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《先月までの「あらすじ」&展望》茂木栄五郎が離脱の楽天は試練の夏。セ・リーグ2位・3位争いは混沌

《先月までの「あらすじ」&展望》茂木栄五郎が離脱の楽天は試練の夏。セ・リーグ2位・3位争いは混沌

 プロ野球的風物詩の交流戦が終わり、リーグ戦が再開したプロ野球。徐々に上位と下位の差がつき始め、勝負どころの夏場を迎えることになる。

 週刊野球太郎では多忙でプロ野球をチェックできず「ペナントレースの動向を見失ってしまった」「どの選手がノッているのかわからない」という方のために、『ペナントの行方を見失った方はいませんか!? プロ野球・先月までの「あらすじ」』を毎月第1週に連載。

 6月の情勢を振り返りながら、今後の展望を探ってみたい。

【6月のあらすじ】今年もパ・リーグが勝ち越した交流戦


 5月30日から開幕した交流戦は今シーズンもパ・リーグが勝ち越し。56勝51敗1分と5つの貯金を作って終わった。

 パ・リーグはソフトバンクが12勝6敗で交流戦優勝。西武(10勝7敗1分)、楽天(10勝8敗)、オリックス(10勝8敗)も貯金を作り、ロッテ、日本ハムとの差を広げた。

 ソフトバンクは6月に千賀滉大、内川聖一、デスパイネと次々に離脱するなかでの好成績。あらためて選手層の厚さを見せつけた。

 3位から上位をうかがう西武は5月に1軍昇格し、3勝をマークした佐野泰雄が離脱したが、交流戦明けにファイフを補強。すでに2軍戦では登板しており、1軍デビューが待たれる。

 日本ハムは4割打者への期待が掛かっていた近藤健介がヘルニアの手術により今シーズン絶望。今後も苦しい戦いを強いられそうだ。

 セ・リーグは交流戦2位の広島(12勝6敗)と阪神(10勝8敗)が貯金を作り、3位以下のチームとのゲーム差をさらに広げた。

 DeNAはルーキー・?口遥大の奮闘もあり、苦手の交流戦を勝率5割でどうにか乗り切った。リーグでは3位につけてはいるものの、昨シーズン同様に勝率5割超に苦労。「勝率5割超え」が鍵になりそうだ。

 巨人、ヤクルトは交流戦で大型連敗。優勝争いは現実的に難しくなり、目標を3位へと切り替えることになりそうだ。中日は一時期の大不振を脱し、調子が上向いてきた。

【パ・リーグの展望】茂木が離脱した楽天は正念場


 開幕から首位をキープしている楽天にとって7月は正念場となりそうだ。

 1番・遊撃として3割を超える打率を残していた茂木栄五郎が右ヒジ骨挫傷で離脱。腰痛で出遅れていた塩見貴洋が復帰戦で白星を挙げたものの、再び登録抹消。夏場へ向けて不安要素が絶えない。

 幾多の修羅場をくぐり抜けてきた梨田昌孝監督の手腕に期待が掛かる。

 優勝候補筆頭の呼び声が高かったソフトバンクは追撃態勢に入った。内川聖一、デスパイネといった主軸の離脱者が復帰し、迫力ある打線が戻ってきた。

 優勝争いの経験者が多く、夏場の乗り切り方を知っているだけに、楽天をとらえてからの首位独走といった展開もありそうだ。

 ここ3年間Bクラスが続いている西武は菊池雄星、ウルフに続く投手陣にめどがつけば上位争いに加われそうだ。

 オリックスは小谷野栄一、ロメロ、T-岡田の主軸は好調。固定できていない上位打線に型ができれば巻き返しは可能だろう。

 日本ハム、ロッテは開幕から下位に低迷。しかし、復帰の大谷翔平(日本ハム)、新加入のペーニャ(ロッテ)と起爆剤となり得る選手が打線に加わった。彼らの爆発で波に乗れば、目標となる3位進出の目はまだある。


【セ・リーグの展望】中日が追い上げなるか?


 交流戦明けに行われた広島対阪神の首位攻防戦で広島が連勝。昨シーズン同様、広島が独走態勢に入ったセ・リーグ。

 3位のDeNAが勝率5割前後で推移し、以下の3球団は勝率5割に満たないこともあり、これまた昨シーズンと同じように、広島の背中を遠くに眺めながらの2位・3位争いが白熱しそうな様相だ。

 投手陣のやりくりが苦しくなる夏場に向けて、広島は7月が大事な時期となる。昨シーズンの広島は7月3日に初めて2位との差を2ケタの10ゲーム差とした。そのスパートを再現できるか。

 阪神はここにきて8連敗と息切れ。糸井嘉男、福留孝介のベテラン陣が調子を崩しているのが痛い。しかし、ドラ1ルーキー・大山悠輔が7月1日のヤクルト戦で決勝3ランとなる初本塁打を放った。ベテランと若手をやりくりして、なんとか広島にくらいついていきたい。金本知憲監督の手腕が問われる。

 DeNAは、石田健大が復帰。今永昇太も調子を取り戻した。井納翔一、?口とあわせて先発陣の頭数が揃い、追撃態勢が整った。筒香嘉智が夏に強いことも好材料。阪神がこれ以上もたつくなら、追いつきそうな気配を感じさせる。

 そして、この状況で、おもしろい存在となりそうなのが中日。

 昨シーズンオフに左ヒジ遊離軟骨除去の手術を受け、出遅れていた小笠原慎之介が6月に入り初勝利。2試合連続で8回を投げるなど森繁和監督からの期待も大きい。7月2日の広島戦では打ち込まれたが、不調の大野雄大に代わって、シーズン後半はローテーションの軸に据えられてもおかしくない勢いだ。

 また、ドラ1ルーキー・柳裕也も好投を見せている。彼ら左右のエース候補が勝ち星を伸ばしてくると、3位争いに加われそうだ。

 球団史上ワーストの13連敗を喫した巨人は陽岱鋼、山口俊のFA加入組がようやく本格復帰。2人の動向が今後の鍵を握るだろう。

 陽は守備・走塁こそ衰えが見られるものの、勝負強い打撃を見せている。また、山口は復帰初登板で6回無安打無得点の好投で初勝利。2戦目は6回3失点、3戦目は古巣・DeNAにKO。安定感に不安を残すが、ローテーションを守ることでチームに貢献したい。

 ヤクルトは山田哲人が不振から脱却できるかがポイントだ。山田の後ろに座る雄平が右手首骨折で今季絶望と暗いニュースが続くが、上位を打つ坂口智隆が3割近い打率を残しているだけに、山田が復調して打線を生き返らせるしかない。ただ、抑えを務めていた秋吉亮も違和感から登録抹消……。暗いトンネルがまだ続く。


文=勝田聡(かつたさとし)

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