週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

君はこんなもんじゃない! 堂林翔太(広島)ら球団別「ロマン砲」の今……(セ・リーグ編)

君はこんなもんじゃない! 堂林翔太(広島)ら球団別「ロマン砲」の今……(セ・リーグ編)

 誰が見ても好素材。各球団にはそんな未完の大器が眠っている。ペナントレースの大勢が決まり、消化試合の色合いも濃くなりつつあるが、将来が期待される「ロマン砲」の登場も秋の醍醐味といえるだろう。

 各球団で飛躍が期待される「ロマン砲」は誰なのか、今季の成績とともに紹介したい。まずはセ・リーグ編!

堂林翔太(広島/外野手/8年目/26歳)


■今季の成績
44試合:打率.217(46打数10安打)/1本塁打/11打点/0盗塁

 3年目の2012年に14本塁打を放ち、ブレイク候補に躍り出た堂林翔太だが、その後は生きのいい大学・社会人経由の同年代に埋もれる展開。気がつけば、若手から中堅に差し掛かりつつある。

 今季は2軍で打率3割超の好成績を残していたが、1軍では出場機会が少なく、バット開眼には至らなかった。やはり、持ち前の豪快な打撃は代打では生かしきれないところもある。あくまでも私見だが、いっそのことトレード志願で他球団に活躍の場を求める手もアリかもしれない。

江越大賀(阪神/外野手/3年目/24歳)


■今季の成績
26試合:打率.077(13打数1安打)/0本塁打/0打点/1盗塁

 若手の台頭が続く阪神で、いち早くファンに“夢”を見せたのは江越大賀だった。1年目の2015年には56試合で5本塁打、2年目は72試合で7本塁打。長打力、中堅の守備範囲の広さ、強肩、まさに新庄剛志の再来と思ったファンも多いのではないだろうか。

 しかし、今季も課題である「確実性」が足を引っ張った。1年目は2軍でも打率.309と好調だったのだが、昨季は2軍で打率.206、今季は打率.179とスランプ気味。当たれば飛ぶ長打力は健在なのだが……。金本知憲監督いわく「宝くじ」。今季20本塁打の中谷将大らに追い抜かれた感は否めないが、大当たり券に化けることを願いたい。


中井大介(巨人/内野手/10年目/27歳)


■今季の成績
90試合:打率.249(229打数57安打)/5本塁打/15打点/2盗塁

 大田泰示が日本ハムに旅立った今、残された巨人のロマン枠筆頭は中井大介だろう。プロ1年目の2008年には2軍で打率.267、10本塁打、2年目も2軍で打率.293、9本塁打の成績を残し、同年9月には「平成生まれ初本塁打」を記録。「平成の大砲」になるムードが漂っていた。

 今季は二塁のレギュラー争いに勝ち、開幕からスタメン出場を続けたが、目に見える結果を残せぬまま、左翼や一塁が主戦場に。ファンからも「もっと若い選手を使え」という声が増えつつある。ここらでドカンと大活躍を見せたいところだが……。


白根尚貴(DeNA/外野手/6年目/24歳)


■今季の成績
12試合:打率.231(13打数3安打)/1本塁打/2打点/0盗塁

 高校時代は島根・開星高で鳴らした「島根のジャイアン」もプロ6年目。今季は6月17日のオリックス戦で1軍初本塁打(これが1軍初安打)を放ち、ブレイクの狼煙を上げた。ソフトバンクの育成契約を蹴り、DeNAに移籍してから2年目。2軍では73試合で打率.253、6本塁打の成績だが、28四球としっかりと球を選ぶこともでき、出塁率は.362と高水準をマークしている。

 今季は「出場機会をつかめるなら」と外野に挑戦しているが、DeNAにはすこぶるロマン砲が多い。大卒ルーキーの佐野恵太が2軍で77試合、打率.255、11本塁打の成績を残せば、高卒ルーキーの細川成也も114試合で打率.201、10本塁打。細川は10月3日の中日戦で1軍初打席初本塁打の最高のデビューを飾り、翌日も2試合連続で本塁打を放っている。

 ただ、ロマン砲の競争が激しいが、これまでの経験や確実性は白根が上だろう。体を絞り込み、ジャイアンっぽさは薄れた気もするが、ド迫力砲の大成を期待するファンも多い。


高橋周平(中日/内野手/6年目/23歳)


■今季の成績
40試合:打率.230(126打数29安打)/2本塁打/10打点/0盗塁

 高校通算71本塁打、3球団競合のドラフト1位、中日のロマン砲といえば、高橋周平で間違いない。毎年、目の覚めるような本塁打を放ち、ファンをワクワクさせるのだが、いまだブレイクには至っていない。今季もビシエドの負傷で出場機会をつかんでいるが、なかなか結果を残せず、ついにはトレード候補という報道も盛んになってきた。

 堂上直倫、吉川大幾など超高校級スターを育てきれない中日。このまま高橋周平も……となるとドラフト候補側からの印象はよろしくないだろう。来季から打撃コーチに就任する森野将彦が「高橋を鍛え上げる」と宣言しているが果たして……。


廣岡大志(ヤクルト/内野手/2年目/20歳)


■今季の成績
11試合:打率.250(28打数7安打)/0本塁打/1打点/0盗塁

 ちょうど1年前のこの時期、ロマンを抱かせる本塁打を放ったのは廣岡大志だ。2016年は2軍で10本塁打を放ち、9月28日の消化試合で1軍デビュー。第1打席に体がはち切れんばかりのスイングで引退試合などお構いなく三浦大輔(DeNA、引退)に一発を浴びせ、1軍初打席初本塁打の鮮烈デビューを果たした。そのスイング軌道やパワフルさは「山田哲人2世」と呼ぶに相応しい、豪快なものがあった。

 今季は2軍でじっくりと育てられているが、110試合で打率.244、16本塁打の成績を残しており、パンチ力は高卒2年目とは思えない。ただし、467打席で119三振と粗さも目立っており、1軍定着には課題を残す。三塁、遊撃で廣岡が1軍のスタメンを張れるようになれば、ヤクルトのチーム状況は明るくなりそうだ。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方