの歴代1位は誰?プロ野球界になぜか残る“不名誉”な最高記録

文=落合初春

世界の盗塁王でありながら、盗塁刺王でもある福本豊は
 NPBが集計している歴代最高記録には本塁打、打点、勝利数などのほかに盗塁刺、三振、併殺打、敗戦数などの不名誉な記録もある。

 それらは出場数など、さまざまな要因が絡みあった結果がもたらすものだが、記録は記録。かえって名誉なことも多々ある。通算不名誉記録を見てみよう。

盗塁刺


1位:福本豊(元阪急)/299回
2位:高橋慶彦(元広島ほか)/206回
3位:柴田勲(元巨人)/193回

 盗塁失敗王は「世界の盗塁王」こと福本豊(元阪急)。相手バッテリーの強烈なマークのなかで299回刺されながら、1065個の盗塁を成功させている。同じく2位の高橋慶彦(元広島ほか)、3位の柴田勲(元巨人)はそれぞれ盗塁数でも上位にランクイン。猛警戒される俊足ゆえ、そして長い期間、衰えぬ脚力を見せたゆえの栄えある“不名誉記録”だ。

三振


1位:清原和博(元西武ほか)/1955三振
2位:谷繁元信(元中日ほか)/1838三振
3位:山崎武司(元中日ほか)/1715三振

 この記録は三振をも恐れぬパワーヒッターの証。多くの三振を喫するするには、出場数、三振しても許されるだけの長打力、三振を恐れない度胸が必要。ちなみに現役では新井貴浩(広島)が1667三振で7位にランクイン。あと36三振で5位のアニキ、阪神・金本知憲監督に追いつく。

併殺打


1位:野村克也(元南海ほか)/378個
2位:衣笠祥雄(元広島)/267個
3位:大杉勝男(元ヤクルトほか)/266個

 ゲッツー献上のぶっちぎりは野村克也(元南海ほか)。ただし、歴代最多の11970打席に立った結果のこと。併殺打はスラッガーの役割を長い期間任された者だけがランクインを許される名誉な不名誉記録だ。意外なのは衣笠祥雄(元広島)。通算266盗塁で盗塁王も獲得しているが、常にフルスイングで速い打球が多く、不運な併殺打を量産した。

失策


1位:白石勝巳(元広島ほか)/646失策
2位:木塚忠助(元南海ほか)/421失策
3位:豊田泰光(元西鉄ほか)/370失策

 失策数トップは広島の黎明期を支えた白石勝巳。実はここに名を連ねた選手は守備に定評があったが、彼らが活躍した当時のグラウンドはボコボコでグラブも粗悪。エラー判定も厳しく、打球が追いつけたがゆえに記録されたエラーが多かった。2000年代にプレーした選手では歴代52位、208失策の野村謙二郎(元広島)が最上位。

敗戦数


1位:金田正一:(元国鉄ほか)/298敗(400勝)
2位:米田哲也:(元近鉄ほか)/285敗(350勝)
3位:梶本隆夫:(元阪急)/255敗(254勝)

 勝ち負けの世界に生きるプロ野球選手。1位の金田正一(元国鉄ほか)、2位の米田哲也(元近鉄ほか)は歴代勝利数でも同じ順位だ。

 3位の梶本隆夫は、勝利数は歴代9位で負け越し。1954年に阪急に入団。当時の阪急は「灰色の時代」といわれた弱小球団で通算防御率2.98ながら負けが嵩んだ。「仏」と呼ばれた人柄で、現役最終年も通算勝敗をプラスにするために首脳陣が勝ち星のつく場面での登板を勧めたが、記録にはこだわらないと固辞。200勝投手では唯一の負け越しだが、生きざまが表れた“借金1”である。

与四球


1位:金田正一(元国鉄ほか)/1808四球
2位:米田哲也(元近鉄ほか)/1480四球
3位:中尾碩志(元巨人)/1436四球

 当然、投球回数に比例して多くなる与四球数だが、3位の中尾碩志(元巨人)はなかなかの曲者。戦前戦後に巨人で活躍した投手でいわゆるノーコン速球派左腕。ノーヒットノーランを2回記録しているが、1度目は与四球10、2度目は与四死球8での達成だった。

与死球


1位:東尾修(元西武ほか)/165死球
2位:渡辺秀武(元巨人ほか)/144死球
3位タイ:坂井勝二(元ロッテほか)/143死球
3位タイ:米田哲也(元近鉄ほか)/143死球

 1位はもちろん東尾修(元西武ほか)。2位の渡辺秀武(元巨人ほか)は意外にも知られざるアンダースローのヒットマン。もともと死球が多かったが、引退試合では与死球記録1位を狙って内角攻めを敢行し、当時の単独トップに。のちに「(記録を)狙わなかったらプロとして失格」と語った。

 3位タイの坂井勝二(元ロッテほか)もアンダースロー。現役でも牧田和久(パドレス)は与死球が多いが、アンダースローが生き抜くためには内角への厳しさが必要だ。

 ちなみに武闘派のイメージがある金田はトップ40にも食い込まない72与死球。「打ち取れる相手に死球を当てるのはもったいない」と考えていたそうだ。

暴投


1位:村田兆治(元ロッテ)/148回
2位:石井一久(元ヤクルトほか)/115回
3位:新垣渚(元ソフトバンクほか)/101回

 1位はご存知、村田兆治(元ロッテ)。フォークボールが代名詞の村田だが、目が悪くサインがよく見えないため、ノーサインで投球。捕手の袴田英利が必死で捕球していた話は有名だ。

ボーク


1位:江本孟紀(元阪神ほか)/24回
2位:米田哲也(元近鉄ほか)/23回
3位:グリン(元日本ハムほか)/20回

 1位は江本孟紀(元阪神ほか)、2位は米田。これは1973年から1974年にかけてパ・リーグがボーク判定を厳格化した影響が大きい。3位には2006年から楽天、日本ハム、横浜で4年間プレーしたグリンがランクイン。ボークの多い助っ人投手は長続きしないイメージがあるが、グリンは毎シーズン100投球回以上を記録し、今思えば貴重なイニングイーター。マウンドに上がったからこそボークを取られるのだ。

文=落合初春(おちあい・もとはる)

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